弱肉強食

@Nyamoshi

プロローグ

ん…んんんん……



目を開けると、ボンヤリと見えた紅い光。

次第に焦点が合ってきて、それが瞳だと分かった。


「あんた、大丈夫なん?」


女性のものらしきちょっとハスキーな声に関西弁で聞かれ、あたしは軽く頷いた。


頭がズキズキする……

何処かで打ったんだっけ?体もなんか痛いな。


「よかった、生きてんねんな。ヌー男の大群に撥ねられたようやったから、生きてるのが奇跡やで。」


え、ヌー男…?!

いや、違う。


あたしが撥ねられたのは、、、、


「車っ!!!!小学生の男の子が轢かれ

そうになってて、かばったらあたしが撥ねられて、」


「何言っとんの?」


キョトンとした顔をされて、何が何だかよくわからなくなる。




目の前の女性の耳も垂れ下がってて、


「…………って、耳?!?!」


見た限り、100均で買えるような猫耳じゃない。

毛並みが綺麗でリアル過ぎるヒョウ柄の耳。


「耳がどうした?」


「きゃっ!動いた!!」


「いや、当たり前やろ。動物人間なんやから耳くらい動くわ!」


「ど、どーぶつ人間?」


なんだそれ?


「………あんたもしやとは思ってたけど、動物人間じゃないん?」


「うん。普通の人間!」


「っ?!………“人間”?」


そんな驚くような事じゃないでしょう。


「人間、か。」


動物人間の女豹は、何かを考えるように足を組んだ。

数秒経ち、やっと女豹が口を開ける。




「よし!決めた!この世界ではうちがあんたの事守ってやるから、あんたはうちを頼るんやで!!!!」


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