第3章初仕事

探索の旅に出発したアレックスだったが、まずは情報集めが必要と城下町に下り、魔女の聞き込みをした。魔法で名を売っている魔女の中に王の求める聖女ジェラルダインはいるかもしれない。城下町の通りには様々な店が軒を連ねていた。多種多様な果物を売っている店、肉を切り裂いている肉屋、香ばしい焼き立てのパンを置いているパン屋。昼間だというのに飲んだくれてる男達がたむろしている酒場。至るところで商売が盛んに営まれ、そこにはたくさんの人が出入りしていた。


アレックスはそういった場所に行き、どこかに魔法の効き目が抜群の魔女はいないか訊いて歩いた。すると人々はアレックスがラングード国の騎士だということを知ると快く話してくれた。あっちの森に恋の媚薬を作る魔女がいる。夜な夜な大きな鍋で何かを煮ている魔女がいる。川辺に大蛇に変身できる魔女がいる。いろんな話をアレックスは聞いたが、どれもこれも真実味がなく噂話が多かった。もちろん、愛想よく話してくれる人々に悪気はない。


だがこれでは真実ではないのに、わざわざ魔女を探しに行っても無駄骨に終るだけではないだろうか。アレックスが途方にくれていると、一人の少女が声をかけてきた。

「お花はいりませんか」

見ると綺麗なピンク色の花が手提げの籠から顔を出している。

「花はいりません。ところで君は魔女の話とか知りませんか」

「魔女ですか。魔女なら一人知っています」

急に訊かれた少女は当惑した表情を浮かべた。

「本当ですか。それなら教えてくれませんか。僕はラングード国の騎士で名をアレックスと言います。王の命令で魔女を探すように言われているのです。ひょっとしたら君の知っている魔女が探している魔女かもしれない」

少女は王の用向きだと知るときちんと背筋を伸ばして答えた。

「そうですか。王様が探してらっしゃるならば申し上げます。その魔女の名はミネールと言います。ここから東に進んだところにファントムという町があります。そこに住んでいます」

「具体的にどういったことができる魔女なのですか」

「はい、その魔女は眠り薬を作るのが得意なのです。私の父も作ってもらって立ち所に不眠が治りました」

「そうですか。実際に使われたこともあるのですね。貴重な情報ありがとうございました」

アレックスは少女の返答に礼を言った。なるほど、ファントムの町に住む魔女か。今度は噂話だけでなく実際に治療も受けたという証言だ。他の人にもこのミネールという魔女について訊いてみよう。アレックスは気を取り直すと、ミネールという魔女について聞き込みをし出した。すると今度は多くの情報が集まった。ミネールという魔女は眠り薬だけでなく、良く効く傷薬も作るという。その結果、旅をする者は出かける前に彼女の家を訪れ、その薬を買い求めるそうだ。またまじないも得意でこの近辺では評判の魔女らしかった。アレックスはミネールを訪ねることにした。


 城下町の喧騒を抜けてアレックスは城壁に囲まれた門から一歩外へ出た。普段は城内での鍛錬が多い為、城壁の外へ出るのは、久しぶりだった。日は既に傾き始めていて道端に立っている木々の影が伸びているのが見える。外は街中と違いのどかな田園風景が広がっている。干し草を積んでいる馬やミルクを運んでいる牛などがたまにすれ違っていくだけで人通りも少ない。街道の側には細い川が流れていてずっと真っすぐ東へと向かっていた。アレックスはその川を目印に東へ東へとひたすら歩いて行った。

 真っ赤な夕日が辺りを染め、烏が何羽も空を飛び交い、近くにある森のねぐらに戻って行く頃になっても目指す町ファントムは形さえ見えなかった。しかしアレックスは黙々と歩き続けた。彼は町が見えるまでその歩みを止めようとはしなかった。

 やがて夜になり空には満月が浮かび、切れ切れとした雲が覆うようになった頃、アレックスはようやくファントムの町に着いた。どこかで飼い犬の鳴き声が聞こえ、夕飯の皿の片づけをしている音や、家の中で話す人々の声が聞こえてきた。店という店はもう閉まり、暗闇と家の中のランプの光だけが町中の道を照らしていた。アレックスはこれは困ったと思った。これでは魔女の居場所を誰にも訊けそうもない。さてどうしようかと戸惑っていると、一軒の宿屋があることに気がついた。宿屋の主人はこれから嵐でも来るのか大きな鎧戸を閉めようとしていた。

「あの、すみません」

アレックスは慌てて声をかけた。

「ん? なんだい、お客さんかい。お客さんならこの鎧戸を閉める前に宿の中に入ってくれんかね」

「いえいえ、客じゃないんです。人を探しているんです」

「なんだって、人だって」

宿屋の主人は分厚そうな眉をぴくりと持ち上げた。客じゃないなら、早く帰ってくれと言わんばかりの態度だ。

「魔女のミネールを探しているんです」

「ミネールだったら、この町のはずれの森の入り口に住んでいるよ」

「ありがとうございます。助かります」

アレックスはそう言い残すと、その場を立ち去ろうとした。すると宿屋の主人は驚いたように止めに入った。

「お兄さん。今から行くのかい」

「そのつもりですが…」

「それなら止めた方がいい。最近夜になると不気味な唸り声が森の中から聞こえてくるんだ」

「唸り声が?」

「用心のためにこうして鎧戸を閉めているってわけさ。お兄さんも朝に出直して行った方がいいんじゃないかい」

アレックスは一瞬ぶるっとしたが王からの命令を思い出した。聖女ジェラルダインは良くない魔法使い。この唸り声もその聖女ジェラルダインが作り出しているのかもしれない。それならば、その現場を取り押さえなければならない。彼は気持ちを奮い立たせて、こう言った。

「いえ、今行きます」

宿屋の主人は呆れたようにアレックスを見た。

「頑固な兄さんだな。まあ、せいぜい用心して行くんだな」

主人は肩をすくめると自分の仕事へと戻って行った。

 

夜風が耳元をかすめるのを聞きながら、アレックスは主人の教えてくれた町はずれの森へと向かった。何軒かの家や路地を通り抜け、森へと続く一本道へと入ると前方には黒々とした森が広がっていた。裾の大きな森の前にはこじんまりとした小さなかやぶき屋根の家が一軒だけ建っていた。


中からはランプの光がにじんでいた。アレックスは息を整いながら、その家の側へと駆け寄った。窓からのぞくと大きな鉄鍋に緑色の液体をたくさん煮詰めている小柄の女性が見えた。魔女というよりは家事にやつれ果てた主婦のように見えた。


奇怪な声が聞こえているというのはあの緑の液体が関係しているのだろうか。アレックスにはとんと見当もつかず、しばらくその様子を見守っていた。しかし魔女はひたすらその鍋をかきまぜるだけで、何か重大なことをしようとしもなかった。彼はこのままここでこうしていてもしかたないと思い、思い切って魔女に声をかけることにした。玄関へと周るとアレックスは扉を叩いた。


「夜分遅く恐れ入ります。私はアレックスと言いますが、王の命令で人探しをしています。開けてもらえませんでしょうか」

 すると少し間を置いて扉が開いた。手には用心のために魔法の杖を持ったカリフラワーみたいな髪をした一人の魔女が眼光鋭い目でこちらの様子を窺っていた。そうして彼女はアレックスの持っている盾を見て、本当に王による騎士であることを知ると、ほっとした面持ちをした。

「どうやら本当に騎士さんのようですけども。どのようなご用件でしょうか」

立ち話はなんですからと言わんばかりに、彼女は手近にあった椅子を勧めた。アレックスは部屋の中をぐるっと見回した。天井からはたくさんの薬草がぶらさがり、棚にはたくさんの果実の漬物が並び、部屋の真ん中には大きな丸テーブルが置かれ、そこには玉ねぎやら人参やらごろごろ並んでいた。

「いえ、良からぬ噂を聞いたものですから。森の奥から唸り声が最近聞こえるとか。その緑色の液体はなんですか」

それを聞いた魔女は面白げに瞳をくるりと向けた。

「ええ、ええ。その緑色の液体で巨大ながまがえるを作るんですよ。そいつがその唸り声の正体ですよって言えば満足ですか」

「えっ、そんなことできるんですか」

アレックスは目をひんむいて叫んだ。

「というのは冗談です。この緑色の液体は傷薬の液体ですよ。唸り声のことなら実は私も困っているんです。最近夜な夜な聞こえてきて、私も正直怖いんです。その原因を突き止めて欲しいと思っているところなんです」

「そうですか」

現場を取り押さえるんだと意き込んでいたアレックスはずいぶんと気が抜けた。どうやらこの人が犯人ということはなさそうだ。


それに聖女ジェラルダインでもなさそうだと彼は彼女を観察して思った。何しろ彼女のしているペンダントはどんぐりだったのだ。話も聞いていると気だていのいいおばさんのようにしか思えない。現に寒かったろうと、紅茶までふるまってくれたのだ。とてもじゃないが、良くないことをしようとしてる魔女には見えなかったのだ。無駄足だったなと思っていると、彼女がこう言ってきた。

「本当に唸り声が怖くて、夜は森には近づけないのよ。私なんてこんな森の入り口前が家じゃない。何が合ってもおかしくないじゃない」

魔女は本当に困っているようだ。そうして彼女は思いついたと言わんばかりにぴんと指を立てた。

「そうだわ。あなた騎士なのよね。騎士って言ったら、市民のためにがんばる人でしょ。あなたが森の奥へ行って唸り声の原因を突き止めてきてくれない」

「えっ、僕がですが」

アレックスの声は思わず上ずった。

「そうよ。あなただって騎士でしょ」

魔女は満面の笑みを浮かべてそう言ってきた。

「それはそうですが」

「ね、お願い。本当に困っているのよ」

手を握りしめられ、アレックスは困ったが、確かに騎士といえば市民の生活を守るためにいるのだ。こんなに頼まれているのだから、これは僕が行くしかないかもしれない。アレックスは魔女の手をほどくとこう言った。

「分かりました。これも騎士の仕事です。唸り声の原因を突き止めてきます」

「本当。それはほんとに助かるわ。だいたい夜の十時頃から唸り声が聞こえ出すのよ。それまではここでゆっくりするといいわ」

そこでアレックスは剣の手入れをしながら魔女ミネールの話を面白おかしく聞いていた。


ミネールは町の人にも好かれているらしく、近所のパン屋や肉屋や酒屋といろんな店でのおかみさん達と世間話を交わしているらしくあっちの誰々がこんなことをした、そっちの誰々は大酒飲みだと話題は尽きなかった。こんなに町の人達に慕われている人が王命で下されている聖女ジェラルダインではないことはよく分かった。アレックスもそれに気づき内心ほっとしていた。もちろん、実際の仕事はこなせないということだったが、このような人を捕えるなど持ってのほかだと思ったのだった。こうして夜が更けて行くうちに突如大きな声が聞こえ始めた。

「ゴオーッ、ゴオッ」

何かが詰まったようなその大きな音は小さな家をがたがたと揺らした。今まで景気よく話していたミネールは怯えたように家の外を見つめている。

「ゴオーッ、ゴオッ、ゴオーッ、ゴオッ」

断続的にその音は鳴り響いてくる。アレックスも一瞬ひるんだが、騎士としての初仕事。市民を守るためにはと彼は心を奮い立たせて、窓の外の暗闇を見つめた。

「それでは行ってきます」

手元の剣と楯を持つと、アレックスはミネールの家の扉を開けた。

「気をつけて」

ミネールは扉の陰からそっと外を窺いながらアレックスに声をかけた。彼はミネールの声を背負うと、外へと走り出た。

「ゴオーッ、ゴオッ」

大きな音は暗闇に包まれている森の奥から聞こえてくる。アレックスは気持ちを盛りたてながら、一気に森の中へと走って行った。走って行かなければ、アレックスの心に怯えが伝わり、足が止まってしまいそうな気がしたからだ。彼はありったけの勇気と騎士使命を背負いながら、深い森の中へと分け入った。

「ホーホー、ホーホー」

眠たそうなふくろうの声も途中から聞こえてきた。木々の葉はどこからともなく吹いてきた風になびき、ざわめき大きな音となり深い影を落とした。一人きりで暗い森を突っ切りながら、アレックスの額からは冷や汗がじんわりとにじんできた。

「ゴゴッ、ゴゴッ、ゴオオオーッ」

さっきよりも正確にその不気味な音は鳴り響いてくる。それは何かが詰まったような不思議な音だった。


 森の真ん中ぐらいまで走り切ったアレックスはその音の正体を目撃した。それは大きな足だった。とてつもなく大きな巨木に、大きな足を持った、これまたとてつもなく大きな巨人が木の又に横になって、足をアレックス側に向けて寝ているのだ。その大きな音というのは巨人の出す大きないびきだったのだ。


 その正体を知ったアレックスは正直言って呆れ返った。市民を怖がらせていたのは、巨人の出すいびきだったのだ。もちろん、笑い話といえば笑い話なのだが、それにしてもこの音はひどい。いびきとは言え、間違いなく騒音だ。アレックスはとにかく巨人に話をしようと起こそうとしたのだが、ちっとも起きる気配がない。それでしかたなくアレックスは少々荒療治だったが、巨人の足に剣を突き立てた。するとどうだろう。ごおごおと言っていた巨人のいびきはたちまちのうちに止まり、今度は逆に

「いたたたっ、いたたたっ」

と泣きそうな声を出してきたのだ。

「痛い思いをさせてしまって失礼します。私はアレックスと申します」

「貴様、俺にいったい何の恨みがあるというのだ!」

巨人は烈火な勢いで怒り出した。

 そこでアレックスは町中の人が巨人のいびきを怖がっていることを、また実際原因が分かったとしてもそのいびきを何とかしてもらえないと騒音でしかないことを告げた。巨人はというと、それはそれで困ったとした表情をした。

「はて、それは困ったな。実は俺は最近この森に移り住んだばかりなんだが。それなのに、町の人とうまくいかないというのは困ったもんだな」

そう言って巨人は頭をかいた。

「あなたのいびきは前からこんなに大きかったのですか」

アレックスは巨人をまじまじと見つめながら質問した。

「いや、そんなことはない。ただ最近寝付けなくてなあ。どうもそのせいじゃないかと思うんだが。」

寝付けない。その言葉を聞いてアレックスはぴんときた。


確かミネールさんは眠り薬を作るのが得意だと言われていた。ならばその眠り薬をこの巨人に飲んでもらってはどうだろうか。そこに考えが行きつくと、アレックスは巨人に言った。

「ちょっとひとっ走り行ってくるので、寝るのは少し待っていてもらえませんか」

巨人は何が何だか分からなかったが、とにかく分かったと答え、待つことにした。


アレックスは飛ぶようにミネールの元へと走った。暗闇の森はさっきよりかは明るく見えた。急いでミネールの家へと戻ったアレックスは彼女に事情を話し、眠り薬を分けてもらった。

「まさか巨人のいびきだったなんて驚きね。私の眠り薬はよく効くからいびきもかかずに眠ることができると思うわ。しばらく必要そうだったら巨人さんにうちまで来てもらえるように言ってもらえるかしら」

事の顚末を知ったミネールはくすりと笑ってそう言った。アレックスはその薬を大事に受け取ると、また急いで巨人の元へと戻り、眠り薬の話を彼に伝えた。すると彼は腕組みをしてうなずいた。


「なるほど。そういうことなら、この薬を飲ませてもらおう。それで万事がうまくいくというなら、そうしようじゃないか」

彼はそう言うと、その薬をごくりと飲み込んだ。するとたちまちのうちに寝息を立てて眠りに落ちていった。その様子を見ていたアレックスは確認した。巨人からはすやすやとした寝息しか聞こえず、あの不気味ないびきはこれぽっちも聞こえてはこなかったのだった。これで一安心とアレックスはミネールの元へと戻ると、彼女はごくろうさまと言い、今日はもう遅いからうちに泊って行きなさいという言葉をかけてくれた。それで彼はその好意に甘えることにした。

 

次の日アレックスは随分と日が昇ってから目を覚ました。慌ててベッドから跳び起きると丸テーブルの上には朝ごはんの用意がしてあった。ミネールの姿は見えず、どうしたものかと思ったが、せっかく用意してくれていたので、食べることにした。パンやソーセージをむしゃりむしゃりと食べていると、ミネールが戻って来た。手の籠の中には町の店で買ってきた日用品がどっさりと入っていた。

「どう、朝ごはんは」

ミネールは微笑みながら訊いてきた。

「とても美味しいです」

アレックスは満足そうにそう答えた。

「そうそう。昨日のお手柄は町のみんなに伝えておいたわよ。これでみんなあの大きな音に悩まされずに済むと言ってたわ。これもみんな騎士様のおかげだと言っておいたからね」

彼女はウィンクしてそう言った。

「えっ」

彼は驚いてパンを取り落とした。

「いいじゃないの。お手柄はお手柄なんだから」

ミネールはふふっと笑ったが、アレックスはとても気恥かしかった。お手柄と言っても大した仕事でもなかったし。でも町の人達が安心して暮らせるなら、それも良いかと思ったのだった。

「そういえば人探しをしていると言っていたけど、誰を探しているの」

日用品を籠から取り出しながらミネールは訊いてきた。アレックスは一瞬どうしようかと思ったが、ミネールは明らかに聖女ジェラルダインではない。だったらこの名をそのまま出したところで特に問題はないのではないだろうかと彼は考えた。

「探しているのは聖女ジェラルダインという人です」

「聖女ジェラルダイン?!」

彼女は一瞬手を止めた。

「そんな人を探してどうするの」

「それは王の命令なので内密なのです。僕はただ探すように命じられているだけなのです」

「果たして見つけられるかしら」

ミネールは思案深げに呟いた。

「それはどういう意味ですか。彼女は魔女なんですよね」

怪訝そうにアレックスはスプーンを振りまわした。

「彼女は魔女じゃないわ。不思議な力を持った聖人。彼女の力があれば世界を統一することもできると言われているわ。と言っても伝説上の聖人って私は聞いているわ」

「そんな、馬鹿な。伝説上の人物を王は探せと言うでしょうか」

息まいてアレックスはミネールに言ったが、彼女はいたって冷静だった。

「さあ、それはどうかしら。王様がいったい何を考えているのか私にはさっぱり分からないけど、気をつけた方がいいかもしれないわね。」

「気をつけるとは」

「聖女ジェラルダインを見つけ出そうというその考えについてね。ってこれは内緒にしておいてね。私、王様に立てついたなんて言われたくないから」

「そうですか。ここの話はなかったことにします」

「そうね。そうしておいてね」

ミネールはアレックスの食べ終わった皿を片づけ始めながら、一つウィンクをした。一方アレックスは呆然とした。魔女だと思っていた聖女ジェラルダインは聖人だったのだ。確かに聖女というぐらいなのだから、それは当然といえば、当然かもしれないが、親衛隊の隊長は良くない魔女だと言ったのだ。それは嘘だったのだろうか。もう少し聖女ジェラルダインについて知らなければならないのかもしれない。そして王は彼女を探し出して何をしようとしているのだろうか。気をつけろといったミネールの言葉がアレックスの胸には重くのしかかってきた。

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