第8話 冒険者ギルドとテンプレみたいです
やっと冒険者ギルドの前に来た俺はそのマークを見て目を輝かせた
「おぉ~、このマークめちゃめちゃかっこいい!!やっぱり冒険者ギルドのマークはクロスした剣に限るよなぁ」
などと言ってニヤニヤしていた俺は、周りの様子を見るとさっきまでの自分が恥ずかしくなり、そそくさとギルドに入った。
「へぇー、冒険者ギルドはやっぱりラノベに書いてあった通りなんだなぁ」
そう言いつつギルドの中を見渡していると受付に美人のお姉さんがいるのを見つけた。
(うわー!めちゃくちゃ美人さんがいるおー!!)
と、思った俺だったがさっきの件もあったので美人さんにドン引きされるわけにはいかないと、顔を引き締めて受付に向かった
「冒険者登録をしたいのだが」
と話しかけると
「はい、かしこまりました。えーと、ギルド登録費用に小銅貨4枚がかかりますがよろしいでしょうか?」
「ああ、大丈夫だ」
ギルドの登録に金がかかることは事前に商人のおっちゃんに聞いていたので特に焦ることもなく支払うことができた。
「確かに頂戴いたしました。では、こちらの書類に必要事項を記入してください。文字が書けない場合は代筆も可能ですが…」
「いや、字は自分で書けるから大丈夫だ」
そう言って俺は貰った書類に必要事項を記入していった
(まず名前はツバサだけでいいとして、年齢は16っと、それから職業は魔法剣士でいいか、スキルは剣術だけ書いておけば大丈夫だろう、別に全部書かなきゃいけないわけじゃないし。…よし、できた)
「これでいいのか?」
「少し確認させていただきますね」
そう言って美人さんは俺の書いた書類を一通り確認してから、カウンターの上に置いてあるレジのような機械に書類を入れた。
するとクレジットカードのようなものが出てきた。
「大丈夫ですね、こちらがギルドカードになります」
「ありがとう」
渡されたギルドカードにはさっき俺が記入した名前と年齢と職業のデータが記されていた
「次は冒険者についての説明をいたします」
「あ、頼む」
「はい。まず、冒険者のランクについて話しますね。冒険者のランクは下からF、E、D、C、B、A、S、SS、SSSと9ランクあり、依頼を達成していただくことによってギルドポイント(GP)が上がり一定の量のポイントをためることによってランクが上がっていきます。そしてCランクからはランクアップのための昇格試験があります。試験というのは、試験官と手合わせをしていただいて、試験官がランクアップ可能と判断した場合にのみランクアップできます。例外として騎士団の詰め所やギルドマスターが推薦した場合は一気にランクアップすることもできます。続いてギルドカードの話に移ります。ギルドカードは失くしても再発行はできますが、悪戯防止のために手数料が掛かってしまうので、なるべくなくさないように肌身離さず持っていてください。それからギルドカードの表示ですが、カードを持ちながら念じることによって自由に表示を変更することができます。そして依頼についてですが、自分の下のランクは受けることはできますがあまりお勧めできません。上のランクは自分の1つ上までの依頼なら基本的には受けられますが、一部例外としてランク制限がある依頼がありますので、そちらのほうは依頼と同ランクの冒険者の方しか受けることができません。以上で説明は終わりです、何か質問等はありますか?」
「えーと、じゃあ名前を聞いてもいいか?」
「私のですか?私の名前はリリーです。」
「よろしくなリリー」
「ええ、こちらこそよろしくお願いしますねツバサさん♪」
(ウホッ、笑うと更にカワイイでござるぅー!!)
と、俺はにやけそうになるになるのを必死に堪えて会話を楽しんでいた
ところが暫くすると後ろから
「おい、新入りがリリーさんと仲良く話してんじゃねえ」
と、厳つい声が聞こえてきたので後ろを向いてみるとガチムチの男がこちらを睨んでいた
(なんかテンプレキター)
などと思いつつ鑑定を行ってみた
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ローズ 人間
LV23
HP 3300/3300
MP 1320/1320
スキル
斧術 LV3
ストーキング LV5
称号
ストーカー
加護
無し
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「ぶっ」
(やべっ、吹き出しそうになっちまった…ふぅ、平常心平常心っと)
と誤魔化そうと思ったが、ローズ(笑)にはバレてしまったようで思いっきり殺気が飛ばされてきた
「おい!そこのガキ!!俺の何がおかしいんだ!!!」
「落ち着いてください、ローズさん」
「「「「ぷっ」」」」
リリーがさも当たり前のようにローズの名前を呼んだことによって周囲にいた取り巻きの中で何人かが吹き出してしまった
「くそっ、みんなママから貰った大事な名前をバカにしやがって!」
見た目に関わらず意外とマザコンのようだ
「こんなに名前をバカにされたのはお前のせいだ!表に出て俺と勝負しろ!!」
俺はリリーの方を向いて助けを求めたが、リリーは小声で「諦めて勝負を受けてあげてください。そうすれば彼も大人しくなるでしょうから」と言った。
「分かった、その勝負を受けるから、さっさと外に出ようぜ」
「ふっ、威勢だけはいいガキだな」
そう言って二人は冒険者ギルドを後にした
「勝負は相手が降参するか、気絶するまででいいよな」
そう俺が聞くと
「あぁ、いいだろう」
そう答えが返ってきた
「ジャッジは私が行います、命に危険が及びそうな場合は容赦なく仲裁しますのでご安心ください」
「よーし、頑張るぞ、っと」
「手加減はしねぇから覚悟しろ、それと俺が勝ったら俺の名前をバカにしたことを謝れ」
「OK、俺が勝った場合はリリーさんのストーカーをやめてもらうぜ」
「お前が勝つことはねえから俺は安心だぜ」
「その安心が命取りになるぜ。まぁ、この戦いじゃ命は落とさないけどな」
「ふん、お前の実力を見せてみろ!」
「では、お互いに武器を構えてください」
そう言われて俺は盗賊の太刀を、ローズは斧をそれぞれ構えた
「それでは…始めっ!」
合図があった瞬間ローズが斧を振り下ろして攻撃を仕掛けてきた
俺はその斧を太刀の上を滑らせるように受け流すとローズの斧の柄に太刀を浴びせ柄を破壊した、そして破壊された斧の柄を見て唖然としていたローズの無防備な鳩尾に容赦なく拳を叩き込んだ。
俺の拳をもろに食らったローズは30mほど吹っ飛んで壁にぶつかり帰らぬ人となった…などということはなく四肢が変な方向にねじ曲がっていた
(やべっ、加減しておけばよかった…まぁいっか、絡んできたのはあいつからだしな。でも、強化してない状態でも十分戦えるな)
そんなことを考えていると
「ツバサさんって凄く強いんですね!とても恰好良かったです!!私、尊敬しちゃいました!」
(ムハー!、興奮しているリリーさんもカワユス!!脳内保存決定!ローズがストーキングしちゃう理由がよく分かったぜ)
と、何故かローズと仲良くなれそうな気がしてきた……
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