第48話 イベント?いや、事件みたいです
「ふあぁ~…よく寝た」
うん、今日も良い朝だ!
今日は冒険者ギルドでも探してみよう。緊急依頼とかが入っているかもしれないからな。
…それにしても、昨日の夜は凄く充実してたなぁ。人化したルーフがあんなに乱れるなんて…おっと、昨晩の事を思い出してたら俺のスティックが反応してしまった。
まぁ、時間が経てば戻るだろう…
一先ずアイラたちが起きるまで待って、起きてきたら相談してみよう。
「…ん、ツバサ?」
俺が起きてから30分くらいしてからアイラが起きてきた。
「おはようアイラ、みんなが起きたら朝ご飯を食べに行こう。」
「…ん」
それから3分ほどでルーフが起きてきた。
「おはようございます。ご主人様、本日もいい天気ですね。」
「あぁ、おはようルーフ、今日はホントにいい天気だ…。」
「昨晩は凄く楽しかったです…。ありがとうございました。」
「喜んでもらえて何よりだ。なぁ?アイラ?」
「…ん、みんな楽しいと、私も楽しい。」
まったく、アイラは本当にいい子だ。
それよりも、イズナはホントに起きるのが遅いな…何やってんだよ。
「おい、起きろイズナ!」
しびれを切らした俺は、イズナを足蹴にした。
「あぁ、もっと、もっと蹴ってぇ!!」
うわぁ、気持ちわりぃ…。どうしてこんなにドМな美少女になってしまったんだろうか…。俺のせいだろうか……そうだとしたら、罪悪感しか感じないぞ。
「なんか、ゴメンなイズナ…。」
「…んぅ?あれ?なんでそんな憐れんだ目で私を見るのよ!ゾクゾクしちゃうじゃない!!」
「どうしてイズナはこんな変態に育っちゃったんだろうって思ってさ。最初のまともなイズナはどこへ行ったんだ…。」
「失礼ね!私はずっとこんな感じだったのよ!!」
「そうか、なら仕方ないな。」
ホッ、俺のせいじゃなくてよかった。
「とりあえず、朝食を食べに行こうか。たしか、この宿の目の前に食堂があったはずだ。」
「…ん」
「早く行きましょ、お腹が空いたわ」
「えぇ、では参りましょう。」
そして、食堂で朝食を食べたのだが、その食堂で出た料理が最高に美味しかったのだ。
「う、旨い…だと…」
「…美味しい」
「なによこれ…美味しいじゃない!」
「ホントに美味しいです…」
…あぁ、俺たちはこの食堂に胃袋を掴まれちまった…。もう他の店で飯を食えないな。
だが、それだけこの食堂の料理は美味しいのだ。
この食堂の料理は、日本でいう高級料理店と比べても遜色がないほどだ。もちろんお世辞などではない。
なんか、自然と涙が出てくるな…。
「これからは、飯をここで食べよう…」
「…ん、それがいい」
「ここ以外のご飯は食べられないわ」
「私もそれがいいと思います。」
全員の意見が一致したので、ご飯は毎回ここで食べることに決定した。
「とりあえず、朝飯は喰い終わったから、次は冒険者ギルドに行こうと思うのだが、それでいいか?」
そう言ってアイラたちを見ると、全員が頷いていたので、冒険者ギルドの場所を聞きに、騎士団の詰め所へ向かった。
「邪魔するぜ」
「はい、どうぞ~」
詰め所に入ると、受付に居たのは昨日いた男だった。
「おぉ、また会ったな。」
「どうもです。本日はどのようなご用件ですか?」
「えーと、冒険者ギルドの場所を聞きに来たんだが、この街に冒険者ギルドはあるよな?」
「もちろんですよ。冒険者ギルドの場所は、この詰め所のすぐ裏手にあります。この付近の建物と比べると、一回り大きいので、すぐに見つかると思いますよ。」
「サンキュー、助かった。」
「いえ、ではなにがございましたら、またお越し下さい。」
なんか、アイツはホストクラブとかに居そうだな。あの最後のスマイルとか絶対にホストやってる奴のスマイルだったぞ。
…それにしても、この街はあんまり人が歩いていないんだな。
今まですれ違った人なんてほんの数人だぞ?もう10時くらいになるから、人で賑わってても良いと思うんだが…。
そんなことを考えながら歩いていると、すぐに冒険者ギルドに到着した。
「じゃあ、行くか。」
そう言って俺たちは冒険者ギルドに入った。
冒険者ギルドの中はなぜが冒険者がいっぱいいた。
なんだろう?なんかのイベントでもあるのか?
そう思った俺は、一番手前にいる男に聞いてみた。
「なぁ、この騒ぎはいったい何なんだ?」
「この街の占い師が言うには、どうやら今日の昼過ぎくらいにオーガの大群が街に押し寄せてくるらしい…。だから、街のみんなは他の街に避難して、冒険者はオーガの討伐をするんだと。しかも、オーガの討伐数に応じてアイテムが貰えるっていう話だ。」
マジか!これは絶対に参加しないといけない
「そのイベ…じゃなくてオーガの討伐は、勝手に参加してもいいんだよな?」
「え?あ、あぁ、大丈夫なはずだぞ。だが、…死ぬなよ?」
「任せておけ」
これでアイテムゲットはほぼ確実じゃね?
いいアイテムを貰えるといいんだが…。とりあえずアイラたちも参加するか聞いてみるか。
「アイラたちもこの討伐に参加するか?」
「…ん、もちろん」
「あたりまえじゃない!」
「私も微力ながらお手伝いさせていただきます。」
いや、ルーフは本気出せば俺より強いだろ…。そういえば、ルーフが人型から元の姿の戻らないのは、俺の寵愛をいただけないからだそうだ…。なんて健気な奴だ…
「じゃあ、あと2時間位は暇だから、それまでは自由行動にしよう。…12時少し前位に、冒険者ギルド集合でいいか?」
アイラたちにそう尋ねると、みんな頷いてくれた。
「よし、それじゃあ12時まで自由行動だ、金は銀貨5枚を渡すから好きに使ってくれ。…解散!」
俺がそう声を掛けると、みんなは街へ出かけて行った。
よし、俺も街をふらふらしてこよう!
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