金风玉露一相逢, 便胜却人间无数。

天界に帰れなくなってしまった天女と山でひとり暮らしを営む青年の物語です。
ある日主人公である青年は、山で不思議な女性を助ける。
女性は恩人である青年に天から降りてきたのだと、衣が見つかるまでそばに置かせてほしいのだと告げる。
やがて同棲を始めたふたり。しかし真実は意外なところに隠されていた――。

本作を読んでいる途中で、不思議と既視感を覚える方もいるでしょう。
そう、本作は古代中国の「羽衣天女」伝説をうまく翻案したものなのです。
ああ、たしかに、そうだったかもしれない、と作者様のオリジナルも含ませつつ静かな描写のあいだで物語が織りなされていきます。
最後がハッピーエンドと感じさせられることもあって、読み終えたあと余韻に浸ることができました。

「この一度の出会いさえあれば、世の中にあふれるどんな幸せにも優る」※ひとこと紹介文の和訳です。
古代中国の伝承に興味がある方、もちろんそうでない方にもおすすめの作品です!