第4話 転職

「よし、できた!」

俺は地元の工業高校でコツコツと機械か何かの部品に使うパーツを三年間作り続けていた。

18の冬も終わる季節、これで課題もすべて終わり、無事卒業することができる。

中学ではマンガ家かミュージシャンになりたかったが、就職氷河期なこの時代、手に職つけなければ生き残ることはできない。

なので俺はやりたかった夢をあきらめてこの道に進んだのだ。

最後に、パーツを全て組み合わせることで作品が完成する。

三年かけてできたのは、なんと”ただの万力”だった。

俺は完成した万力を世界で一番早く投げ捨てて、こう言った。

「ちくしょう、転職だ」

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