終末の国、統治機関《鳥の塔》、歌姫――ロマンがいっぱいのSF

 終末の国、というなんとも心惹かれる名前のどこかが舞台のSF。『運送屋』の主人公から見たとある事件とそれを取り巻く人々の姿は断片的だけれど、最後まで読んだときに点と点だったものがつながって姿を現すところがとてもときめきます。
 そういった物語としてのしかけも面白いのですが、荒廃した世界の雰囲気や、秘密を抱えた登場人物たちや、言葉の響きだけでがぜんわくわくしてくるキーワード(鳥の塔とか、歌姫とか!)がたくさん詰め込まれていて大変ときめきます。

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