0701から0800まで

Num.0701 ID0954

効率化すると手順が変わり慣れが効率を落とす事があります。省いた作業を行ったり新たな手順を飛ばしたり。厄介なのはこの慣れです。効率化の弊害ですね。ですからこれはつまり効率化によりパンツを排除した結果起きた不幸な事故であり露出が目的な訳ではないんですよ、お巡りさん。


Num.0702 ID0955

悪戯電話を知ってるか。都市を荒らし回っている妖怪だ。夜な夜な家に侵入し寝ている家人に悪戯して反応を待つ恐ろしい妖怪だ。コイツに狙われたら一日として安眠できる日はない。黒電話の受話器をひたすら擦りつけられるからな。摩擦で火傷する程な。うん。電話はかかってこないよ。


Num.0703 ID0956

そう。メロンパンも基本的にはメロン入ってないですよね。かき氷のシロップも香料と色で工夫しているだけですよね。ですからこの松茸ちゃんも松茸はあくまで赤松の陰から仲間として見守ってくれている補佐的な扱いであり決して松茸の名を借りて舐めさせている訳では……ハサミッ!?


Num.0704 ID0957

あんなにも仲が良かった俺達。それもあの瞬間に消し飛んじまった。いや未練はあった。嘘だと信じたかった。だが俺を見た奴等の目に温情など見受けられなかった。放たれた無慈悲な砲弾に俺は悟った。殺らなければ殺られる。奴等はもう俺の友ではない。生き残る為に戦え。枕を投げろ。


Num.0705 ID0958

魔王など倒す必要はない。倒さなければ俺達はずっとこうしていられる。仲間が別々の道を歩む事もない。魔物を倒して報酬を受け取る人生。それでいいじゃないか。魔王亡き後の世界など人同士が争う醜い世界でしかない。そんな絶望を迎える事はない。だからここで……物語を止めよう。


Num.0706 ID0959

その作者がそんなに信用ならないか。どうせつまらない結論で終わらせると、そう固く信じている訳だ。終わるのが勿体無いなんてさも惜しんでるようでも結局、ここまで楽しませてくれた作者の描く終着は受け入れない訳だ。そして代わりに自分が続きを書く訳だ。ならタライが落ちて来て終わりでいいか。


Num.0707 ID0960

僕は複数形。僕は僕等。僕は何もしてないけど僕等がやった。僕は知らなかったけど僕等は知ってた。僕は僕等が責任を分散する為の頭数。でも僕はただひとり。僕は僕等でただひとり。だからひとりの僕は僕等をひとりの僕の中で増やした。僕等の中の僕の中には僕等がいるから僕は僕等。


Num.0708 ID0961

自分を庇う為に嘘を吐いてくれると喜ぶ癖に嘘を吐かないように子等に教え込むのは何故だ。自分に不都合な嘘を吐かれたくない。そんな自分勝手な思いから過ちを教え込むのだろう。どんな時でも嘘を吐かない子は嘘を共有する子等に爪弾きにされる。その子の人生を守れないくせに偉そうに。だから俺は子等に教えている。嘘を吐くなと言う大人を信じるなと。嘘を吐かないように教え込まれたからな。なんて良い子なんだ。俺は。


Num.0709 ID0962

『セルフケアマネジメント老衰編』『3歳からの老衰学』『目指せ大往生』等の所謂『老衰本』が登場し今やおむつと一緒に墓を買う時代。病死ではなく老衰を目指し人々は日々努力していた。しかし100歳を超えるとどうしても計画が大幅に狂ってしまう。三つ子の魂百までという事か。


Num.0710 ID0963

これまでに解った事はこの夜は明けないという事だ。地球は自転を止めてしまったのかもしれない。いくら待っても太陽は昇らない。ならば我等が迎えに行こうではないか。皆で力を合わせこの難局を乗り切ろう。そして再び太陽の暖かい光を全身に浴びよう。夜明けを目指し歩いて行こう。


Num.0711 ID0964

日が傾くのを止めた。夜も明日も来なくなった。もう月を見る事もない。星の輝きも失われてしまった。ここには太陽を求めて訪れる者ばかり。明るくてうるさくて邪魔。静かな空間も荒らされ奪われてしまった。走って夜に逃げ込む事ができたなら。でもそれはできない夢。月見草の憂鬱。


Num.0712 ID0965

最近流行ってるゲームといえばアレか。生命体を創って星に送り込むだけのゲームなんだけどさ。この青い星に元々住んでいた種族の反応が面白いんだよ。どんなに悪ふざけた生命体を送り込んでもいちいち反応してくれるし。減らしても次から次に湧いてくるんだよ。お陰で結構長く遊べるね。


Num.0713 ID0966

悔しい。情けない。でも。これが現実。現状は自ら望んだものか。誰かに追い込まれたものか。どちらでもないのだろう。ただ避ける事しかしなかった。その怠惰が当然の帰結をもたらしているだけ。誰を恨む事もない。世界に責任などない。私だけが悪い事は明白。そのわがままも後少し。あと数回の呼吸で意識を失えば……。


Num.0714 ID0967

奴に見つかったら最期。その呪詛の力により私達は無力化され木偶人形のようにされてしまう。唯一、打ち勝つ方法があるとすれば詠唱が終わる前に奴を無力化する事。奴とてあの缶がなければ力を発揮できない。くっ! 見つかった! ああ呪詛の言葉が聞こえ……「……見っけポコペン!」


Num.0715 ID0968

放置された冷蔵庫の中には色々なものが入っている。実際に物が入っている場合もあればそれを見る者の頭に現れる想像、感情だけの場合もある。同じ物が入っていると多くの人が考えた時それを開ける者には相応の負担がのし掛かる。開けたら爆発すると皆が言うから開けられなくなった。


Num.0716 ID0969

これは確かに目には見えない。だが確実に存在し人々に多大な影響を与えるものの戦い。拡散し勢力を次々に拡大する強大な戦力に対し我々は防衛ラインを築き必死に抵抗する。しかし皮肉な事に敵は我等の内より出でしもの。ならば一ヶ所に集めて閉じ込め駆逐するのみ。金木犀の香りで。


Num.0717 ID0970

それは語られない四十九人目の物語。あの日あの時、吉良邸に向かう道で彼等の前にたったひとりで立ち塞がった赤穂浪士。吉良ひとりを殺さずに周りの者まで巻き込んで一体何がしたいのか。吉良を殺してその先に何がある。侍の誇りという欺瞞を前にひたすらに正義を追求した者の物語。


Num.0718 ID0971

椅子とは奪い取る物。人生がそう証明している。他人に気を遣ってほいほい椅子を譲ってしまえば自分の座る場所を失う。自ら立った者になど誰も譲ってくれない。目障りだから立ち去れと睨み付けるのみ。我利我利亡者と浮世のダンス。リズムに乗って周りを踊って音が止んだら席を取れ!


Num.0719 ID0972

「あなたが私を必要としなくなるまでそばに居ますよ」そう言ったアナタも私が十六になった頃どこかへ行ってしまった。まだまだ必要としていたのに。使い続けて擦り減って痩せ細って削れて消える。そんな鉛筆のような男だった。私の過ちを消してくれる。そんな消しゴムのような男だった。でもノートパソコンを買ったら消えてしまった。今はキーボードが彼の代わり。ただひたすら叩いている。


Num.0720 ID0974

世界は平らで果てには滝があって海水は下へ落ちている。船乗りのおじさんはいつもそこまで行っていた。怖がって誰も近寄らないから魚がいっぱい獲れる。そう言ったおじさんの手は震えていた。滝が怖いのか嘘がバレるのが怖いのか。或いは酒が切れたのか。今となっては分からない。おじさんは姿を消してしまった。きっと滝から落ちたんだろう。


Num.0721 ID0975

プロ野球選手と病気の少年がする約束があるでしょう。ホームランを打つと勇気付けるでしょう。でも私はプロ野球選手じゃない。私は私の戦うべき場所で戦うしかない。記録を更新して、やればできる事を教え……いや確かにできませんでしたけど。あの洗濯ばさみ固くてねーお巡りさん。


Num.0722 ID0976

なになに。棺桶をマジックミラーで作ったから中に入れって。ああ。これで俺が死んだら誰が悲しむか分かるな。よし。試してみよう。おお。これなら中から周りの様子が良く見える。なんだ。みんな割りと悲しんでるな。悪い気がしてきたから出よう。あれ蓋が開かない。おい。おいおい。


Num.0723 ID0977

本日はちょっと珍しいものをご紹介。このペットボトル。何とまあこちらに幾つか用意したこのラベルを貼り替えれば中身がそのラベルの飲料に変わるという不思議な品。これさえあればいつでもどこでもドリンクバー状態が……えっ? 水のラベルしかない……たまたまですよ。たまたま。


Num.0724 ID0978

朝起きたら放っておいた畑に大根が植えられていた。1反、300坪にびっしりと。どうやら気付かぬ内に毎日毎日せっせと世話をしていた……訳はない。とりあえず1本引き抜いてみた。見てくれが良くない。地面に捨てたら二又の根を器用に動かし走って逃げた。ああ。渡り大根という奴か。


Num.0725 ID0979

周りの奴が何を企んでるかなんて分からないのにみんな無警戒だ。手の届く範囲に他人を近付けるなんて浅はか過ぎる。すぐ傍を車が走ってるのにな。特にこんな坂道では体勢を崩しやすい。簡単に転ぶぜ。おっ。獲物発見。重そうな屋台を引いて隙だらけだ。あれの背中を押してやるぜ。


Num.0726 ID0980

ホントだもん! だっておじさんが言ってたもん! この黒いペットボトルは魔法の道具だって! これに入れた液体は何でも美味しいお茶になるって! やってみてくれたもん! アタシのおしっこお茶にして飲んで美味しい美味しいって言ってたもん! ホントだよね!? おじさん!!


Num.0727 ID0981

ひとつひとつではあまりに魅力が薄いのですよ。例えば料理。食材を個別に調理して食べるよりひとつの料理として食べる方が美味しいし満足感も大きいでしょう。全体は部分の総和に勝る。つまり個別に盗んだ物よりひとりから盗んだ下着一式の方が興奮す……ひいっ! ごめんなさいっ!


Num.0728 ID0982

とんでもないデタラメを触れ回っている奴がいる。街から街へ渡り歩いて人の迷惑顧みず事実無根の誹謗中傷を吐いて回っていやがる。それも誰かや何かに固執している訳ではなく話題になればなんだっていいらしい。とにかく被害を受ける前にこの風野うわさって奴をどうにかしないと。


Num.0729 ID0984

それは反省などで済む問題じゃない。どうやっても元に戻らないものはある。二度と手に入らないものがある。これから先の人生は失った人生となる。欠けた人生になる。そしてそのまま死ぬ。取り戻せないまま尽きる。負い目を背負って生きる。忘れられない。誤魔化せない。それが後悔。


Num.0730 ID0985

語り手の筆が折れた時、物語を書く事はできなくなる。語り手の手が折れた時、物語を書く事はできなくなる。だが語り手の想いは物語を紡ぐ。書けなくても物語は終わらない。語り手の心が折れた時、物語を紡ぐ者はいなくなる。だがそれで終わりじゃない。そんな事じゃ終われない!


Num.0731 ID0986

辿り着いた場所はなんて事のない場所だった。苦難と積み重ねの先にあったのは座り心地の悪い座布団代わりの段ボール。土手で滑るくらいしかやる事もない。想いを紡いだ言葉達はトイレットペーパーに印刷しても拭き心地が悪くなる程度の低さ。なんの役にも立ちはしない浪費の集合体。


Num.0732 ID0988

ありがとう。ありがとう。人は歌い、花は咲き乱れ、人生は喜びに満ち溢れている。それを拒否したのは私。歌に耳を塞いだのは私。花に目を逸らしたのは私。喜びを遠ざけたのは私。この世を作るのが人ならば。それから逃げ出したのは私。嫌悪。それが私だった。だから……さよならだ。


Num.0733 ID0990

私がブラジャーを盗んだだと? 確かに今持っているがこれは落ちていたのを拾っただけだ。盗むところを見た訳ではあるまい。何? 隠れてあそこの鏡で様子を窺っていただと? それはおかしい。私は鏡に映らぬヴァンパイアの血族。ここで貴様の血を吸い尽く警察は勘弁して下さいっ!


Num.0734 ID0991

世界で一番美しい者を鏡に問うた女がいたが鏡が応える訳もない。それでも鏡が応えたのだろう。覗き込めば口がある。この口を封じる事などできない。これまでの人生をこの口で生きてきたのだ。騙して命じて嘯いて。頼るべきその口が漠然とした不安の姿を見せた。それこそ鏡の持つ力。


Num.0735 ID0992

今はまだ良い。だがいずれ取り返しの付かない事になる。私はその未来を避ける為に今こうして行動している。貴様等が何と言おうと後世の者達は私を英雄と称えるだろう。異世界からの侵略を未然に防いだ英雄と。人類の敵としてその名を残したくなければ扉の役目をするその鏡を叩き割らせろ。


Num.0736 ID0993

こちらの鏡など如何でしょうか? リビングルームに飾るも良し。和室に飾るも良し。背後に掛け軸など掛けますと一段と映える事請け合いで御座います。ヒビですか? なにぶん古い物ですので多少の損傷はやむを得ないと……いえこれはカビではなく……いえ断じて餅では御座いません。


Num.0737 ID0994

王妃「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰?」鏡「美しさとは何ですか?」王妃「質問に質問で返すな」鏡「それは竜宮の主、乙姫様に御座います。その美しさは絵には描けない程です」王妃「きいーなんて事! じい!」じい「なんで御座いましょうか?」王妃「もう一度亀を助けなさい!」


Num.0738 ID0996

これは究極の翻訳機なのです。そもそも何故翻訳機が必要なか。それは発信する側と受信する側で使用する言語が違うからです。その間に入り言語を別の言語に変換するのがこれまでの翻訳機でした。ですがこれは言語を意思に変換して受信側に直接伝える事ができます。主にぐーぱんちで。


Num.0739 ID0997

そんなにおかしな事じゃない。この世界の魔力というのは君達の世界でいう太陽のようなものさ。いや太陽から放たれる光と表現した方がいいかな。君達の世界は太陽の力で成り立っている。私達の世界は魔力で成り立っている。私達はまだその源を突き止めていないが扱う方法は突き止めた。


Num.0740 ID0998

今回の作戦は明日奴が通るであろう予測ルートを毎日通っているこの男を利用する。コイツはなかなかの正義感できっと袋叩きを見過ごさないだろう。俺が注意を引き付けている隙にコイツの釣竿をこの発信器付きの物とすり替えてくれ。後はコイツが助けた亀が俺達をお宝へ導いてくれる。


Num.0741 ID0999

目の前に川があるとします。あなたは向こう岸に渡りたいけど橋はなし。そんな時どうするか。方法は無数。でも結果はふたつ。渡れるか渡れないか。その結果からだけではどんな方法を使ったのか判断できません。ですからお巡りさん。このパンティーは盗んだんじゃなくて拾ったんです。


Num.0742 ID1000

=「私は人と人を繋ぐものだ」≠「我こそが人と人を繋ぐものだ」≒「僕こそ正真正銘の人と人を繋ぐものさ」=「人と人は当然等しい」≠「等しい訳は無い」≒「ほぼ等しい」⊃「貴様等は所詮比べるだけの下等な存在」=「なんだお前は」⊃「お前のものは俺のもの俺のものは俺のもの」


Num.0743 ID1001

明日、世界が滅亡するとしたらどうするかだと? そんなもの、食い止めようと必死でもがいているに決まっているだろう。もし俺がどうにか出来なくても同じ答えを持つ者が必ず滅亡を阻止してくれるさ。1万にひとりいれば60億に60万人。まだまだ少ないからお前も同じ答えを持て。


Num.0744 ID1002

家が燃えた人の前で火事の話しないだろ。カレー食ってる時に排泄物の話やらもんじゃ食ってる時に嘔吐物の話しないだろ。妊婦の前では煙草を吸わないとかもそうだよ。それが当然の配慮ってもんだろ。エロが嫌いな奴の前でエロ話する方がどうかしてる。その反社会性、悪化させんなよ。


Num.0745 ID1003

ねえねえ。ちょっと銀河系を創りたいんだけど格安で太陽売ってるとこないかな。ふんふん。いやでもさネットで買うとなんか黒かったり顔書いてあったりするでしょ。えっ、これかぁ。カラス付属くらいならいいけど馬車は流石にねー。やっぱ自作しかないのかなぁ。あれ熱いんだよねー。


Num.0746 ID1004

つまりこの場面での話合いは現代でいうところの国連安保理決議なのです。とある脅威があり被害が出ていると。そこで代表達はその脅威にどう対処するか話合い最終的に武力行使もやむを得ないという結論に至った訳です。いわばこの世界の脅威を排除する為の国連軍なのですよ。臼達は。


Num.0747 ID1005

『心太』藤井「何て読むんだろ」長田「しんた?」小林「ところてん。常識だろ」藤井「三浦専務が大好きなんだってさ」小林「マジか。早速差し入れたる」長田「ちょい待……行っちゃった」藤井「きしし」長田「お孫さんの名前なのに」藤井「上司の孫の名前揶揄するとか見上げた根性」


Num.0748 ID1006

この世界は逆さま。ホントの上は下でホントの下は上。天井を歩いて床の灯りが部屋を照らしてる。でもみんなその事に気付いてない。みんなここで生まれたから。それが当たり前で何も困らないから。でも落ちたら知る事になる。足元に支えるものなんてなく真っ黒い海があるだけだって。


Num.0749 ID1007

『ボクの夢 3年2組 三木千尋』ボクの夢は人を殺すことです。人を殺してはいけないのでなんとかして人を殺したいと思います。それも間ちがってやミスではなくきちんと殺したいと思います。そしてみんなにみとめてもらいます。けいさつにもつかまりません。それがボクの夢です。


Num.0750 ID1008

先生からの寸評『素敵な夢ですね。人の嫌がる仕事を自ら進んで行うあなたのような人がこの世界を支えているのかもしれません。困難な道ですが頑張って下さい。でもね千尋君。その夢はもしかしたら君が大人になる頃には叶わないかもしれません。死刑制度は世界的に年々廃止の流れ……』


Num.0751 ID1009

長田「飛行機は初めてです」藤井「乗る時は靴を脱がなきゃ駄目よ」小林「今時そんな嘘吐くなよ」藤井「ならお前は脱がないの?」小林「当たり前だろ」藤井「絶対?」小林「絶対」長田「今度僕ら三人、高田会長の自家用飛行機に乗せてもらうんだけど」藤井「土足厳禁だけど脱ぐなよ」


Num.0752 ID1010

『腹が減ってりゃ何でも旨い』と客を一週間地下室に監禁した料理人が逮捕された。被害者は「料理を不味いと言ったら地下室に閉じ込められた。僅かな水だけ与えられ一週間経ち地下室から解放された後に出された料理も不味かった」と証言し空腹でも不味いものは不味いと証明された。


Num.0753 ID1011

藤井「んー」小林「旨いよ」藤井「まあ旨いのかもな」長田「僕はちょっと」小林「早い旨い安い。接客だって並以上。文句のつけようがないだろ」長田「そういう問題ではないですよ」藤井「店の名前が酷すぎるな」小林「公明正大だろ」藤井「だからって『犯罪加害者の店』はねーだろ」小林「でも償ってるんだぜ」長田「それは分かってるんですけど」藤井「法で裁けば個人の怒りが消えるかと問えばそれは違うんだろ」小林「でも俺達の決めた規則に従って服役した訳だろ」長田「まず先に破ったからですけどね」小林「料理は旨いだろ」藤井「嫌でも自分の味が分かるよ」


Num.0754 ID1012

最新型のテレビではNG設定が出来るようになりました。NGな言葉を入れておけばその言葉は別の言葉に変換されNGな人物を入れておけばその人物は別の人物に変換されます。この機能を利用して表示された人物を全てNGに放り込んでいたら画面に映るのは田中角栄さんだけになりました。


Num.0755 ID1013

それは過ちを認めたくないだけ。自分の正義が間違ってたのを認めたくないから押し通す。自分の期待した選手が通用しないのを認めたくないから良い結果が出るまで待つ。それは負け分を取り戻そうと更に金を積むギャンブラーと同じ。もう認めろ。ラーメンなんて本当は好きじゃないんだろ?


Num.0756 ID1014

誰も得をしない決断があってもいい。最後通牒ゲームでは金銭的利益を放棄する事で相手を罰する事が出来る。自分が損をしても他人を罰したいという欲望は珍しくもない。許せないという思いだけが唯一背中を押してくれる事もある。だから俺のリカちゃん人形返せよ! 斎藤専務よぉっ!


Num.0757 ID1015

この子は私達の子供だ。いや。高齢出産ではない。確かに……確かに血は繋がってはいない。だがそれでも私達の子である事に変わりはない。攫われたその子の事は気の毒だと思うがだからって赤子の親全員を人攫いだと疑うというのか。違う! この子は……この子は桃から生まれたんだ!


Num.0758 ID1016

とある書店に貼られたポスター。『本は私にとって人生そのもの! 貴様が私の人生を奪うなら私も貴様の人生を奪う!』手作りだろう。筆で書き殴られた文字には圧倒する迫力がある。何処までも行く決意が込められた字だ。先日この店で万引きがあり、店主と万引き犯は婚約したそうだ。今は法改正を待っているらしい。


Num.0759 ID1017

電子書籍をプリントアウト。4コマ漫画をバラバラにして。コマ別に分けてモンタージュ。縦に並べて横に回せば。4コマスロット出来上がり。ぐるぐる回してスロットスタート。話が繋がりジャックポット。落ちだけ違ってアイデア閃く。そんな素敵なシステムも。許可を取らずに即逮捕。


Num.0760 ID1019

よう。お前も遂に社会復帰か。どうだ。娑婆の空気は。本当に大変だったな。でもさ。俺にはどうしてもお前が……いや、お前の仲間も含めて皆を犯罪者だなんて思えなくてさ。でもお前は誰をもねじ伏せる力で文句を言う奴全員を黙らせた。本当に凄いよ。改めて、金メダルおめでとう。


Num.0761 ID1020

何をしているのかと問われれば釣りをしています。確かに魚はいそうにありませんがそれは海でも同じ事です。釣れるとは限りません。ここと海は可視不可視の差があるだけです。私にとって釣りとは魚を獲るものではなく空間との対話、自己との対話です。このパンティーはたまたま……。


Num.0762 ID1021

所詮オレは最中の皮が上顎の奥に貼り付いてしまい舌で必死に剥がしていたら舌がつって慌ててお茶を飲んで洗い流して肩で息をしていたら通路向かいの女子大生がクスクス笑っているから外を見れば窓ガラスに涙目の顔が映りそして動き出す駅名に愕然と乗り過ごしの事実を知るような男さ。


Num.0763 ID1022

「メダル取らないとか税金泥棒だろ」「昔、おんなじ事言ってた奴がいたよ」「そうだろそうだろ。やっぱみんな思うんだよ」「そいつ、脱税で逮捕されたけど」「ということはメダル獲ったら泥棒じゃないって事だよね」「一般人おめでとう」「更生おめでとう」「前科者おめでとう」


Num.0764 ID1023

焼け落ちた廃屋の中を歩き出火の原因を探る。放棄された集落の外れ。人の気配がない山の中。朽ち果てた煤だらけの瓦礫。地下室に置かれていたのは大量のカリウム。「もう雨を凌ぐ事はできないっ!」そう叫んだのは屋根だったか。水を得たK。雨漏りで燃え上がった炎は雨に消された。


Num.0765 ID1024

「カレー粉は英国人がスパイスを調合して作ったのさ」……たかぶる! ……たかぶるぞォ! 「そそ。英国料理と秋の空ってね」「カレーにはロゼよ。向こうじゃ常識よ?」……たかぶる! しったかぶるぞォ! 「そそ。この日本特有のとろみのあるルーには白でも赤でもなくピンクよ」


Num.0766 ID1025

この機械は私達に都合の良い答えを返す。だが私達が見たいのはこの世界の真実の姿。そこで私がどんなにみすぼらしいものであったとしてもそれが現実なら受け止めなければなるまい。「アタシまたトップツイートに入ってるー」ログアウト→検索。「アタシの名前ないじゃん!」ないね。


Num.0767 ID1026

確率は常に5分の1じゃねえよ。もう4分の1だよ。4枚の中から1枚引くんだぞ。先に相手が引く可能性とかうぜえよ。引かなかった現実が今目の前にあるだろうが。相手が過去に戻って引き直してくれる訳じゃねえだろ。過ぎ去ったんだよ。相手が初手で引く未来は訪れなかったんだよ。ああもう! 四の五の言うな!


Num.0768 ID1027

「たった3分」「嫁いらず」「たった3分」「猫いらず」「たった3分」「乗り物いらず」「たった3分」「風呂いらず」「たった3分」「右サイドいらず」「たった3分」「守備いらず」「たった3分」「ギャラいらず」「たった3分」「テクいらず」「たった3分」「水いらず」「たった3分」


Num.0769 ID1028

電子コミックの台詞や一部の絵を変更するフィルターソフト。実物でやるには透明のシートに変更点が書き込まれたものを手作業で1ページ1ページ重ねる作業をしなければならないが電子コミックならワンクリック。これなら原作の絵も台詞も使用してない。使用するところは透明なので。


Num.0770 ID1029

「確かに消費税は小数点以下を原則的に切り捨てしておりますが四捨五入でも全く問題はありません。実例を挙げますと雑誌。表示価格通り売っている店もあれば1円安く売っている店もあります」「だからってお前。いくら消費税率10%でもよ。5円チョコを6円で売るなよ。泣くぜ?」


Num.0771 ID1030

何を仰る。先制攻撃理論を否定したら今の世の中、守りたいものを守る事など不可能ですよ。何百、何千という火力に晒された時、それら全てを受け止める事が出来るとでも? それとも破壊されようと死のうと元に戻せるとでも? 復讐をされない為には先に殺すのみですよ。恋人などね。


Num.0772 ID1031

「もしここで力尽きても誰を恨む事も無い。全ては俺の招いた事。世間の荒波も冷酷な人々も俺の力が不足しているから相応の対応をしているに過ぎない。だがもし慈悲というものがこの世にあるなのらもう一度俺にその姿を」「分かったよたこ焼きひと粒50円で売ってやるよ」「あざす」


Num.0773 ID1032

「このリモコンは他人の思考をそのままに動きを周囲の空間ごと巻き戻す事ができます。では早速実験してみましょう。都合の良い事にこのトイレの個室に後藤が入っています。ではポチッと」「なっ!?」「クスクス」「せっかく貼ったマスキングテープが!」「トイレで何してんだよ!」


Num.0774 ID1033

昔々この世界は勧善懲悪でした。でもそれだけじゃ飽きちゃうから悪者にも理由を持たせました。それも飽きたから今度は悪者に正しさを与えました。合理性を追求し過ぎて人には実現不可能な理想や人の可能性を疑う過去を持たせたりとやり放題です。神様は神話の頃から変わってない。


Num.0775 ID1034

この世界では物を所有したりしない。みんな借り物だ。この家も車もパソコンもレンタルショップから借りている。他にも音楽、本、ゲーム等の娯楽もレンタルだ。全て借りる……使う権利を買う事で生活は成り立っている。最近タダで配られた病が蔓延している。タダより高いテロはない。


Num.0776 ID1036

「車ってさ」「うん」「裏っ返すと気持ち悪いよね?」「うん?」「ほら。なんか昆虫を裏っ返したような気持ちの悪さがあるよね?」「そう?」「だってほら。普段見えない所だし」「まあな」「節とか筋肉とかピクピク動いてるし」「うん?」「タイヤもわさわさ動いてるし」「そうだね」


Num.0777 ID1037

昔々ある所にお爺さんとお婆さんとパンナコッタがおったそうな。パンナコッタが川でシンクロをしていると川上から川下までの3マイル。その間に爆弾を解除しないと新幹線が宇宙に飛んで行ってしまうそうな。敢えて無視したナタデココは宇宙開発の先駆者として宇宙食の採用され美味しくいただかれたそうな。めでたしめでたし。


Num.0778 ID1038

「お婆さんお婆さん。お婆さんのお耳は……どうしてそんなにお前ほど歩みの遅いものはないー……大きいの?」「根性の捻くれ曲がったガキの戯言を良く聞く為だよ」「お婆さんお婆さん。お婆さんのお口はどうしてそんなに悪いの?」「お前の母親に山奥に捨てられたからだよ」


Num.0779 ID1039

遂にイヌ、サル、キジをきびだんごで手懐け家来にした桃太郎! だが彼等の前に立ちはだかったのは我々も知らない第四の家来だった! 果たしてきびだんごを払い除けたこの生物に対し桃太郎はどのような説得を試みるのか!? 次回! 『第四の家来 ヌエ』ホウ酸団子は勝利のお味!?


Num.0780 ID1040

水玉模様。それが皿の上に乗っていた。僕はツブツブとした物がキライだ。イクラもタピオカも気持ち悪い。まるで鳥肌が立ち過ぎてポロポロと落ちてきたようだ。「そんな事ができたらダイエットが楽ね」と瓶の中のママンが言ったから僕は皿の上のパンティー……じゃなくてねお巡りさん。


Num.0781 ID1041

口から出た言葉は僅かに空を震わせすぐさま掻き消えます。留まらなくて良い事を知っているからです。消えて構わない事を知っているからです。放たれた時に生まれ。駆け抜けて消える。それだけが存在の姿。見えるのは瞬間。瞬きで逃す震え。終わらせて差し上げなさい。その言葉の命を。


Num.0782 ID1042

狼を撃退した赤ずきんだったがその腹から発見したのは未消化の母の手作りアップルパイだった! 何故オオカミがこのパイを? まさか母は既に消化されてしまったのか!? というか噛めよ! 慌てて家へ戻った赤ずきんが見た衝撃の真実とは!? 次回! 『赤ヘルの母』シュワッチ!


Num.0783 ID1043

太田「イチゴイチエってどういう意味?」土屋「苺市へ。つまり苺が沢山売っている市場へ行くって事だ」大原「おいおい」山口「151エは暗殺の隠語。プロが使うね」大原「こらこら」田中「どうせもう二度と会わないから体裁整えてやり過ごせって意味だよ」大原「そんな言い方!?」


Num.0784 ID1044

貴方には夢はありますか。私にはあります。それはあらゆる格差、差別の無い世界を作る事です。貧富の差も肌の色も関係ない。男性も女性も自由に発言ができどこにでも行け何にでもなれる。そんな世界こそ理想ではないでしょうか。ですからね。女子トイレに入ったのは……すみません。


Num.0785 ID1045

夢の中から出られない三年寝太郎は夢を彷徨い続け遂にその元凶を突き止めた! それは寝太郎自身の抱く世界や他者への恐怖だったのだ! という事にしておけば怠け者なだけって事を隠せるよ! と囁くのも寝太郎自身! と思いきや寝ている人に話し掛けて反応を見るのが好きな村娘!


Num.0786 ID1046

道に迷った亀に鬼ヶ島へ連れて行かれた浦島太郎だったが練り餌を与えて家来にしたサメとタコと潜水艦の活躍で鬼ヶ島を脱出する事に成功した! だが一行の前に桃の旗を背負った全裸男が泣きながら立ち塞がる! 次回! 『桃から産まれたって事にされた人生』桃尻男は最期に踊る!?


Num.0787 ID1047

「李下に冠を正し、瓜田に履を納れる。それが私の座右の銘。敢えて疑われよう。そこから私の知恵と力で見事に疑念を晴らしてみせる。ただ疑われなければ良いというものではない。私が信頼に足る人物だと理解させ関係をより強固なものにする為の」「下着、盗んだよね?」「……はい」


Num.0788 ID1048

あなたが1日1杯のコーヒーを我慢するだけで農場で働くジョージは解雇されます。貿易商のパニラオは会社を潰します。トラックドライバーの中林さんは別の物を運びます。それはジョージの作った白い粉でパニラオが日本に持ち込んだ物です。そして中林さんはあなたの車に追突します。


Num.0789 ID1049

朝焼けと共にけたたましい音が鳴り響く。1台のバイクが国道を猛スピードで駆け抜けて行く。にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ! アクセルを捻れば唸るモーター。最近発売された電動バイクの音だ。無音だと問題があるらしくエンジン音として猫の鳴き声が採用されている。にゃんと。


Num.0790 ID1050

小さな力を大幅に増幅する装置を開発し、この車に組み込みました。この車の原動機には従来のエンジンやモーターではなく回し車を採用しております。そして原動力として活躍するのはこのハムスター君です。水とひまわりの種は切らさないで下さいね。まあ……手で回してもいいですよ。


Num.0791 ID1051

もしこの大地が黒だったら君はどう思う。黒い土に黒い道に黒い大地。地平線も真っ黒だ。空には大気もなく宇宙空間の黒と太陽の輝きがあるだけ。その街の空に飛ぶ一羽の白いカラス。それが君だよ。君は黒い世界にいる白いカラスだよ。その意味が分かるかい? 僕には分からないけれどきっと意味のある事なんだと思うよ。


Num.0792 ID1052

1+1が2になる事を証明、またはその証明を理解出来ないのであればそれは科学の神を信仰しているのと同じ事だよ。理解不能な事を理解不能なままに飛び越せるのは神の奇跡と言わざるを得ない。ある数人の集団が言う事。その一方を信じ一方を信じないのは科学の神が唯一神だからさ。


Num.0793 ID1053

この店では時は金成の如く時間を買ってくれます。労働に対する対価としてではなくこの場に居るだけでお金が貰えます。何もしなくてです。ですが睡眠は許されていません。起きている事が条件です。貰えるお金はあなたの不在を喜ぶ人が多い程に高くなります。あなたは幾ら貰えますか?


Num.0794 ID1054

もしここに何兆円という現金があったなら腹一杯になるまで食べる事が出来るのに。でも私には金はない。たったの1億円しか持ってない。こんな金額じゃ何の役にも立ちはしない。もしここにハシゴがあれば腹一杯になるまで食べる事が出来るのに。穴に落ちてもう3日。出られないよう。


Num.0795 ID1055

薄汚い老人が道端にゴザを敷いて露店を開いている。通り過ぎる時に睨むように並んだ品物を見ればそこには空の色を好きな色に変えられる権利が売られていた。どうせ変えてもいいって権利だけで変える変えないは御自由にって詐欺だろう。でも100円だったし買ってみたらこの有様だよ。


Num.0796 ID1056

「依存度の高い言葉を使う人がいる。理解してあげないと、何故分からない、とか言い出す。あなたの言葉が足りていない故にわざわざ理解しないのだがそれは理解していただけない様子。言葉のやり取りとは面倒臭いもの。言葉を尽くしても通じ合うのは難しい。なのに伝える気のない人も多い」「あなたもね」「で、質問はなんだっけ?」「これはさっきのと同じでいい?」


Num.0797 ID1057

原付でほぼ真っ直ぐな道路を走っている時が一番ものを考えるのに適しているようで色々な事を思い付く。微妙な振動が体に伝わり。微妙な風が涼しかったり痛かったり。そしてやる事も無い。けどぼーっとしている訳にもいかない。そこで色々考えるけど原付を降りると忘れてしまうのが常。


Num.0798 ID1058

桃太郎なんてのはアレだ。今で言う刑務所にタレントが慰問に行きましたって話だ。桃から生まれたってのはぽりん星から来たみたいなもんだろ。桃太郎はまあ猿回しの芸人だな。他に雉と犬も扱えたんだろ。んで鬼ヶ島って罪人が島流しされる離島に慰問に行ってギャラを貰いましたとさ。


Num.0799 ID1059

「死を避けるのは簡単だ。ただ走って逃げればいい。だが悪を避けるのは難しい。悪は人よりもずっと速く走る」「愛は光よりも速い。時間も空間も超越し相手へ届く」「お前の悪がどんなに速くても俺達の絆はそれよりも速い!」「俺の愛が貴様の悪より速く走って貴様の悪を打ち砕く!」


Num.0800 ID1060

効果なんて本人が有ると思えば有るんだって。科学的検証がなされて効果がない事が証明されたら効果があると思っていた人まで効果を感じられなくなるんだって。それくらい科学というのは強いんだって。そしたら俺のブラジャーマスクも止めなくちゃならないでしょ。勘弁してくれって。

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