ここは花里学園軽音楽部。さっ、君も入部しよう?

こよい はるか=^_^=猫部

プロローグ

「えーっと……」


 小さな声を出し、廊下をそろそろと歩く。


「だ、誰かいませんか~?」


 せっかく入学式があって友達とも仲良くなったのに。

 まさかまさかの、昇降口の場所が分かんなくなっちゃった!!


 どうしようどうしよう!

 みんなはこの後用事があるからって、急いで帰っていっちゃったんだよね。

 明日の自己紹介のことを考えてたら、いつの間にかすっごい静かなところに来ちゃった。人の気配もない。


 今日は午前中の授業で終わり。

 腕時計を見ると、もう十三時だ。


 ……お腹が空いたよ~~~!!!!


 ぐぅぅぅ


 腹の虫が鳴り、誰も居もしない周りをきょろきょろと見まわしたとき。


 ミレシシドソファ~~~


 エレキギターの音が階段の上から、かすかに聴こえてきた。

 上に人がいるのかな……?


 私の足は、ひとりでに階段を登っていく。

 上の階に着いて、体力のない私は息が切れる。

 はぁはぁと言っていた、次の瞬間。


「ねぇ、君」

「ふぇいっ⁉⁉」


 ちょうど深呼吸していた途中だったから、生まれてこの方出したことない間抜けな声が出た。

 声がかかった上を見ると、そこにはイケメンが。



「ここは花里学園軽音楽部。さっ、君も入部しよう?」



 キーンコーンカーンコーン……


「えぇえぇぇぇぇぇえぇえぇぇぇぇええ⁉⁉⁉」

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