ニート生活を送っていたら何故か学生寮の寮長になっていた

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#0_ニート生活を送っていたら何故か学生寮の寮長になっていた

いきなりな話だが、働いている人からしたら俺の姿はニート生活を満喫しているように燃えるかもしれない。

しかし俺にはこの生活をせざるを得ない理由があり、理由も理由なのでニートとして生活を歩んでいる。

しかしそのニート生活もある時を境に終わりと告げた。

その理由、何でだったっけ?

あぁ、確かこうだったなぁ……__


●●●●●


「ンンッ……」


暗い部屋の中で椅子に座って欠伸する。

俺の名前は「潮崎裕基しおざきひろき」、20歳。

俺は自分で言うのもあれだが、誰にも負けない美貌を持っておきながらも高校卒業後はニートとしての生活を歩んでいた。

なぜニート生活を送るかって?

それは俺が望んだから。

臨んだというか、俺が高校時代に左足を失い右足も麻痺が残ったからニート生活を送っている。

仕事はしたいが、物理的な理由で出来ないのだ。

だが、そのことについては母親も父親も責めてこない。

それはそれで申し訳ないが、今はそのありがたみに浸ることにした。


そして母親が帰ってきたので出迎えに行き、母親の持つ袋を受け取って食事を作る。

食事を作ったり家事をするのはずっと家に居る俺の仕事で、そんな肉ではないし、元々何かをするのは楽しくやれる派なので楽しくやらせてもらって母親や父親に小さな恩返しをしている。

余談だが、俺も確かに働きたい。

けど、母が心配して働けないので母や父からもらえるお金や年金などの収入を株で増やしている。

そして料理を作りながら母親と会話する。

「ねぇ、母さん。俺そろそろ働きたい、いい仕事無い?」

そう問いかけると母親は、「裕基にいい仕事ね。あ、あるわ」と。

その仕事が気になるので聞いてみると、「母の両親が運営する寮の管理業務」らしい。

俺は仕事ができるのなら何でも良かったので、とりあえず仕事内容だけでも聞くことにした。


仕事内容を聞いてみると想像を超える内容だったが……


●●●●●


母親からの説明によれば、そこの学生寮は個人運営なので寮生は少ないとのこと。

そして食事は管理側が用意するだけして後は自炊、何かあったら補助に入って手助けする。

そして寮の清掃や維持管理、寮費や食費などの経費管理などが業務内容とのこと。


「何だ、意外と俺でも出来そう」と呟くと母親は、「いや、意外と最初のうちは難しいかもよ?」と一言。

確かに関係性を築けるまでまではキツイし難しい舵取りを要求されるかも知れないが、俺は「それでもやってみたい」と思える仕事だ。

だって寮の管理なんてそうそう出来るものじゃないし、様々な変化をこの生活以上に味わえるのでやってみることにした。

寮管理の仕事は住み込みらしいので俺も寮費は取られるらしいが、それでも月3万円だ。


そして最後に俺は給料について母親に聞いたら、「月17万5000円、そこに残業代と特別手当、あんたの場合は手当いっぱい付けるけどね」と。

「条件が良すぎる」と思い、何かあるんじゃないのか?と考えたが、何も考えずに「寮の管理人の仕事を引き受けます」と答えた。

そしてまた後日、寮の見学に行くことをおすすめされたのであった……

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