枷背の子(かせのね)

那須茄子

プロローグ0

 全てが上手くいっていた。



 あるいは、全てが悪い方向に向かっていた。



 それを私はただずっと眺めているだけだったから。




 多くの血の海を作ってしまった。





「あんたのせいよ…」



 ――声がした。


 それも血の海の方から、声がした。


 信じられないが、この惨劇でも生存者がいるらしい。



 それはいけない。


 殺してしまわないと。




私は地面に放ってあった剣を手に持ち、声のした方向へ駆けた。

 




 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る