第8次少女大戦記

兎平 亀作

まえがき

私の名前はイスマエルとしておきましょう。いずれ正体は明かしますので、ちょっとだけガマンしてつき合ってね。


これはお化けと戦う女の子たちのお話。せんとうしょうじょと言うのかな。お化けは10年ごとに、この国にやってきた。そのたびに女の子たちはお化けをやっつけた。

でも、10年たったら前に戦った女の子は大人になっちゃうから、世代交代して新しい女の子が戦う。どうして女の子なのか、どうして私たちだったのか、それは分からない。子どもだから、あんな風に戦えたんだと思う。子どもはあらあつかいを受けても「自分は、そういう運命なんだ」と思って、すぐあきらめちゃうから。こわい目にあっても、それが当然だと、すぐ慣れちゃうから。死ぬのが怖くなかったのも道理。死ぬってどういうことなのか、まだ良く分かってなかったんだもの。運命論者で怖い物知らず。そういうのが良い戦闘少女になるのよ。

それじゃあ、一人目の女の子の話を始めましょう。

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