脚本家がいない世界、それを乗り切ろうとした人たちの世界線

dotrain

第1章:絶滅の文字が出る…

西暦2054年、日本をはじめた世界各国から「脚本家」という仕事が正式に消滅した。


その理由としては「生成AIの台頭」が大きいが、「人による著作権侵害」や「著作権侵害による人間の創造性への信頼の喪失」が大きく挙げられる。


ただ、細かな理由を上げてしまうとキリがないためここでは挙げないが、たしかに人の手で作られる脚本を元とした作品はここ数年見かけなくなっていった。


しかし、この現象は今に始まったものではない。


この現象の始まりは2030年頃、日本から始まった。


日本では脚本家の減少に対応するべく「脚本家の仕事をAIに補助させる」という実験を行った。


最初はあくまでアイデアを出し、内容を整える程度の内容だったが、「AIは学習をするもの」という考えが当時にはなく、仕事として使っていったAIが人間の考え出すようなところまで考え出すようになり、そしてそれを知った著名な脚本家がAIを使い脚本を書くということを行ったため、「脚本家の仕事はAIに奪われた」という概念が身についてしまい脚本家を目指そうとする人は2030年を機に年々減少していった。


そしてその事もあってか、その流れが世界中に広まってしまい、そして脚本家AIの技術も世界中に流出してしまった。


そして世界中の著作物がAIにより作成されるようになり、脚本家を志望する人の減少、そして脚本家を辞める人の増加によって世界中の著作物がAIが作成したものばかりになっていく。


そして2040年前半に日本ではシナリオスクールが全国から姿を消し、2050年には世界中からシナリオスクールが姿を消した。


そして独学で脚本家になった人も、AIの台頭によって仕事がなく、早々とやめていく。


そして2054年、日本をはじめた世界各国から脚本家が姿を完全に消したのであった。


そして脚本家が姿を消した後、世界各国はAIでの脚本作成を推奨したため、脚本家AIの開発が進んでいった。


しかし、脚本家AIを作成していくに当たって、「AIの権利をどうするか」や「開発に使う原案作品はどうするのか」といった問題が出てきた。


そしてその問題という壁に当たった瞬間、撤退する人や企業も多かったが、日本のある企業はその問題に正面から向き合っていた。


その人達の歩みと夢の実現に向けた話……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る