二体同時召喚ヒロイン~僕はなんという召喚師~

@situationX

第1話 生活は唐突に一変する その1

 世界は、ごくごく平凡だった。

 平凡で、当たり前で、どこか懐かしさも漂うけど、それでも最先端はイイ。


 僕は、樹木 玲士。パソコンオタクってみんなには認識されてるっぽいけど、実のところただのゲームオタクだ。


 パソコンオタクっていうのは、ゲームを初めて触ったのが親戚の年上の兄ちゃんが初めて触らせてくれたのがパソコンゲームで、それ以来めちゃくちゃパソコンの内部構造とかいじればかなり柔軟にゲーム複数同時起動とか、かなり重たいゲームでグラボがどのくらいで寿命を迎えるかとか実験しまくったりしいて、あ、グラボっていうのはグラフィックボードの略称で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以下略。


 そんなわけで、僕はパソコンオタクだ。


「おーい! ピッグ!」


 僕のあだ名。


「それやめろよなー!」


 馴れ馴れしい奴。と生意気な奴。


「かわいそーだよ。ね?」


 社長の座に着いたら部下に紅茶とか淹れさせそうな奴。


 つまり、鬱陶しい奴らが来た。


 だけどね。


「ぼ、僕はそんなあだ名、嫌だって言ってるだろ・・・!」


 挙動不審な、僕です。


 高校ってだけで、気持ちの収まりどころを探るので大変なのに。

 中学で同じだった同級生達は、高校でも同じ奴とつるんでいた。


「あぁ? なに生意気言ってんだ?」

「ほーん? 身長は少し伸びたのか。でも俺達よりまだまだチビじゃねーか!」「僕の部下に・・・・・・ならないか?」



 高校生なのに。高校生なのに。

 僕って、一歩も前に進めてない。


 なのに身長だけは少しずつ伸びていく。


 ボソボソ。

 なんか一人だけ間、独特だな。


「それより、お前ら――!!?!?!?!?」


 ―――――!?!?!?


 それは、巨大な、巨大な、地震だった。


 余震なんかなかった。横に激しく揺れ、建物は・・・?

 あれ?


「ななななななななななななななな」

「なにこれれれれれれれれ」

「誰かかかかかかか僕のののののほほほほほほ! 頭ををををををを支えてくれないかかかかかかかかかか?」


 なにかがおかしい。

 いったい何がおかしいんだ。


 今僕達の周囲にいる登校中の生徒皆は、その立っていられないほど強い〝揺れ〟に激しく動揺している。


 だけど、建物やほかの場所を見る限り、〝何の異変も見当たらない〟。


 学校の窓ガラスが揺れたりすると反射している光なんかが揺れるはず。

 花壇に植えてある花の先も揺れておかしくない強さ。

 実験動物達が飼育してある飼育小屋の動物達は、なんの変哲もなく餌を食べている。

 そして、一番ハッキリとしたおかしい点――


 それは、


「な、なんで皆は頭を抱えて倒れているの? 僕はお腹が揺れてるけど。」


 ポカン。

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