マニッシュ。〜吸い取っちゃってもいい?〜
猫野 尻尾
第1話:間族の女に告られる。
この世には中世から脈々と息づいてる種族がいる。
いわゆる「間族」と呼ばれる一家。
間族は悪魔とは違う。
悪魔とあきらかに違うのは間族は人と変わらない姿形をしてること。
悪魔みたいに皮膚が黒くて顔が羊のようで頭に角が生えてたりはしない。
そして彼らの存在は地下に潜るように内緒の話はあのねのねにして来たおかげで
誰にもバレることなく一家を存続して来た。
だから人間で彼ら一族を知る者はいないはずだった。
僕に知られるまでは・・・。
なんで僕が魔族を知ってるかって言うと・・・それは。
僕のクラスに「ルシアン・ローレット」って外人の女子がいる。
ルシアンは他の女子とどこか違う。
高校生のくせに妙に色っぽい・・・いや、エロっぽいし、ギャルっぽい。
見てるだけで下半身が反応する。
まじエロいんだ・・・とにかくエロが歩いてるって言っても過言じゃない。
背もそこそこ高いし足も長いしもし連れて歩いたら優越感に浸れそう。
ルシアンのことを詳しく知ってる生徒はクラスの中には誰もいないから
彼女の情報は見た目以外得られない。
ただひとつ彼女は森の中の洋風の不気味な館から学校へ通って来てるらしい。
あくまで噂だけど・・・。
まあ、近寄りがたいオーラを出してるルシアンには、クラスのみんなは
近寄らない。
僕もルシアンとは一度くらいしか話したことがない。
「あ、消しゴム落ちたよ」と「ありがとう」だけ。
だから、彼女のことは気にはなったけどそれだけだった。
好きになっても僕には手に負えないって分かってるから・・・。
なんでかって言うと僕は軟弱ネガティブ、彼女はイケイケポジティブ、どう
考えても性格的に釣り合うはずがなかった。
ところがある日。
僕はルシアンから好きだって告白された。
コンドームをしないままエッチしちゃって相手を妊娠させちゃった
くらいの驚きだったし、耳を疑った。
「
「悪いけど私と付き合って・・・よかったら彼氏になってくれない?」
「エッチさせてあげてもいいから・・・」
なんで僕?って思った。
クラスには僕なんかより見かけも良くて勉強だってできるヤツいるだろ?
「なんで僕がいいって思ったの?」
「一番、私の誘いに乗ってきそうな間抜けな顔してたから」
「まあ、それは冗談・・・本当は前から好郎のこと好きだったの」
「つうか理由なんてどうだっていいじゃん」
「人を好きになるのに理由なんかあっても、そんなんじゃお腹は満たされない
でしょ」
僕ももう何年も彼女がいないし・・・エロいルシアンを見てたら優越感に
浸ってみたいって思った・・・だから不道徳な気持ちでルシアンに僕のような
ネガティブ男子でいいなら君を引き受けちゃうよって言ってしまった。
それが運の尽き、エロ好き、女好き。
実は冒頭でも述べたが、ルシアンは間族と呼ばれる一族の末裔。
そんなこと知らない僕は彼女から告られて有頂天になっていた。
やっぱりちょっとした優越感てやつ。
思った通りルシアンはめっちゃ積極的かつ男前で内面はおじさんで、おまけに
ガサツで猟奇的。
浮気なんかしたらチェーンソーで輪切りにして刺身のままお醤油かけて食べちゃう
からって言われた。
僕はどんな味がするんだろう?
つづく。
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