第10話 3体の死者退治(前編)


俺、灯、強子は死者退治のために公園に集まった


「さて、いよいよこれから死者退治が始まる訳だけど。

 今度の死者は3人」


「さ、三人!!」


俺は動揺した、死者は1人でも厄介なのに。

3人とは


「3人、ちょうどこっちと同数ね。

 望むところじゃない」


強子は自信満々だ、空自信じゃないといいんだが。


「3人は厄介だけど、私達だって修行を積んできたんだ。

 こなせない任務じゃないって信じて居るよ。」


確かに修行は、お父様や灯と厳し過ぎるほどこなしてきた。

その成果は信じたい。


「それで詳細だけど、死者の名前は

 ギャル子、ルシファー、幸子の3名」


「ちょっと待て、ルシ…なんだって?」


「ルシファー」


そんな堕天使みたいな名前奴居るか?


「1人変な名前だけど、退治すべき死者には変わりないよ。

 気合を入れて」


「お、おう…」


「その3人は一緒に自殺したんだけど、やっぱり生きたくなって死者になったみたい。」


どんな方法で自殺したのかは知らないが、自殺してる最中に

生きたい!!ってなったわけか。


「その3人の死者は廃墟ビルに籠城しているらしいよ。

 場所は分かっているから、あとは行って倒すだけ」


「簡単な仕事ね」


強子は言った


「くれぐれも前みたいな突撃はなしだからな。」


「わ、分かっているわよ。」


本当に分かってるといいんだが…




とりあえず俺達は死者が居る廃墟ビルに到着した


「警戒しつつ、入るわよ。」「あぁ。」


警戒するあたり強子も成長したな。

いや、前がひどすぎただけか。


俺たちは警戒しつつ。

ビルに突入する、すると入ってすぐ。


制服を着た、黒髪ロングヘアーの眼鏡美少女が立って居た


「…何で私が1人で見張りなんてやらされているのかな?

 ここでもこういう役回りなのかな、私は、とほほ…」


なんだか可哀そうな呟きが聞こえたが。

おそらくこいつが死者3人のうちの1人だろう


強子が言った


「アンタ死者3人のうちの1人ね。」


「…そうだよ、私は幸子。」


こいつが1番まともな名前の幸子か


「死者退治人だよね?3人が来るなんて、もうおしまいだね、私…」


「安心して、私は3対1なんてやらないわ。

 一騎打ちでアンタを倒す」


「強子?」


「私に任せておきなさいな、死者なんて倒してあげるから」


そう言うと強子は拳を構えた




私、強子は拳を構える

この前の戦いではドジをした、だからこそ。

今回は私1人で、私が死者を倒さなきゃいけないわ。


「…子供1人相手だと、それはそれでいじめみたいで嫌だけど。」


幸子は手を猫のように構えた


「殺すよ、死者退治人は。子供でも…。」


「死ぬのは貴女よ、幸子」


この前の反省を生かして、私は様子を見る。

相手の動きを見る


幸子は四つん這いになった。


四つん這いになった?何を考えているの?

と思考した瞬間、幸子はものすごい勢いで私に、爪で斬りかかって来た


「きゃっ!!」


私の腹は斬られる


「「強子!!」」


仲間2人の叫び声が聞こえる


幸子は笑顔で言う


「私の拳は猫拳、猫のように動き攻撃出来る拳

 四つん這いは私の構え」


四つん這いが構え。


「猫のように華麗な動きの私を、退治する事なんて出来ない

 私は強いのだから。」


そう言いながら再び幸子が私に突撃して来た

私は…


霊力を込めて幸子の顔面を思いっきり殴った


「るどりゃぁ!!」


「きゃっ!!」


幸子の顔面の眼鏡が割れ、幸子が吹っ飛んで行った


「猫の構えの弱点は顔面ね、顔面ががら空きだわ。」


幸子は四つん這いになりながらおろおろしている


「眼鏡、眼鏡、眼鏡がなくなった

  眼鏡がないと私見えない。」


私は幸子に近づいた


「見えないところ悪いけど、決めさせてもらうわね」


私は幸子を蹴って仰向けにして、とどめを刺そうとする。


「な~んてね」


幸子のそんな声が聞こえた

私は気がつくと、再び腹を斬られていた


「がはっ!!」


「「強子!!」」


再び仲間2人の叫び声が聞こえる。


「な、なんで…見えないはずじゃ。」


「…私の超能力は猫パワー、猫の目も手に入れているんだよ。

 だから眼鏡が無くても見える、私のメガネはもはや伊達眼鏡。」


くっ!!猫の超能力だって想像がつく戦い方だったのに

あきらかにそう言う構え、そう言う戦い方をしていたのに。

猫の目まで気をまわすべきだった


私の油断、思考不足だ

私はダメージで座り込む


「…さぁ、終わりの時間だよ

 首を斬ってとどめを刺す、そうしたら私の勝利」


「「強子!!」」


2人が私を助けにかけつけようとする。

だが間に合わないだろう、それより早く私の首は斬られる。

私は…


「るどりゃぁあああああああ!!」


気力で立ち上がり

霊力を込めて幸子の胸を殴った。


「え?え?」


程よいサイズのマシュマロのような膨らみが引っ込む感じがした。


「なんで…?あなたのダメージは、相当の、もののはず」


「私は家族の仇を討つ、そのためにも死者に殺される訳にはいかないのよ!!」


だから気合で立ち上がって殴った。


「ガクッ」


幸子は仰向けに倒れ、死んだ

殴った衝撃で、服が破けたのか、黒いブラが少し見える


私は座り込んだ

二度も腹を斬られて、腹がやばい。


灯は私を心配しかけよる


「強子、腹は大丈夫?」


「…少しきついかも、残り2体は相手出来ないと思う。

 残り2体の相手は任せられる?」


十兵衛が言う


「元からそのつもりだ、全部お前に任せるつもりはない。

 後の2人は任せておけ」


後の2人は任せておけ、心強いけど悔しいわね。

1体倒すだけで満身創痍なんて。

もっと強く、そして油断をなくすようにしなきゃ、私…

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