激突ヒーロー アタック・マン

マコ

第一章:地球の命運を委ねられたヒーロー

「どうだ、マデラン星人、俺の強烈なアタックの前には、手も足も出せまい!」


 真っ赤な衣装に着飾ったヒーローの発言だ。この男が奮闘さえすれば、敵のマデラン星人の一体ごときを、相手へ回したとして連続アタックによって圧倒していくことは容易いものだ。


 昼間であれ、マデラン星の海洋は、真っ黒な水面の光景に覆われてあった。打ち寄せた白い波や泡は、絶えず殺風景なマデラン星の炭色のような海面の辺りに漂ってある。モノクロを浮かび上がる広大なマデラン海洋では、海面の大部分に無彩色へ波紋を広がっていく。


 そこで一人の真っ赤なヒーローが、視界一杯を広がっていく海を背景へ、波止場の傍らに参上してきたのだ。彼の外見が、腹筋を割れた立派な男前だ。銀河中の人々が、この有名な地球出身の戦士の噂やら評判を収まらない。この一人の男には、激突ヒーローアタック・マンとも愛称へ呼ばれた。我こそが、この星で正真正銘の救世主の一人だとも言い放ってくるほどまで一流のヒーローだ。

 

 ここは宇宙から銀河全体の内に、その片隅の方へと位置している小惑星だ。そこへ地球を含めて太陽系の星々を侵略しようと目論む輩たちが、銀河の辺境で暮らしていた。いずれマデラン星人の権力者としての野望には、全銀河世界の支配さえを及び出そうとか計画している。そんな銀河全体の平和やら秩序を脅かす思想へ抱き始めたマデラン星人だ。日々、奴らの危険性に、他の異星人たちは恐怖で怯え出している。


 しかしつい最近、マデラン星人の企みによって銀河へ支配してくることを拒む者が現れ出したのだ。激突ヒーローとも呼ばれる勇猛果敢な一人の男、アタック・マンが立ち向かい出してくる。彼には地球上へ住む人々の守るべき安全や安寧を求められている使命感があった。だからこそ、彼がマデラン星人の悪企みを阻止しようと立ち上がった。彼の所属する宇宙組織としては、銀河連盟の一員にでも加盟している。彼の置かれた立場とは、一人の若き新米ヒーローとして戦士に選ばれた銀河連盟の有志だ。彼は地球上や全銀河中の平和な世界の維持のためにでも貢献したい。そこにマデラン星人へ戦う勇気と覚悟を示せる地球人だ。


「貴様、まて、どわ、て、ぐあ、……」


 見渡す限りも広大なモノクロの海へ背景に、赤い身なりの激突ヒーローアタック・マンは戦闘で大活躍した。この正義のヒーローは、脅威なマデラン星人の内にでも中ボスの階級へ据わったガーゴンを打ち倒そうと懸命へ挑み掛かっていく。アタック・マンに戦う相手のマデラン星人の数は一体ずつである。サソリの尻尾や、頭から動物のサイのように大きい角へ生やしたマデラン星人のガーゴンを相手へ戦闘に心掛ける。マデラン星人たちの種類によって、体格の数々では、いろいろと違いがあるものだ。アタック・マンは、敵のマデラン星人に余談などは許さず、容赦もせず全力で突進する。このヒーロー男が、何時も躊躇をせず、標的のマデラン星人へ向けて、連続のアタック攻撃をお見舞いし出していた。一度アタック・マン自体が、目先のマデラン星人を責めようとか専念したら、敵が倒れるまで激突していった。その上で、彼の単純明快としてもシンプルな連続アタック戦法が功を奏しているものだ。


「……う、げ、やめ、ぐわぁー!?」


 やがてガーゴンが、大きくて野太い断末魔を高らかへ叫び上げた。そして、この敵のマデラン星人の巨体一つが、身体の態勢を崩すと、その場から脆く地面へ崩れ伏していった。


 そして、強敵のマデラン星人の一体を制覇したアタック・マンが、広大な紫色の空を見上げ出していった。そこを目掛けて、彼が颯爽とモノクロ海の付近から出発して波止場を飛翔し出していく。アタック・マンが新天地や新たな敵の潜みそうな場所を目指して大空へ舞っていった。


 激突ヒーローアタック・マンが、如何なるマデラン星人の敵を相手へ回しても微塵も恐れたりしない。このマデラン星内で、彼の戦術は一切何も変わらない。着々とも彼には一体ずつ選んだ敵のマデラン星人へ、前方斜め横側から懐を突進が突っ込んでいった。アタック・マンの連続アタック戦法は、先手必勝にマデラン星人へ弱点を見事掴んだ。そのため彼には、マデラン星人へ必勝していく秘訣を体験として知っていた。何せ、彼の見通しは多くの行く手のマデラン星人との戦闘で繰り広げて勝ち進めていく展望が見え始め出したのだ。


 アタック・マンが、凄まじい戦闘力を誇った脅威のマデラン星人の一体へ打ち破ってから、空中を暫し滑空し続けていった。そして、彼は自然な環境の内にでも蠢めく怪しい岩肌が覗いた山脈のところを向けて高度が降ろし始めていく。


 そこへ降り立つと、彼の到来を待ち構えていたのがマデラン星人の中ボスの一人、ゲルゴーンだ。アタック・マンには、目へ力を込めて姿が現れてきた敵のマデラン星人の方を見据えていた。蛇の頭やらコウモリのような羽が背中で生やしているゲルゴーンの容姿は不気味そうだ。強敵ゲルゴーンは、ガーゴンと同じくマデラン星人の内にでも、中ボスの階級へ匹敵することを、彼が知っている。相手の調子が不敵そうで顔の笑みは濃く浮かべ上げて言った。


「ヒッヒッヒ、お前が近頃、巷の噂を立ち上っているヒーローって奴だな。この俺様の元へ会いに来るとは、いい度胸だな」


「お前がマデラン星人の中ボス、ゲルゴーンだな」アタック・マンは言った。「マデラン星人には、俺へ致命的な弱点を握られた」


「なんとも、それは一体何だ?」といったゲルゴーンの驚く反応に対して、アタック・マンは冷静にでも真剣な態勢へ身構えて答えた。


「お前たちマデラン星人の壮絶な破壊力では、前方の敵が塵とも化すだろう。しかし、お前たちを、戦術上の決定的な弱点が判明したんだ」


「何も弱点などあるはずない!」


「そう思いたがっているのも無理ではない」アタック・マンは言った。「これまでお前たちは宇宙中で最強クラスの実力は知れ渡るほどまで有名の種族だからだ。しかし、一見して無敵に思わせるお前たちの致命的な短所では、“前方の敵だけしか攻撃ができない”」


「それは正直気付かなかった」ゲルゴーンは言った。「お前で見極める目があることを褒めてやろう。それだとお前が、一体何を俺様へ対して言いたいつもりだ」


「つまり、お前たちマデラン星人の唯一にして最大の弱点は、“斜め前や横側からの連続アタック攻撃に対処していくのは困難である」アタック・マンは言った。「従って、マデラン星人の敵へ前方からズレた位置を連続へ突進し続ければ、俺には一切でも反撃が受けないんだ」


 銀河中の世間では、マデラン星人の及ぼす害悪が問題だった。何せ、奴らの破壊力がトップクラスの威力を誇っていた影響からだ。そこにアタック・マンは切り込んでマデラン星人と戦闘していた。常にでも彼の執拗な激突が、マデラン星人の中ボス級の敵一体ずつの盲点や死角を探り当て始め出してあった。アタック・マンがアタック攻撃していく場合、標的の敵の懐を急所のコツへ攻め立てれば勝利したのも同然だ。こうして単純な戦法であるが、その効果では戦術にしても抜群の効果だろう。一度彼に、マデラン星人との戦闘へ挑めば、基本的な戦術策を何も変わらず大活躍している。


「何故、それを地球人のお前が知っていたのだ」


「グライナー博士は、マデラン星の出身者だったな」アタック・マンは説明した。「そこへ彼からマデラン星人の弱点を知り、マデラン星人並みの強い身体能力と、アタック戦法が習得できたんだ」


「何だと、マデラン星でも有名なグライナー博士が、俺やらマデラン星人を裏切ったのか!?」 


「察しはいいな、ゲルゴーン。その通りだから観念しろ」というアタック・マンには、ゲルゴーンの方向へ突撃の構えを取りながら叫んだ。


「いずれ、お前たちマデラン星人の内へ、大ボスの居場所の在処を探り当ててから倒してやる。それだから覚悟しろ!」


 その途端、激突ヒーローアタック・マンは、まっしぐらにゲルゴーンの懐へ向かって駆け始め出した。アタック・マンの駆け足は徐々で走る速度が増していく。そうして彼の動く身体は、連続にゲルゴーンの胴体へ向かって、会心の体当たりを決め込み出した。


「この、地球出身のお前に負けてたま、る、て、ぐわ、げ、ぐひゃ、ひぃ、やめ、ぐわぁー!?」


 マデラン星人へ強敵としての一角を占めていたゲルゴーンが、断末魔を上げて倒れ伏した。


 激突ヒーローアタック・マンがまた一人、マデラン星人の中ボス級の強敵一体を制覇したのだ。    


 アタック・マンは実に単調この上ない戦術だ。だが、それ以外の手段でマデラン星人の倒し方は見出せそうにない。彼には地球の平和貢献の実現へ向けて、一切気の緩みを見せない。凶悪なマデラン星人に挑み続ける彼の雄姿や度胸は立派なものだからである。それにアタック・マンの勝利は、彼一人だけの成果ではない。きっとちょうど今頃、強敵のマデラン星人から一体ずつ屠れるように努め出していく”仲間”も、何処かしらへ健在に戦果は上げているのだろう。この星の戦うヒーローたちの勝利の成果は、何時だって世間に顕在だった。


 それから更に、アタック・マンは、マデラン星内であちこちと飛翔していた。そして、次なる中ボス級のマデラン星人へ敵を探し求めていく。その都度、強敵は発見して挑み掛かるまで、彼が逞しく紫色の大空を飛び交っていった。


 そうした最中、このアタック・マンの単純なアタック戦法が、中ボス級の強さを誇っているマデラン星人ばかりへ狙い目だ。その理由とは、グライナー博士の研究の成果である。この博士の教示から敵を一体ずつ的へ絞って倒せれば、大ボスの正体や位置に関して判明してくるなど知っていた。いずれ博士の推論では、マデラン星人の大ボスが倒せることも、時間の問題だとも予測を割り出している。これから先までアタック・マンが、連続アタックの極意や心掛けを戦闘の最中から見出そうと懸命へ奮闘するのだろう。


「地球から太陽系や世界の平和な銀河繁栄の礎を築く。そのため、マデラン星人の好き勝手に許さない。俺たち人類側は一切、マデラン星人の脅威に屈しないぞ!」


 地球の命運を委ねられた一人の男が、そう叫び上げる。彼こそ、激突ヒーローを異名へ讃えられていた男、アタック・マンだ。彼の激突攻撃は、誰にも止める者はいない……。

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