TSゴスロリ美少女・ロゼルタ様の終末世界破壊プレイ~死にゲー世界にTS転生したので、廃人レベルのやりこみで無双します~
深海(フカウミ)
【#1】”死ぬ”ほどやりこんだ世界へ
『突然だが、お前は死んだ』
どこまでも広がる真っ白な空間の中で、”謎の声”からそう告げられた。いきなりすぎて何が何だか分からない。
「死んだ……? 俺が?」
『そう。昨夜、眠っている間にお前の心臓は止まった。ここがお前たちのいう”あの世”という場所だ』
「マジかよ……」
人間、死ぬときはあっさり死ぬってことか。
まぁ、別に長生きしようと思ってたわけじゃないから、前世に特に未練はないんだけど……それよりもこれからの事だ。
「それで、この後はどうなるんだ?」
『お前には”転生”してもらう。次の世界にな』
「転生!?」
そういうの……本当にあるんだ!?
『さて、それでは希望を聞こうか。お前はどのような世界を望む?』
「う~~ん、どうしよ……」
せっかくだったら、現代社会から離れた世界がいいなぁ。……そうだ!!
「じゃあ、”ゲームの世界”に転生させてくれ!!」
『ふむ、お安い御用だ。それではお前が一番遊んだゲームの世界へ転生させる。それでいいか?』
「あぁ、いいよ!!」
おぉ、言ってみるもんだな!! しかも、わざわざ一番遊んだゲームの世界なんて気が利くじゃないか!!
……ん? 待てよ??
『それでは、転生させるぞ』
「あっ!? ちょっと待──!?」
慌てて引きとめようとするも、もう既に身体が光に包まれていた。どうやら転生の準備が完了してしまったらしい。
(し、しまったーーーーーーー!?)
薄れゆく意識の中、俺の脳内に
(俺が一番やり込んだゲームって……”あのゲーム”しかないじゃん!?)
◇◆◇◆◇
「うっ……」
目が覚めると、そこは夜の墓場だった。
周りには数えきれないほどの墓が並び、近くには朽ちた剣がいくつも刺さっている。
上を見上げれば、満月の中でカラスの群れが飛び交い、これからの不吉な予兆を暗示しているようだった。
見覚えのある景色──それも何百回も何千回だって見た、この景色!! ……どうやら嫌な予感は的中したらしい。
そう、この世界は──!!
「”デドディス”の世界だ……!!」
『デッドエンド・ディストピア』──通称・デドディス。
剣と魔法のダークファンタジー世界をモチーフにしたアクションRPGで……いわゆる”死にゲー”ってヤツだ。
そして、このデドディスは俺が一番やり込んでいたゲームでもある。しかも──。
(あ、あれ!? もしかして、この身体……”女”っ!?)
墓の近くに置かれていた鏡に映る自分を見た。
黒と赤で彩られたゴスロリチックなドレスを身にまとった、金髪ミドルショートの美少女。
まるで人形のように整った色白の顔で、瞳は血で染まった月のように
右目には黒薔薇の眼帯。頭には小さな黒いシルクハットの飾りつけ。
どことなく危険さと美しさを感じさせる可憐なゴスロリ少女である。
俺はこの少女の姿にも見覚えがあった。なぜなら──。
(これ、つい最近キャラクリで作った奴だわ……)
そうだ。いつもは男キャラでプレイしてたんだけど、気分を変えようと思って女キャラで始めたら──思った以上にキャラクリに気合が入ってしまった。
こうして誕生したのが……この”金髪ゴスロリ美少女”だ。その名も──。
「ロゼルタ・R・バーンドレッド……!!」
ぎゃぁーーーーーーーーーー!? 恥ずかしい!? 恥ずかしい!? 自分で言ってて恥ずかしくなってきた!?
まさか、気楽にやっていたキャラクリがこんな結果になるなんて……そんなの想像できるワケないわな。
(とにかく”チュートリアル”からやるか……)
こうして俺は慣れないゴスロリドレスに違和感を覚えつつ、この墓場──【カースの墓所】を歩いていくのであった。
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