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青色の衝立が迷路のように立ち並ぶ。細いグレーの縁がついたパネルは、折り畳んだり、自由に角度を変えられるようになっている。直角に曲がった二枚組のパネルが、机と机を隔てる。
一面ガラスの引き戸には、反転した文字が透けて見えている。室内の蛍光灯に負けず燦々と照る太陽。アスファルトが熱気で歪んで見える。
わたしは勉強机に座っている。あなたは可動式の丸椅子で、わたしともう一人の生徒の間を行き来している。
ふんわりと花びらのように広がった白い袖から、あなたの腕が伸びる。もしその二の腕に触れたなら、わたしのために冷やしていてくれたみたいに、ひんやりとこの手に吸い付くでしょう。
「終わった?」
わたしは問題集をあなたのほうへ押しやる。
あなたが赤いペンを手に問題集を採点する。シュッ、シュッ、というペンの滑る音。シュッ、シュッ、とスケート靴が滑るみたいな音。
わたしはその赤ペンが欲しかったけど、どこに売っているのか知らない。
「お、満点」
あなたはわたしにチロルチョコを差し出す。それがあなたから生徒へのご褒美だった。
わたしはチロルチョコの外側の包みを集める。あなたが消しかすを捨てるために作ってくれた折り紙のカゴに、一枚一枚アイロンを当てたハンカチみたいに伸ばした包み紙を重ねていく。
次の試験で四百点を超えたら、もっといいチョコレートをあげる、とあなたはわたしに約束する。
わたしはそのチョコレートの空箱に、チロルチョコの包みを移し替えようと決めている。
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