エスカレーターが登る速度で

小西ちひろ

第1話 僕は疲れた

僕は4月から無職になった。入社したのは、20歳。工場で溶接をしていた。ADHDの事は会社に伝えてあり、配慮も考慮もしてくれてたけど、一般雇用で採用して貰えると言う贅沢な雇用状況だった。しかし、今年の一月に鬱が再発。なんのきっかけもない突然の再発だった。いつも通り作業をしようと思った途端、“あ、無理だ動けない”となってしまい、1ヶ月の休職に入院。1ヶ月後復帰したが、すぐにダメになってしまい、三月末で退職した。無職になって残ったのは、生活の不安と鬱と支払いと自由だけだった。

会社に勤めていた時から、金がなかった。なんせ給料が安かった。貯金も入院やらで無くなってしまった。金に余裕のない鬱は最高にしんどいものだ。金のない不安と病的な鬱、明日生きるのに精一杯である。

でも、時間だけは沢山ある。これを機に色々やってみようと思う。

今から個展に行くので、また後で書く。

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