【詩集】孤月抄

つきの

孤月抄

寂しげな月よ

その零れた涙の雫を

そっとすくい取って

想いをガラスのペンで綴ろう


時には、光にひそむ影

時には、闇のなかの灯


ずっと其処に在るあなたの心を

みているはずなのに

誰も知らない

知ろうとはしない


ならばせめて、わたしだけは……



今夜も佇んでいる

孤月よ


静かに欠けてゆく


愛しい寂しき月よ

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