新・四ツ目神

結生乃

第一章 「四津村」

[平成XX年9月 東京都のアパート…]


真依)ただいまー。

誠)おお真依、お帰り。

真依)ふー。明日から休みだし、ゆっくり出来るー!

誠)…なぁ、真依。ちょっと、いいか?

真依)?

誠)実は…


真依)…実家への帰省?

誠)ああ。昼間、修二兄さんがウチに来てな…


[3時間前…]


誠)…実家さ戻れだと?

修二)うん。もう誠を怒る人は誰も居なくなったし、戻らなくとも折角なら泊まりで来たらどうだい?

誠)でもなぁ…昔の事を思い出すと、俺は…

修二)誠はそれでいいかもしれないけど、真依ちゃんはどうなんだい?

誠)…っ!

修二)僕だって、もうあの頃の僕じゃ無いんだ。総一兄さんや真由子さんだって、誠や真依ちゃんに来てもらいたいと思っているよ。

誠)まあ、俺もお世話になってたし…真依が帰ってきたら聞いてみるよ。

修二)うん、誠ならそう言うと思ったよ。取り敢えず、僕は戻るよ。

誠)ああ…


真依)…そうなんだ。

誠)ああ…それで、真依。真依は、明日から休みだろ?だから、行ってみないか?真依の実家へ。

真依)…行きたい、私の実家に。

誠)よし、墓参りがてら行くか!

真依)うんっ!


[次の日 四津村…]


真依)んー、着いたー!

誠)ふっ、昔から変わってないな。

真依)ここからはどうするの?

誠)少し歩くぞ。まあ、真依なら慣れてるだろ。

真依)そうかな?


[暫くして…]


誠)ここが俺と真依の実家だ。

真依)うわぁ、凄い…

修二)いらっしゃい。誠、真依ちゃん。

誠)来てやったぞ、修二兄さん。

修二)相変わらずだなぁ誠は。ま、取り敢えず中にどうぞ。

真依)お邪魔しまーす。


修二)それで、2人は何時まで居るんだい?

誠)月曜日の昼までは居る予定だ。

修二)なるほど…じゃあ、ゆっくり出来るね。

誠)ああ。

修二)そう言えば誠、最近この村にとある噂が広まってるのは知ってるかい?

誠)噂?

修二)うん。何でも、この先にある四ツ目神社に長い黒髪の女性が出入りしてるらしいよ。

誠)神社の関係者とかじゃないのか?

修二)それが、その女性は神社に入ると姿を消すみたいなんだ。

誠)…ほう?

修二)まあ、単なる噂だと思うけど…宮司をしてる身として悩んでるんだ。

誠)なるほど…

修二)…さて、僕は今夜の夕ご飯の材料を買ってくるけど…2人はどうする?

誠)俺も酒欲しいし行くかな。

真依)あ、私は待ってます。

修二)そうか、分かった。じゃあ、ゆっくり過ごしててね。

真依)はい。


[暫くして…]


真依)暇だなぁ…

???)マイ…マイ…

真依)…誰!?

???)マイ…ヤット…キテクレタ…

真依)…一体誰なの?

??)マイ…キタンダネ…

真依)…ふぇ?

??)マッテルヨ…ヨツメジンジャデ…

真依)四ツ目…神社?…行ってみようかな。


第二章へ続く…

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