第3話 井端さんの絵 佐伯と釣りに行く。

次の日、僕らは井端さんの家に行くことになった。

画家になるための第一歩として、僕達に作品を評価してもらいたいようだ。ぼくとしては、絵画なんてものは上手いぐらいしかわからない素人だ。

ひまわりだったり、スイートピーなど色々な花が置物においてある。ここは、少し見識のある北条さんの出番であろう。

北条さんは美術史が好きで学んでいるらしい。

正直、井端さんはコンクールで準優勝しているから、知名度は上がっている。

絵を見てくれるファンが増えれば個展など開催できるだろう。


「充分に魅力が伝わってくる作品だよ」と北条さんは言った。

「服部の個展をみて、自分もまだまだだなと思ったんだよ」と井端さんは言う。

「私的には、このひまわりの絵画がお気に入りかな、優しい色をしていて、色の対比もしっかりしている。やっぱり、花の絵を描くには繊細さが必要なのね。」

「ひまわりの絵か、自信作だよ。去年描いたんだ。」

「私たちはまだ素人だから分からないけど、このまま描いていったら、きっと色々な人に見てもらえそう。」

「1年後には、個展を出したいから、そのときまで頑張るよ」と2人で絵画について話していた。


僕はただ聞いているだけだった。その後、色々な花を見せてくれたが、どれもきれいな絵画だった。

何に焦点を当てているか意識している絵でもあった。僕達は一つ一つの絵を見ながら、これなら個展開いても色々な人に見に来てもらえそうだと思った。


「どれもとてもいい絵だと思う」


と僕は井端さんに感想を言った。


5月10日、僕と佐伯は海で釣りをしていた。僕と佐伯と海に行くのは2回目である。

釣り道具をもって、釣り施設に来ていた。佐伯とは中学時代の友達である。

千葉県の海沿いのところだ。午前中から昼までいることになっている。竿におもりをつけて、餌もつけてサビキ釣りをする。


「結構風が強いね、帽子が飛ばないように気を付けろよ」と佐伯は注意を促した。

「周りは、意外と釣れているね。そろそろ僕達も釣れていいころじゃないかな」と僕は言った。


この施設に来てから、2時間たっている。周りではイワシやアジが釣れていた。


「釣りは気長に待つものだからな」と佐伯は言った。


それから、10分後ぐらいに、佐伯と僕にあたりが来た。


「お、食いついたかも、結構重い」と佐伯は言いながらリールを巻き上げる。


すると、3匹のイワシが海面から顔をのぞかせていた。そのまま引き上げて、3匹をゲットする。

僕もあたりが来たので、リールを巻き上げると、小さいイワシが1匹釣れた。


「待ったかいがあったな」と佐伯は言った。

「待ち時間海を眺めて楽しんでいたから、ついでに魚釣れて良かった。」


僕は釣れた魚を水の中に入れた。

一日にこんな気長に魚が釣れるのを待つ日があるのもいいかもしれない。海は、ゆらゆら波で揺れている。

この中に魚がいることは分かっているがどんなふうになっているのかはわからない。

水族館の魚たちみたいに泳いでいるのだろうか。僕達はそれから、10匹の小さいイワシを釣ってから、夕方になったので帰った。

今日は、10匹のイワシを使って魚料理をする。

釣りの施設からそのまま僕の家に佐伯と来た。佐伯が6匹で、僕が4匹である。今日は一日中、海を眺めていたので、頭がぼーとしている。

僕はイワシのかば焼きを作った。あと、ハンバーグも作った。

僕達は疲れていたので、すぐに料理を食べた。


「いや、イワシおいしいね、これが自分で釣ったのだと思うと感慨深いよ」と佐伯は言った。

「やっぱ、自分が釣った魚が一番おいしいね。」と僕も賛同した。

「海を見ているとなんだか、誘いこまれそうだったよ」

「魚が釣れるまで暇だしね」僕達は料理を食べてくつろいだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る