君たちに幸あれ!

魔法も魔法使いも存在しない、レイルスロー王国。
ダレン・オスカーは、そこでまだ珍しい「探偵」を生業にする男だ。
彼の周りには、とびきり濃い人々がいっぱい。
変なあだ名をつけがちな助手・キャロル、その夫で記念日を忘れがちなアーサー。
その二人には、フィーリアという養女がいる。


「実は、今度の【春の祝福】で、フィーリアが推薦枠で【春の女神】候補に選ばれたんだ」


実はフィーリア、魔法が使える世界からやってきた、治癒魔法の使い手。
ダレンが弟子とするエリックとともに、三年前、【子供の神隠し】という誘拐事件に巻き込まれた少女である。


そんなフィーリアの護衛を頼みに来た二人。


「フィーリアの美しさ、可愛さに翻弄されずに護衛できるのは、あなたたち二人しかいないわ!」


そういうキャロル。
だがアーサーは、裏の事情をダレンに打ち明ける。
そして肝心のフィーリアというと、少し不得意なことをしなければならないようで…

さてさて、この依頼どうなる?