第16話 つづく……

俺達の冒険は、これにて……【完】



「ってッ! マジで!! 終わりなの!?

待て待て……フィンの妹! フィンの妹を見ていない。

フィン!!! 妹の所に行くぞーーー!!!」


「あ……待って下さい! ドック……

実は、困った事が!」


ピキーーーーン〜!!!


「なになに!? 困った事?

聞かせておくれよ!!! このドック様が何でも解決してやる。

ジッちゃんの名にかけて!!!」


「実は……


街で、今……食中毒が流行していて!

僕の魔力では、解毒魔法が使えなくて困っていたのですよ。」


「……だから、解毒薬の素材の薬草を探しに森に?」


「はい。

あの日、僕が解毒魔法を使った事を知っている人達が助けを求めて来まして……

だから、誰にも見つからない様に森に逃げ込んだって訳です」


「そうか、そうか……

知るか!!! そんな事!!! 

たかだか食中毒じゃねーか!!!」


「食中毒を舐めたらいけませんよ。

場合によっては、死ぬ事もあるんですよ!」


「……確かに、それもそうかましれんな。

悪かった……?

じゃあ、急いで街に行こう!

そして、困ってる人達を助けよう。」


「あ……それは、もう大丈夫なのです!

薬草で何とかなりました。

今は、またドックが眠りに落ちた時に同じ事態におちいらない為に、何か対策をしておきたいのです。

レベル2の僕でも色んな魔法を使っても怪しまれない方法を!!!」


フィン……こいつ! 性格、変わってないか!?


『レベルが上がった事で、自信がついた為に起こった現象です。

一時的なものかと思われます』


「……そうなの!? なら良いけど……。

で……大賢者! 何かいい方法はないか?」


『フィン様の集めた魔鉱石を使った装飾品に魔法を溜めておく事をお勧めします。』


「あれか!」


フィンは魔鉱石を取り出した。


「これをどうしたら良いんだ?」


『錬金術のスキルを習得して下さい。』


「…………手足とか無くならないよね!?」


『無くなりません。』


俺は、錬金術を習得すると……そのスキルを使い!

魔鉱石の数珠を作りフィンに渡した。


そして、その中には魔力と魔法を溜めると

透明だった魔鉱石の数珠は彩度になった。


「とりあえず! 

これがあれば、俺が眠りについても無詠唱で魔法を使う事が出来るから。」


すると、フィンは喜びながら……透明な数珠がある事を指摘して来た。


「それは、後で! 使えそうなスキルや魔法が有ったら入れる為の保険だ!

心配しないで、待ってろ!!!

それに俺は、そう簡単に意識を失う様な眠りにはつかないから心配するな!」


と、言ったが……

この後、俺は幾度となく意識を失う睡眠を取る事になる。


それは、まだ先の話し……



それから俺達は街に戻ると……


「所で、フィン。

俺が眠ってる間ダンジョンには、行かなかったのか?」


「それが……あのダンジョン。

あの後、ワイトキングだけではなくリッチも出たと街で大騒ぎになっているんですよ。」


「リッチ……!?」


「はい。

魔王級にヤバい! アンデット系のモンスターで、ワイトキングより凄い魔法を無詠唱で放っていたところを目撃された為に

あのダンジョンは、今はギルドによる調査中で入れません。」


「へぇ〜……

あの、ワイトキングより強い上に無詠唱で魔法を放てるとは……フィン!

あのダンジョンに行くのは、もうやめよう。」


「僕もそれが良いかと思います。」



しかし……

この後ギルドが、いくら調査を行なってもリッチは見つける事が出来なかったが……

目撃した冒険者の報告通りに、死のダンジョン最深部にて、物凄い! 戦闘があった事は確認された。

それから1ヶ月の調査の後、安全確認がされた死のダンジョンは解放された。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る