第9話

零のことはほっといて、仕事。

家に帰ると、零はぐったりしていた。


「話したの?」


「…はい。散々でした」


「お疲れ様」


「家を継がないと話すと、縁を切りたいのかと」


「で?」


「そういうわけではなく、と説明しましたが…」


「ま、頑張れ」


私はカエさんと電話するんだから!今日は話したい!


「さっちゃん」


「もー、忙しい」


「慰めてくれますか?」


「ま、まっ…」


な、なんでいきなりキスするの!


「だめ、カエさんと…」


「僕はどうでもいい?」


くそー!なにその甘えた顔は!


結局零のせいで、カエさんと話せなかった。もー!


「さっちゃんを両親に会わせたいと思うのですが」


「嫌だ。文句言われるだけ。零がちゃーんと話してからね」


「はい。…頑張ります」


どうなんだか。


翌日は朝から晩まで仕事。

カエさんと喋れない。そう思って寝ようとしてたら、カエさんから電話!


「か、カエさん!」


「遅くにごめんね」


「ううん!連絡嬉しい」


ベットに寝転がってたけど飛び起きた。


「最近、学校は行ってる?伊織《いおりくんは見てないって言うけど」


伊織というのは、カエさんのクソ彼氏。無表情で無愛想。

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