転生先はどうやら姫様のペット(召喚獣)の竜らしい

冰鴉/ヒョウカ

第1話目の前に美幼女が!それに名前…?

ふと気付くと、そこは何処か金持ちの部屋だった。

妙に高級な装飾がされた壁や柱、触り心地の良い絨毯、1人で使うにはかなり大きいベッド、そして所々に飾られた可愛らしい装飾品。


多分今俺の目の前にいる幼女の部屋なのだろう。

そしてそんな幼女が口を開き、唐突にこんな事を言ってくるのだった。


「貴方の名前はリファル!今日からよろしくね!」


そんな言葉を聞くと同時に、俺と目の前の幼女とは切っても切れない何かが繋がれた感覚がするのであった。


---------------

そんな事があってから大体1週間が経過した。

そして俺に何が起きたかも大体は理解出来た。


まず俺の現状を説明させていただこう。

今の俺は人ではなく、竜になっている。大きめのトカゲの様でありながら、鱗はしっかりとしていて翼も生えている。


そして生まれたばかりとでもいうようにサイズは身体を丸めると手のひらにピッタリ収まるくらいのサイズだ。色合いは青…水色だろうか?


全く死んだ覚えも、憑依する様な事をした覚えも無いのに竜になってるのは謎だ…確か元は人間でただの一般学生だった気がするのだがどうしてこうなった?


まぁ特に生きる目的も無く過ごしていて、未練も特に無いから問題は無いのだが。一人っ子で両親どちらも他界済みで一人暮らしだったのだ…居なくなってもそうそう気付かれないだろう。


そして次は俺の立場だ。何故か見聞き出来る文字や言葉を見る限り、俺の立場は今俺を抱いて寝ている幼女の召喚獣という物らしい。


召喚獣と言うのはペットであり、相棒であるとか大人の人が言っていたがどういう事なのだろうか…ペットって事は愛玩動物なのだろうが、愛玩動物を相棒にするだろうか。


まぁそんな事は追々として、今俺を抱いて寝ているこの幼女だ。

俺はこの幼女の召喚獣…つまりはこの幼女は俺の召喚者であり、俺の主なのだ。ふと気付くと幼女が主人になってたとか困惑しかできなかった、うん。


と言う事で我が主人の紹介をしよう。俺の主であるこの幼女の名前は「レリア・プリモディア」。周りの人から姫様だの王女様だとか言われてる明らかにやんごとなき身分でありそうな幼女だ。


見た目は銀髪の琥珀眼で可愛らしい顔付きをしてらっしゃる。将来は相当な美少女・美女となる事が想像できる

そんな子の召喚獣になれたのだから元男…いや、今なら雄だろうか?雄としては役得なのだが、いかんせん身分が非常に高そうなのが…


部屋の窓から見える街の景色はかなり良い。中世チックな街並みでありながら、人も多いし物流も非常に良さそうなのだ。

ちなみに実際の街の風景は分からない。何せこの家?城?から出た事ないのだ、街とかは全て窓から見ている。


かなり離れていてまともに見えないのでは?と思うだろうがこの竜の身体は非常にスペックが高い。

意識して見ればさながら双眼鏡を覗いてる様な視界になるのだ。


明らかに小国や貧乏国と言った感じではない…そんな場所にある城に住んでいて、更に王族でありそうなのが非常に怖い。

貴族のドロドロした部分や、めんどくさそうな所が関わってくる様な気がする。


まぁ、こうは言ったがただの前世のラノベ知識だ。この世界がそう言った感じの世界では無い可能性もあるのだから決め付けるのはよく無いだろう。


こんなふうにここ数日の情報を纏めていると、どうやらレリアがお昼寝から起きたらしい。モゾモゾと動いてから薄らと目を開き、俺を見る。


「んー、リファルおはよぉ…」


はい、おはようさん。

ポワポワとした可愛らしい雰囲気だ。多分だがレリアは5歳くらいなのだろう…非常にプニプニしている。


そのプニプニしたほっぺたで俺に頬擦りをし、二度寝を決めようとしていたので尻尾でレリアの足を軽く叩く。

本来なら子供は寝かせた方が良いのだろうが、もうそろそろ授業の時間なのだ。


授業といっても家庭教師を読んで受ける感じで、学校や幼稚園と言った感じとは違う。ただ、家庭教師が放つ貴賓だとかを感じてやっぱり上流階級では…とか思ってたりする。


「そうだった、時間…リファル、ちょっと待っててね」


ゆったりと起き上がり、俺を頭の上に乗せて着替えを始める。


…いや、俺を降ろさないの?と思うだろうがこれがレリアのデフォルトだ。

何故か常に俺に触れているのだ。

寝るときは抱きしめ、起きて着替える時は頭に乗せ、移動する時は抱きしめたり頭に乗せたり、食事の時は膝の上に乗せたり、お風呂の時は抱きしめるか膝の上に乗せるかをしている。


唯一離れるのは特定の授業の時とか、レリアが寝ている隙をついて少し離れた時くらいだろうか?


これには本当に驚いた。初日とかは降りようとしたら捕まえられて元の位置に戻されるし、少し散策でもしようかと思って離れる動きをしたら凄い抱きしめられて身動き出来なくなったのだ。


……俺は人形か何かだったりするのか?


「ん、これで良しっと!それじゃリファル、行こっか」


着替えや準備が終わったらしいレリアが授業を受ける場所へと歩いて行く。

ちなみに今回の移動方法は抱きしめながらだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【リファル】

今作の主人公。

原因不明の死により、いつの間にか今作のもう1人の主人公であるレリア・プリモディアの召喚獣である竜として生まれ変わった。

全身の色合いは青や水色で構成されており、さながら水を司るかのような見た目をしている。


レリアを守る事に注力しており、レリアを強く信頼している。

レリアを信頼してて大事に思っているのは召喚獣だからか、それともレリアの内面に惹かれたからかは分からない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る