8話 暴走

朝起きて学校に行くと合格者一覧が張り出されていた。

1位はエリーだ。

まあ勇者だから当たり前だな。

2位はこの国の王子。

3位は将軍の息子

4位は魔法大臣の娘

爆発魔法を使ってた人だ。

なるほど強いわけだ。

そして5位が俺。

平民にしては頑張ったどころじゃない。

大金星だ!

1ヶ月後に入学式がある。

それまでは休日だ!

家に帰るともう暗くなっていた。

もう暗いが、強くなるために街の外の山に行った。

魔力強化のおかげで一瞬で到着する。

山に着くと先着がいた。

ヤギの骨の仮面のようなものをつけた長身の人だ。

その対面にはつのが生えた大男がいる。

2人でなにか話して大男が帰ると、

「さっきからそこにいる人出てきてくれませんかねぇ。」と言ってきた。

ギョッとしてバランスを崩して姿を出してしまう。

「困りましなねぇ。話を聞かれてしまいました。」

ぶつぶつ言いながら近づいてくる。

そして、いきなり魔法を放ってきた。

氷魔法だ!

咄嗟に炎魔法をぶつける。

しかし相手の方が威力が強く押し負けてしまい腕が凍りついた。

凍った腕を炎魔法で溶かし、距離をとる。

だが、地面が氷始めそこから氷のトゲが大量に生えてきた。

とっさに炎魔法の火力で加速し、空を飛ぶ。

殺そうとしてくるなら容赦しない。

炎魔法でブーストしたまま光炎を放ち牽制する。

直撃したが、ノーダメージだ。

いや、違う。

ダメージを受けた瞬間再生して言っている。

これがこいつのスキルか!

次の瞬間やつを中心に氷が周りを囲み始め氷の檻になった。

「逃げないように囲ませてもらいましたよ。」

「余計なお世話だ!」

しかし急に炎が消え飛べなくなってしまった。

それどころか魔法がそもそもでなくなっている。

やつを見ると仮面のしたの目が笑っている。

こいつのスキルか!

魔法は使えないが魔力強化は何とか使える。

出力は低いがないよりはマシだ。

殴りかかろうと足を踏み出したが、その足が凍りついた。

それを破壊して殴りかかると氷の剣で受け止められる。

魔力強化をしてもやつの方が力は上だ。

どんどん俺に攻撃が当たってくる。

しばらくすると血だらけになっていた。

「しぶといですねぇ。もう諦めたらどうですか。」

やつはまだ余裕そうだ。

「そのムカつく顔面吹き飛ばしてやるよ!」そうは言ったがもう限界だ。

もう最終手段を使うしかねぇ。

そう思い俺はスキルを解放する。

体から魔力と黒の雷が吹き出す。

そして俺の意識も吹き飛んだ。



◇◇◇



意識が戻るとやつがボコボコになって倒れていた。

体が崩れていっている。

「人間ごときに負けるとは。」

苦しそうにつぶやいている。

俺もスキルを解放したせいで体がボロボロだ。

辺りを見渡すと、木々が吹き飛び地面はボコボコになっていた。

(ほんとにこれは最後の手段だな。)

これだけの破壊のあとを見るとブロンズスキルなのか怪しみたくなるものだが、扱いにくすぎるせいだと思うことにした。

再びやつ向き合い、「ところでお前はなんなんだ?」と聞く。

戦闘中はおしゃべりだったのに何も話してくれない。

他にも質問をするも何も答えたくれない。

しかし崩れさる前に一言、「魔王様バンザイ!!」と言った。

「それってどういう意味だ?」

と言ったがもう遅かった。

どういう意味だ?

魔王は100年以上前に勇者に倒されたはずだ。

あのころの魔族の生き残りか?

だがそれも勇者が倒したはずだ。

いきなりのことによく分からない。

死ぬ前にとんでもないことをぶっ込んできやがって。

体へのダメージが酷い。

治癒魔法を使いたいがもう魔力が残っていない。

スキルが解除されたのは魔力がきれてからだろう。

これ以上スキルを発動し続けていたら死んでたかもな。

そんなことを思いながら山をおり冒険者ギルドに行った。

こんな真夜中だったけどソニーさんはいた。

ボロボロの俺を見て驚いたような顔をして駆け寄ってきた。

そしてハンナさんの所へ連れていってくれた。

ハンナさんも驚いていたが、すぐに治してくれた。

怪我は治っても魔力が回復するわけではないので相変わらず体はだるかった。

ソニーさんとハンナさんに山で起こった話を伝えると焦ったような顔をして部屋を出ていった。

1人部屋に残された俺は寝ることにした。

どうせ大したことはないだろうと思いながら。

ちなみに俺が寝れるのは家の枕をギルドにも置いているからだ。







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