on the back

キョウヤ

第1話

 よく磨かれたタイルの上に、ドロドロとした液体が溜まっている。

 水源は、瓦礫の下にあるらしい。


 肉の焦げた匂いがする。


 誰の声も聞こえない。

 みんなはきっと眠っているのだろう。


 天井に大きな穴が空いている。

 そこから月が覗いてる。


 大きな大きなお月様。

 さっきはどこに隠れていたの?


 床は赤くてドス黒い。

 窓は脂で汚れてる。

 至る所が崩れてて、もうここには住んでいられないかもしれない。


 ここは危ないと思ったから、

 一人で外へ出た。


 もうここにはいられない。

 もうここにはいたくない。


 もう誰にも会いたくない。

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