無能で追放されそうになったら親友たちが激怒して共に国から逃げ出して自由な旅を始めました!

武田勝長

第1話、始まりはいつもの日常

人間って信じられない事が起きると何もできない生き物なんだなと改めて目の前の光景を見て実感をしていた。



「おらおら!!どうした、姫様よ。先程までは親友のことを馬鹿にして調子に乗っていたのにそんなに黙り込んでも拳は黙らないぞ」


「良いぞ良いぞ、雅也!!その調子だ、俺達の親友を馬鹿にしたらどうなるか教えてやれー!」



二人の親友が信じられない事をしていたのだ、一人は薩摩雅也(さつままさや)、姫様だと思われる人物を殴り続けており滅茶苦茶に楽しそうにしていた。



もう一人は徳島豊城(とくしまとよき)、こちらは雅也を応援して楽しんでいる。



そしてそんな光景を見て何も出来ずに居るの僕が佐々成富(さっさなりと)、3人で全くも見覚えがない世界に来ていた。



機械や都会ではなく自然豊かな田舎でもなくこの周りはまるで中世の城だと思わせる風景でその中で僕の親友たちは暴れていた。



どうしてこうなったのかその理由は数時間前に遡る。





「さて、今日は待ちに待ったG1がある日だね。皆んなは何に賭けるのか決めた?」


「もちろんだ、自分はメテオドールに決まっている、この馬を軸に3連複など買うつもりだ。今まで負けたことがないからかなり勝算があると自分は考えている」


「それはとても分かるは負けたことがない馬には普通に賭けたくなるよね。それでも僕は桜花賞の勝馬であるエルフプリンセスに賭けようかなと考えているたけどどうかな?先にG1のタイトルを取っているのだから普通に勝てそうであるけど。それと雅也は何に賭けるつもりなの」


「成っちに豊っち、今は電車の中だから静かに」



そう言われてそうだなと思いながらマナーを守ろうとする心構えは良いのだけど雅也はなーと思っていた。



そしてその5分後、見事に雅也は爆睡して大きな鼾を嗅いて寝ていた。隣にいる僕は物凄い大音量でそれを聞いていた。



雅也が悪気がないのは知っているけどこれは流石に伝えたほうが良いかなと思ってしまうぐらいに大きいのだ。



そして僕たちは今、府中で行われるG1N○Kマイルカップをこの目で見る為に電車で向かっていた。



僕、豊城、雅也は本当に幼い頃からの幼馴染であり幼稚園から友達でもうすぐ僕たちは三十路になろうとしているのにこんなに仲が良いのだ。



その代わりと言うのもおかしいけど彼女は3人とも誰もいないのだ。でもこんなに仲が良い3人がいるなら幸せだよなと思っていた。



そんなことを考えていた時に急に聞いたことがない音が聞こえて何が起きたかと思うと電車が傾き始めてまさか、脱線でもしたのかと思いすぐに僕は守る姿勢をしようとしている時に親友たちは・・・。



「うん〜、これは保険が降りて仕事を休めるのかな・・・って!このままでは府中に辿り着けずにN○Kマイルカップが見れないじゃないか!!」


「ZZZZZZZZZZZZZZZ」



いやいや、そんな事を考えている場合!?それと雅也は未だに爆睡をしているですけど!!??このままだと本当にあの世に行ってしまうかもしれないのに呑気に寝ているですけど!!!???



そんなことを思っていたら急に魔方陣みたいなものが現れ始めて何だと思っていたら急に周りが見えなくなるほどに輝きだして視界が見えるようになると見たこともない景色が広がっていた。



そこは中世のファンタジーなどで見られる光景で何が起きたのかと思っていると目の前にとんでもない美女がいたのだ。



「選ばれし勇者様たち、いきなりこのような場所に呼び出して誠に申し訳ありませんが私のお願いを聞いてくれませんか」



それを言うと僕たちの以外に電車に乗っていた人たちが急に何だとか説明を詳しくしてくれとか念願の異世界転移だと様々な声が上がっていた。



そして肝心の親友たちの反応は・・・



「なるほどなるほど、恩を着させて我々の言う事を聞くように仕掛けてきましたか意外とあの姫様は策士かもしれないな、二人とも気をつけてほしい」


「ZZZZZZZZZZZZZZZ」



片方はともかく雅也ー!お前はいつまでを寝ているつもりだ!!お前が憧れていた異世界転生ではないけど転移だけど異世界に来れたぞと言うと雅也は眠たそうな顔をしながら俺たちに対して話しかけてきた。



「うん?府中でもついたのかなら先程の話になるけど俺は赤枠6番のソーフェニックスに俺は決まっているなんせあの馬は既に重賞のタイトルを持っているのだからそれに赤枠は比較的に勝ちやすい傾向があるから枠としても悪くはない。差しだからできる事ならばもう少しだけ外枠でも良かったかもしれないけど府中は直線が長いから末脚が強いソーフェニックスなら勝てると睨んでいるけど成っちはどう考えている。もう一つの重賞の新潟大賞典はアライヴドドラゴンは末脚通いからここも府中と同じで直線勝負になるから青枠の7番であるので差しなら問題がないと考えているけど・・・豊っちたちはどうかな?」



あの〜そんな熱意をこもって説明をしても今の状況が全く理解していないことだけはわかったので僕はここはどこか分かるかなと言うと雅也は目を擦りながら辺りを見渡してから話すのだった。



「何だ、まだ夢の中だったのかならのんびりとしておこう。電車の中で寝落ちしてこんな良い夢を見るとは今日はやはりソーフェニックスが勝ちに来るな」


「だからここは夢ではなく現実だからしっかりとして起きろーー!!目の前の現実を受け止めろーー!!」


「目の前の現実を受け止めろだって・・・普段はファンタジーばかりを見ないで現実を見ろと言っている成っちが反対なことを言うとはやはりここは夢の中だな。豊っちからもなにか言ってくれよ」


「雅也、お前が寝ている間に電車が脱線事故を起きていたと言えば信じるか?」


「そんな事信じるわけがないだろう、周りを見てもさ・・・あれ?もしかして本当に俺が寝ている間に脱線事故が起きていたの!?」



雅也が周りの様子を見てただ事ではないと理解したのか確認をしようとした時に僕たちを召喚したであろう姫様が言葉を話し始めた。



「では改めて皆様の現状をお伝え致します。皆様は本来にいた世界で亡くなる前の瞬間に召喚致しました。なので元の世界に帰還を望まれてもそこに待ち受けているのは死という現実だけとなっております」



・・・え?マジでと思って聞いていると親友の雅也と豊城が泣き出して悲しみを言い始めた。



「「それじゃあ!!俺(自分)のN○Kマイルカップはどうなるのですか!!!」」



異世界に来ても競馬のことを話す時点で色々と終わっている気がするのは僕だけなのであろうかと思うのだった。

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