第16話[蒼炎組]

〜現在地:アジト・執務室〜

〜零夜視点〜


レイテルでメッセージを送信し

その後俺は執務室で色々な事を思考する

失敗したらどうしよう

アイツらが死んでしまったらどうしよう

アイツらを信じてやらなきゃ行けないのに

作戦の失敗だけが、俺の脳を支配する

今更怖気付いているのか?

これに関しては、覚悟が足りていないと言われても仕方ないだろう

まだ、軟弱な青二才

そんな俺にとって、虎狼襲撃は


に匹敵する程、恐怖を感じていた


???「…………零」


すると、いつの間にか入っていたしずくが、俺に声をかけてくる

俺は突然の雫に少し戸惑ったが、直ぐに声を正し、「どうした?」と一言


雫「…………」

零夜「……?」


……雫、いつも狐のお面つけてるし、あんま声を発さないしで結構会話に苦労するんだよな……


雫「……過去」

零夜「……ん?」


すると雫は、「過去」と言う単語を出す


雫「……過去、何があった」


それは、俺の過去に対しての問いだった

俺は数秒その意図を理解出来ず固まり、意味を理解すると「……いや、なんでもないよ」と一言告げる

雫は深追いせず、「……そうか」とだけ言う


雫「……悩んでいた」

零夜「ん?」

雫「……零が、過去で」


……俺が過去に悩んでいる事を、どうやら雫は見透かしていたようだ

あのお面からでも、俺の事はどうやらしっかり見られているようだった

俺は雫に向かい、少し微笑み、口を開く


零夜「

雫「……?」

零夜「埼玉で名を馳せていた、マフィア組織の事」


零夜「……俺、そこの」





──首領ボスの、息子だったんだ





零夜「……まぁ、それだけ話しておくよ」


雫「……蒼炎組…今は「滅んだよ」


零夜「綺麗さっぱり、なくなった」


雫「……すまなかった」


雫は気まずそうに俺に向かい言う

俺は「ううん、謝んなくていいよ」と優しく声をかけ、「飯は食べたか?俺は後で食いに行く、雫も早く飯食いな」と諭すように言うと、雫はゆっくりドアを開け、俺に一礼し、またドアを閉めた


俺は、雫が居なくなった事を確認し

「フゥ〜……」と溜息を吐く


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


──俺は、零夜の心の中で、生き続けている


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


すると、父さんの言葉がフラッシュバックし

少し頭痛がはじける

ものの数秒で頭痛は止み、俺はまた溜息を吐く


俺は姿勢を直し、机へと体を向ける


そして、白く積み上がった束の1番上の書類を手に取り、書類を開始した






──必ず、成功させなきゃ行けないんだ







──もう、後悔はしたくないから

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