第24話 車内でハメを外してェ〜!
俺は、朝の六時頃に目を覚ます。
両隣には、裸の女子高生。冬芽と透がいた。
二人に軽くキスしてから、俺はシャワーを浴びて体液を落として、それから朝食の準備に取り掛かる。
この前のパーキングエリアの猟師達から貰ったキャベツをピクルスにしておいたので、それを少し出して。卵に顆粒だしの素を混ぜ込んで、だし巻き卵にする。
それに、最近プランターで育てているミニ大根をおろしたものを添えて。大根の葉っぱと、たまたまIDで出せた玉ねぎを千切りにしたものを入れた味噌汁を作る。
米も炊いて……、一汁一菜だ。いや、二菜か?
何にせよ、この滅んだ世界でこれだけ上等な朝食は望めないだろうことは俺にも、いや誰でも分かるな。
そうしていると、二人も起きてくる。
「おはようございます」「おはよっ!」
二人とも、シャワーを浴びた後らしく、ホカホカになりながら現れた。
服は部屋着の無地の白Tシャツとジーパンだ。
服の製作に必要な「服飾作業台」はまだ作れていないから、服はクラフトではなく手縫いするか、こうして既製品をスカベンジングして拾ってくるしかないんだよな。
それを言えば料理もそうで、クラフトコマンドで作れるものもあるっちゃあるが、材料が足りないレシピが多いし……、何より、海外サイトで売りに出したゲーム故に、アメリカ食のレシピが殆どで、和食のレパートリーがないのだ。
だからこうして、家庭料理は自分の手で作るしかなかったんですね。
「おー、おはよう。飯、できてるぞ」
「わ!今日は何?」
「だし巻き卵」
「やった!卵焼きだ!」
「はいはい、席について」
「「「いただきます!」」」
食事中は楽しく話す。
「んー、おいひい!」
「ん……、美味しいです。でも、朝から手間では?私達も手伝えれば良いんですけど……」
「アタシら、家事とかぜーんぜんできないもんね!」
「胸を張って言うことではありませんよ、透?」
「まあそうなんだけど……。でも、旦那の料理の腕ってプロ級じゃない?今更アタシらが頑張ってもなーって感じでは?」
「ま、まあそうですけど……。お嫁さんとして少し寂しいというか……」
「別にやらんでいいぞ。お前らに期待しているのはそれぞれの技能と、あと身体だけだからな。家事がだるけりゃ、それ用の女をどこぞかのコミュニティと交渉して貰ってくるわ」
「家政婦さん、ですか?良いかもしれませんね」
「まあ当分は要らねえだろ。少食な女二人分なんて、作るのに大した手間はかからねえしな」
「はえー……、少食……?」
「俺と比べりゃな」
「確かにそっか。……っと、ごちそうさま!じゃあアタシ、今日も勉強を頑張るね!」
「そうしろ」
食後。
皿を洗って……っと。
味噌汁とかのスープの類は、基本的にあまり量を作らないので、飲み切ってしまう。
主菜は、冷蔵できるものは、余ったらそのまま冷蔵庫に入れて昼食の副菜などに。
そしてご飯はいつも多めに炊いておいて……。
「焼きおにぎりーっと」
醤油を塗って、焼きおにぎりにしてしまう。
粗熱をとったら、冷凍庫に入れて、夜食やおやつ行きってことだ。時間がない時の朝ご飯なんかにもするぞ。
ポストアポカリプスなんだ、コンソールで出せるとは言え、食料を無駄にするのは良くないからな!
で、冬芽と透、二人は勉強をしていて……。
俺は、外に出てのスカベンジングタイム。
車を停めるのは、基本的に死角のない場所。
例えば、ビルの側面の扉がない方向や、有料駐車スペースなど。
建物の角や側面に沿うように、バックで駐車している。
そうしたら、マシンガンタレット……自動砲台を設置してから車を離れて、街の方へ。
片手にメイス、片手にマグナムを持ち、ゾンビを蹴散らしながら様々な店舗を荒らす。
今日は底辺御用達の黄色い看板のディスカウントストアにお邪魔しておりまーす。
『うが……あ……』
「はい」
ゾンビは叩き潰し(物理)て、店の中の品出し用キャスターに使えそうなものをガンガン詰めていく。
えー、まず、コンピュータの類。
どうせこんな程度の店のコンピュータは性能が大したことはないと、たかが知れているので、クラフトコマンドで解体して素材にしてしまう。
「液晶画面」や「回路基盤」、「撮像素子」、「演算回路」なんかはいくらあっても困らない素材だ。
「スピーカー」や「熱センサー」、「バッテリー素子」なんかもなんぼあっても困らん。
確かに、半導体パーツを使ってクラフトしまくれば作れないこともないが、それにはかなりの時間がかかるからなあ……。機材も欲しいし。
一瞬で壁を建てられるクラフト能力とは言え万能ではなく、個数と規模を確保するにはそれなりの時間がかかるのだ。あと普通にめんどくさいし疲れる。
で、あと欲しいのはティッシュペーパーやタオルかな。衛生用品もなんぼあっても良いですからね!
後は、二人から頼まれた生理用品。そういやそうだよな、必要だよな、こう言うのは。えーっと、できれば肌に優しいタイプのやつがいいんだったか?適当に段ボール一箱分くらい持っていく。
あーそうそう、カバンとかも欲しいな。アウトドア用の。
二人に持たせるんだよ。非常用の持ち出し袋だな。
クッション……、も持ってくか?座り仕事の冬芽にくれてやろう。
後はボディーソープと……、ああ!栄養ドリンクなんかもあると助かるな!
それと、乾麺にパスタと……、おお、缶詰か。トマト缶は買いだな。金は払っていないが。
傘なんかも大事だ、「撥水布」や「ビニール」は有用な素材だからな。
プラスチックも素材になるので、子供のおもちゃなんかも回収して……。
ちょっとした菓子類と……ってうお、食品コーナーは生ものが腐りまくっててヤバい匂いだ!近づけないなこりゃ。菓子は諦めよう……。
ああ、だが、調味料コーナーから小麦粉や砂糖なんかを得られたから、パンケーキでも焼いてやるか……。
そうやって俺は戦利品をキャスターに詰めて、ガラガラと音を立てながら車へと戻っていった……。
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