こんにちはから始まる恋

優薔薇

第1話こんにちは

こんにちはから、何かが始まる気がした。いつもの会社から

家までの往復が続く。毎日に飽き飽きしている。こんな事だったら

高校まで出ていたらよかった。そう思う事もある。河野は中卒だった。

別に頭が悪い訳ではない。むしろいい方だと周りは言う。だけど

河野は高校に進学はしなかった。理由は、本人曰くだが。

「学校に興味がない」と意味不明な言い分だった。中学を卒業後は

 実家の近くのコンビニにアルバイトで働き。昼間はバイト

 夜は、自身の部屋で本を読んで過ごした。そんな生活が

 三年も続いた。十八になると、学歴問わずで募集している。

 今の会社に就職ができた。だが、河野と一緒に入った。

 同期は、高学歴が大勢いた。だがら、河野は

 同期に「中卒の分際で、よく就職できたよなぁ」と

 同期からの陰口を言われていると思い込んでいた。

 実際はそな事はないのに・・・・・・。そんな河野には

 楽しみがある。それは、会社の向かいにある。カフェで

 昼食を取る事だ。会社に入って、五年間。ほぼ毎日その

 カフェで昼食を取っていた。特別に美味しい訳ではないが

 まぁ、コーヒーは美味しいけど。河野には、そこに

 通う目的があった。「あっ!いらしゃいませ」そう

 その目的は女性店員に会う事だ。彼女の名前は小池と

 言うらしい。右胸のネームプレートに小池と書いてあるからだ。

 河野は、初めてカフェを利用した時から。小池と言う。

 店員は働いていた。いらしゃいませと言葉の発し方が

 美しくて。河野は彼女に一目惚れをしたみたいだ。

 だから、河野は毎日このカフェに来ている。例え

 自分が休みの日でも、彼女が休みの日でも。毎日のように

 来ている。まぁ、さすがに来れない日も多々ある。

 そんな日は、現在一人暮らしのアパートの近くにある。

 コンビニで適当に何かを買って食べている。特別に

 食への執着はない。腹に溜まればそれでいいらしい。

 今日は、出勤日ではないし。小池が働く。カフェもお休みみたいなので

 しょうがないので、近くのコンビニで適当にご飯を買う事にした。

 「まぁ、これでいいか」と手に取ったのは、鮭とツナマヨのおにぎり二つと

 背脂は入った。家系ラーメンをレジに乱雑に置く。「いらしゃいませ~」と

 気怠そうに店員がピッピッとバーコードリーダーをめんどくさそうに

 操る。河野は、会計を済ませ。コンビニから出ようとする。

「あーしーたー」と気持ちがこもっていない。挨拶をしてくる

 店員。こんな時、あのカフェで働く。小池さんは、丁寧な言葉遣いで

「ありがとうございました」って言ってくれるのになぁーと河野は

 心の中で思っていた。コンビニの外に出ると、河野視線には

 小池さんがコンビニの中に入ろうとしていた。何で?

 何で、カフェ店員の小池さんがこんな所に・・・・・・・。

 しかも、エプロン姿ではなく。私服の小池さんだ。

 私服姿の小池さんを見るのは初めてだったから。

 一瞬固まる。河野。河野は、勇気を振り絞って。

 コンビニに入ろうとしている。小池さんに話かける。

「あの」「はい?」心拍数が加速するのが体感でわかるぐらい。

 心臓が小刻み震える。勇気をだして、小池さんに話かけたのは

 いいが。その後がどうすればいいのかわからず。固まる。

 河野は、人間として当たり前な言葉を小池さんに言う。

「こ、こんにちは」「こんにちは」河野はこんにちはと小池さんに

言うと、小池さんもこんにちはと返してくれた。

河野はそれがとても嬉しいくて。心がホッとなった。

感覚がしたみたいだった。

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