第21話 アキ


 次の日は3時からまたロイヤルホテルなのだがイライザが激しすぎてちょっと疲れが出ている。横で寝ているイライザは天使のような寝顔だがな。そしてネットを見ながら皆んなも今は雑魚寝だからベッドを買おうと思っている。

 ウチは2階が2部屋、1階にも2部屋あり、1部屋は両親の部屋だった、いまは物置になっているのでそこも掃除しないとな。マジックバッグに入れてまとめておこう。

 上に2人下の客間に2人でいいだろ。どうせここに1人来るんだしな。

 でベッドを選んでるとイライザが起きる。

「…おはよ」

「おう、おはよう」

 ギャップか?可愛く見えるぞ。

「まぁ、いいベッドにして損はないからな」

「え?なんの話?」

「いーや、なんでもない」

 と2人で笑う。


 朝飯は俺が作るのをみんなで見ている。

 作りたいのだろうがまだ説明しながらだな。レンジなんかは使うことが無くなったし、まぁ、火さえ気をつけてくれればいいのだが少し怖いな。


 みんなでベーコンエッグに昨日買ったパンを食べながらニュースを見てると、最近、一番だったクランが急落しているらしい。なんでも主力メンバーが1人重症だそうだ。まぁ、十中八九この人の為のポーションなんだろうけどな。


 昼まではみんなゲームをしたり掃除や本を読んでいたり、俺はネットショッピングをしていた。

 まったりと過ぎていく日常はやはりいいな!


『ピンポーン』

 とチャイムの音が鳴る。嫌な予感しかしないが出ていくと、

「あ、ありがとうございます!おかげで彼氏が戻って来ました!」

「よう!」

「はぁ、よう!」

「え?え?」

「まぁ上がれば?茶くらいだすぞ」

「おう!ありがとな!」

「ちょっ!」

 と、2人が上がって来たので隠れる5人だが、

「出て来ていいぞ?」

「はい!あ、なんだ、アキか!」

「お、アキ!」

「彼女?可愛いですね!」

「へぇ、アキに彼女ね?」

「…へぇ」

 5人ともアキとは面識があるからな!

「え!うわっ!美人さんばっかり!」

「ありがとうございます」

「えへへ、美人だって!」

 と彼女達は和気藹々としている。


「コーヒー?茶?」

「コーヒー!」

「あ、私も一緒で」

 とコーヒーを淹れて出す。

「んで?どうしたんだ?」

「ん?彼女がお礼を言いたいってさ」

「あの時はどうもすいません!アキが帰って来たのでお礼をと」

 と言って茶菓子を渡してくるので受け取る。

「別に気にしなくていいよ?まぁおかげでレベルも上がったしな?」

 しょうもないことで喚いてたガキのお守りをしただけだが、副産物でレベルが上がったから良しとしたのだ。

「な?って、いってみた?ダンジョン?」

「行ったぞ、5階層までだけどな」

「どうだった?」

「ん?余裕かな?お前でも余裕だろ?」

「そっか!なら行ってみようかな!」

「ダメです!もう危ないことはしないって約束でしょ?」

「あはは、ならダメだな!アキくん?」

 約束したなら守らないとな?

「テメェ!タカ!そうだ、タカと一緒ならいいだろ?」

「ふざけんな!迷惑だ!」

「ほら迷惑かけちゃうでしょ!すいません」

「うん!彼女はちゃんとしてるな!」

「く、くそ。これじゃ稼げねえじゃねえかよ」

「普通の仕事すればいいでしょ?」

「俺は強くなったの!だからダンジョンでも大丈夫なの!」

「…本当ですか?」

 と聞いてくる。

「はぁ、一応本当だ。簡単に死ぬこともないだろうしな」

「ほらな?」

「じゃあ私もいくからね!」

 と彼女さんが言うとあからさまに嫌な顔をするアキ。

「えぇー!」

「あの、そう言うのは自分家でやってくれよ」

「すいません、でも言うこと聞かないんですよ!」

「アキ、ガキじゃないんだ。1人でなんとかしろ!」

「くっ!わかった!エリサも連れてくから!それで納得してくれよ?」

「分かった」

 ふぅ、なんで俺の家で痴話喧嘩を見なきゃならんのだ。


「あんがとなタカ!」

「もう来んなよ?アキ」

「またくるぜ!」

「二度とくるな!」

「へへーん」

 くそ!家バレしてしまったな。


 もうすぐ2時か、先に行っておこうかな?

「んじゃみんな留守番たのんだぞ?」

「3時からじゃ?」

「先に行って待ってるよ」

「分かりました!」

 車に乗ってみんなの見送りと共に車でいつもの有料駐車場に停めるとロイヤルホテルに到着する。

 ロビーでコーヒーを飲んでいると、

「よぉ!今回は早く着いたんだな」

「まぁな、で話はまとまったのか?」

「あぁ、相手もこれ以上下がるのは嫌みたいでな!一応100億は無理だったが80億だがいいか?」

「まぁ、いいだろう」

「現金で持ってくるはずだ」

 とロビーで待っていると、

 電話が来て、スイートルームらしい。


 2人で上がっていきスイートルームに入ると、片腕をなくしたらしい男とその仲間たちのような男女がいた。

「へぇ、なんか殺気立ってるな?」

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