第7話 日本


 昨日はアーシェだった、若い子は凄いなぁとしか感想がない。オッサンはまだ若いと思っていたがなかなかどうして若い子についていくのがやっとだった。

 話をするとやはり若いなぁと思いながら夢物語を語るアーシェが可愛く思えて仕方なかった。


 朝飯の時はみんなに今日の予定を伝える。

 みんなのバッグを買いに行く、後は魔法の練習と狩りだな。

 

 バッグを売ってるところに行く、俺はヒップバッグを買い、みんなには邪魔にならないようなバッグを選んでもらう。

 門から外に出ると、ヒップバッグに収納を付与してみる。

 意外とすんなり付与できたようでバッグはマジックバッグになった。

 と、調子に乗ってみんなのバッグも同じように付与していくと、みんなびっくりした後で、

「タカ様、私達には勿体無いですよ」

「いいじゃないか、これでみんなも色々入れれるしな」

「もう」

 と言いながら嬉しそうだ。


 それから魔法を一通り試してみる。

 ボール系、アロー系、ストーム系、などやればやるほどみんなが引いているのが分かる。

「さ、さすがですが、これはやりすぎかと?」

「だな、まぁ、土魔法で直すよ」

 土魔法でボコボコになった地形を均して元通りかな?

「す、凄すぎます」

 ステータスを見ると、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 伊能 忠隆イノウ タダタカ 35歳

 レベル 13

 職業 未定

 スキル 剣術 索敵 全魔法 魔力循環 気配探知 危機察知(芽)体術(芽)

 ユニーク 才能の種

 守護 カイロスの守護

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 魔法の芽が消えて全魔法になっていたりした。これも才能の種のおかげだな。

 やればやるほど目で確認できるのは嬉しいな。

 

「よし!この調子で魔物をたおそうか!」

「はい!」

「おー!」

 森の中に入っていく

「そっちにいったぞ」

「あい!」

 ゴブリンはリズのハンマーで粉砕される。

 残りのゴブリンもみんなが倒し、俺も一匹倒している。

 流石に6人だと余裕があるな。


 ファングボアももう5匹倒して解体してある。

「サンダーショック」

 バチバチと電気が走りファングウルフが倒れるとみんなが首を斬り解体し始める。

「いやぁ、今日は大量だな」

「ちょっと倒しすぎかもしれませんね」

「でもいないよりはいいよー」

「だな!今日は沢山狩ったし帰ろうか!」

「「「「「はい」」」」」

 と帰ろうとしたら今度は熊に出会った。

「ブラッディベアーです!」

「サンダーショック!」

 効いているのでベアーの首を狩る。


「タカ様の魔法はすごいです!」

「凄すぎて言葉になりませんが」

「ま、まぁ。いいことじゃないか!」

 最初の弱い時よりはいいだろ?


 ギルドに持って行くと解体場の人にビックリされると、紙を持っていった受付でもビックリされる。

「ランクがまた上がりますのでよろしくお願いします」

「…ランクDか」

「はい!ありがとうございます」


 ランクDのカードを受け取る。


 宿に帰るとまた本を読む、他には何か魔法はないのかとみてみると、8種の魔法の他に創造魔法というものがあったらしい。

 あとは魔術は違う形態らしく転移の間にあった魔法陣が魔術になるようだ。


 だけどこれだけできるんだ、魔法でなんとか元の世界に戻ることができないだろうか?


 某アニメのドアのようにならないかと色々試してみるがうまいこといかないな。やはりあのヤンキーが魔王というものを倒すまで帰れないのか?


 扉か、この扉が俺の家に繋がるイメージをしていると扉が光るので扉を開けると、

「お、おぉ!帰って来れたな!」

 どう見ても自宅だった!

 親は二人とも他界しているので俺がローンを払い終わったばかりの二階建ての家だ。

 懐かしい我が家に帰って来たのでとりあえず今が何日なのか確認する。


 もう一月も経っているな。

 スマホを取り出し充電をすると留守電に退職勧告が入っていた。急いで連絡したが退職は進められていてもう俺の居場所はないらしい。

 まぁ、一月も無断欠勤していればそうなるか。

 

 取り急ぎやることは終わったな。

「はぁ。俺のせいじゃないのだが少しでも退職金が出るからマシか」

 でも減額されての退職金だからまぁそんなに当てにならないな。


 とりあえず戻るか。


 自室の扉を異世界の扉に繋がるよう念じると魔力が吸われるのが分かる、全体が光り扉を開けると宿の部屋だ。

「ドンドンドン」

 扉を閉めるなり勢いよく扉を叩く音が鳴るので開けると、

「た、タカ様!何かありましたか?」

「あ、あぁ、悪いな。魔法を使っていたのだ」

「そうですか、ビックリしましたよ扉が開かないからみんなで心配しました」

 と顔を青くしている。

「大丈夫、みんなを置いてどこかに行くことはないから」

 とルメラの頭を撫でると泣き出してしまったので全員を抱き寄せ頭を撫でて行く。

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