それはテンプレ過ぎるでしょ?!!

キノコボールペン

第1話 エピローグ

目が覚める。

ぼやけているけど教室じゃないのは明らかだ。

草原に倒れてることぐらい赤ちゃんでも分かる。


…なんで?

確か今は世界史の授業中だったはず?


ー数時間前ー


「であるからにして~は~」


全然頭に授業の内容が頭に入ってこない。

昨日徹夜でゲームしたせいだ。

机の上に置いてあるライトノベルを机にしまって腕を枕代わりにするとあっという間に意識が無くなった。


ー現在ー


目が覚めたらクラスメイトの大半が転生してた。

先生はいない。

でも普通こういう転生系の小説は先生が重要なんだよな。

ヤンキーキャラなだめたりとかクラスを纏めたりとか敵サイドにいるクラスメイトの説得&勧誘とか(早口)

そんな強キャラいないのは控えめに言っても終わりな気がする。


「何そんなとこでぼーっとしてんだよ」


クラスの陽キャの山田がこっちに向かって手招きしてる。

普段だったらあり得ない光景だ。

異世界転生も悪いものではないのかもしれない。


「ではみなにあれを」


王様?が近くの兵士に指示していた。

と兵士に視線が集まってると王様が急に話を始めた。

「服装からも分かるとは思うが私が王だ

君たちには重要な役割がある

予想している者も居るだろう。

魔族の討伐だ。

もちろん、タダでとは言わない。

魔族の根絶に貢献してくれた者には報酬も出そう。

兵士よ、を」


1人につき1つ渡された謎の石版…

王道で行けばこれが


「皆の手元の石版が「すてーたす?」と呼ばれるものじゃな

細かく体力やすきる等が見れるアイテムじゃ」


予想通りだ。

王様が「やつが…「オタク」がれば話が早いんじゃが…」

とぼそっと言った。

先輩系転生者も居るのか

それともオタク(僕)のようなやつなのか…


「「すきる」なるものは転生?した時点で手に入れてるはずじゃぞ、見てみるとよい。」


王様がそう言い放つと席替えや授業のような騒がしさが広間に響く。


「俺、剣聖!!」


山田がそう大声で周りに自慢している。

クラスの陽キャは当たりスキルが多いのか

「俺は魔道の極意!」

「はぁ?なにこれ鍛冶?」

「ワープとか強そうじゃね?!」

「聖女ってなにできるん?」

「初期魔法全取得とかいらねぇ」

「幻獣召喚とかアニメキャラ召喚出来るかな」

「ユニコーンとかだろ」

「なにそれ?」

「大気操作とかチートじゃん」

「スキル爆発って」

「私…ドレイン…」

「」

とか聞こえる。

唯一陽キャではずれを引いたのは木村らしい。

皆に隠してるから相当はずれなんだろう。


「お前のスキルなに?」


山田が後ろから覗き込んできた。

実際僕も見ていない…

これを…こうして…っと

「あっはっはっははっははは!」

後ろから笑い声が聞こえてきた。

笑い声の主が続ける

「こんなん自己紹介じゃん」

表示されてるスキル…それは


「荷物持ちっ!お前にお似合いのスキルだよ」


そこら辺のザコスキルだった。

それもただのスキルじゃない。

中学校の頃の僕の役目だった。

…は?

訳が分からない。

剣聖とか大気操作がクラスメイトのスキルで荷物持ち?


「まぁ良いんじゃね?荷物持てるだけパーティには必要なんだし…」


木村がそう言った。

その途中の言葉を遮るように王様の声が響く。


「明日からは早速ダンションに入ってもらう、今日はしっかり休憩すると良い!

部屋は用意してある、兵よ案内して差し上げろ」


皆がバラバラと行動し始めたとき後ろから声をかけられた、クラスのオタクにも優しいギャルの青水あおみずさんだ。


「山田、ああ言ってたけど気にすること無いよ。明日はよろしく」


そう言いながら手を振って山田たちの方に駆けていく後ろ姿はきっと頭に残り続ける。

そんな彼らを後ろめに僕は自分の部屋に帰った。



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