第12話 真相

三滝「ついに犯人と対峙できる」


光莉「ふーっ...犯人を誘いだす為の罠とはいえ、少し無茶ね」


光莉は三滝の拘束を解き、厨房から持ってきたフライパンを構える。


三滝「南一郎と根岸殺しの犯人は俺では無いが、この際俺が殺したって事にした方が都合が良い」


光莉「でも南一郎と根岸殺しの犯人もだけど、今からくる4人を殺したXの協力者って一体誰なのかしらね」


三滝「4人を殺した犯人は誰でもできるから分からないが、南一郎と根岸殺しは大方予想がついている」


光莉「え!? 誰なの?」


三滝は光莉に犯人とその根拠を伝える...


光莉「そう...ま、私もそいつを70%くらい疑ってたわ」



三滝「でもまだ100%じゃない。だから一旦俺が罪を被ることにした。とりあえず今はこの後部屋に入ってくる犯人に集中しよう」




1時間以内に犯人が三滝を殺しにやってくる...


しかしいくら待っても犯人が来ない。






ガチャ....






部屋の扉が開き、入ってくる人物に光莉がフライパンを振りかざそうとする



圭「ちょ、ちょっと!!」


光莉「圭..?」


圭「もう1時間たって皆外にいるけど光莉だけいないから....光莉が犯人だったのか?」


光莉「もう1時間たったの?」


長宮がドアを思いっきり蹴り部屋の中を見る


長宮「なんで生きてんだよ、拘束も解けてるし」


光莉「私、別に殺しに来た訳じゃないから!」


三滝「そうだ、光莉は犯人じゃない。ここで待ち伏せて犯人を返り討ちにして貰おうと思ってたんだ」


暴念「気が狂ったか光莉。そいつは2人を歪んだ正義感で殺したサイコパスだぞ、そんな奴の拘束を解くなんて」


三滝「俺は2人を殺してない」


圭「え? じゃあ何で自分が犯人だと…」


三滝「部屋に入ってくるであろう犯人を捕まえる為だ。俺の予想では十中八九犯人が来ると思ってたのにな」


光莉「なんで来なかったのかしら」


美緒「三滝が犯人じゃないって事がバレてたんじゃない?」


三滝「自分で言うのも何だが長宮の推理は割と理に適っていた、そして俺も自分が南一郎を殺したと認めたのに...」


圭「犯人しか知らない情報があって、推理に矛盾があり嘘がバレたのかも知れないですね」


三滝「犯人にしか分からない情報...」


暴念「とりあえずどうするよこの状況、一旦食堂でも行くか?」


美緒「そうしましょう」


全員で食堂に行くが三滝は圭だけを呼び止め少し部屋で話をしてから行く事になった。


圭「なんです? 三滝さん」


三滝「あぁ、美緒の事なんだが」



圭「...疑ってるんですか?」


三滝「すまないな、疑いを晴らしたいなら協力してくれ。ほんの些細な事でいい、美緒がいつもと違う行動をしてたりは無いか?」


圭「あぁ...ベッド使いたいのに嫌がるから口論にはなりました」


三滝「それはいつだ?」


圭「三滝さんが光莉の部屋にいる時ですよ」


三滝「あの時か、確か光莉と美緒の部屋は隣だったけど聞こえなかったなそんな口論」


圭「僕も三滝さんと光莉の声聞こえなかったですよ」


三滝「そうか...教えてくれてありがとう。じゃあ皆と合流するか」


圭「はい、食堂に戻りましょう」


2人で食堂に戻り皆と合流するとこれからの事を話し男4人で暴念の部屋に、その隣の圭の部屋で美緒と光莉は過ごす事になった。


圭「暴念さんの部屋綺麗ですね」


暴念「ずっと圭の部屋にいたからな」


三滝「暴念さんの隣の部屋が圭の部屋で、更に隣が目田の部屋なんですよね」


暴念「そう、その更に奥が根岸の部屋だ。」


圭「美緒...何も無いといいけど」


長宮「美緒なら襲ってきたXを殺してくれるかもな」


圭「確かに、ハハッ。ちょっと美緒達見てきますよ」


三滝「僕も目田の部屋をもう一度確認したいから出ようかな」


2人は部屋を出て圭は美緒達がいる自分の部屋へ、三滝はその隣の目田の部屋に向かった


圭がドアを開けると美緒と光莉はベッドに腰掛けながら談笑していた、目田の部屋にいる三滝はその談笑の声がわずかに聞こえていた


三滝「全く...人が死んでるのに楽しそうに喋りやがって、あいつらもいつか絶対殺してやる」


三滝は怒りを滲ませながらも冷静に目田の時間を整理していた


三滝(目田は目に毒針をさされ死んでいた。両手両足を縛り猿ぐつわをしていたとは言えイスとかに括り付けてた訳じゃ無いから多少の抵抗はできたはすだ。もしXがベッドの下やタンスの中から出てきたとして、全く逃げる暇が無かったのか?ナイフで不意打ちで刺されたならまだしも、右目を針でだぞ? そんな簡単には殺せない。ドアの前に見張りがいると知っていたならドアの方に助けを求めにくるはず、でもドアを叩くでもなく体当たりするでもなく無抵抗で殺された、何故? もしかして、目田は抵抗せず...)


隣の部屋から漏れる小さな声が三滝の推理の邪魔をする


光莉「心理テストの続きしよー」


美緒「いいよ!」


圭「美緒の恐ろしいんだよなー」


三滝はそんな声を聞いて違和感を抱く


三滝「そういえばあの時...」


思い返す、光莉の部屋に行った時...


三滝「そうか、この部屋...もしかして!!」


三滝は目田の部屋で見つけたある違和感の正体を探す


三滝「これだ! だからこの部屋だけ! じゃあ犯人は...」


三滝は犯人に気づいた。


三滝「でもそうなると目田はXじゃなくて協力者の方が殺した事になる。何故Xに任せなかったんだ?」


三滝は犯人との会話を必死に思い出す...そして源田が死んだ時の事を思い出す


三滝「そういう事か! 俺は最初から全て南一郎に騙されていたんだ!」


そして根岸が死んだ時の犯人の言葉も思い出す


三滝「あの時は変だと思ったが今となっては全て説明がつく! 根岸が殺された時、犯人は南一郎殺しがついに動いたと気が動転しボロが出てついあんな言葉を言ってしまったんだ!」


三滝は全ての事件の犯人が分かり全員を目田の部屋に呼び寄せた


三滝「ついに犯人と対峙だ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る