第5話 Xの存在

源田が頭を巨大な石で何度も殴られ倒れる。そして犯人は源田の拳銃を回収し林から立ち去る。



美緒「圭ー! どこー?」


圭「源田さーん! 美緒ー!」



...ガサガサッ



圭「誰だ!?」



背中に誰かの気配を感じた圭、その時何かにつまずき下を見る



圭「げ...源田さん!! 死んでる…」

近くには金の入ったアタッシュケースと手紙が置いてあった。



圭は一度林を抜け旅館の方へ戻る



美緒「圭! 良かった」


美緒は林に入る時に木に付けていた目印を見つけ先に出てきていたようだ。

俺たちのグループが戻るのが遅かったせいで他の全員も集まっていた


根岸「大丈夫だったか?」


圭「はい、でも源田さんが殺されていました」


全員が驚き、圭は事の経緯を説明した


三滝「そんな事が」


圭「そして源田さんの手紙には旅館のよりも正確な林の地図が入ってて死体の位置にバツ印が書いてあったので簡単に森から抜け出せました」


暴念「でも何で死体の位置にバツ印が書いてあったんだ?」


圭「それは恐らく手紙に書いてあった文章です」



圭は文章を読み上げた


”地図に報酬1億円の場所を記した。葵を殺せ”



葵「わ、私!?」


美緒「なんで葵が」


光莉「まさか、南一郎殺したのって葵?」


葵「違うわ! そんな事するわけ無いじゃん!」


長宮「でも何も無かったら殺害依頼なんかされるかね?」


葵「うっ…なんで…」


葵が泣くのを美緒が慰める


圭「それと、林の中で音がしてその方向に人影を見ました。恐らく1人です」


暴念「俺たちのグループ、長宮と光莉はずっと一緒だったぜ。強いて言えば別れたのは光莉がトイレ行った時かな」


光莉「当たり前でしょ!」


三滝「こっちも根岸と葵はずっと一緒だったよ」


圭「じゃあやっぱり、ここには俺達以外にもう1人、何者かがいる!」


根岸「そいつが...南一郎の身内」


三滝「いや、そうとは限らない。少なくともこの中に内通者がいる事は確かだ」


暴念「何!?」


三滝「職業柄常に盗聴探査機を持っていてね、愛花梨さんが殺された後から建物に盗聴器が無いかこっそり探していたんだ」


長宮「いつの間にそんな事…」


三滝「結果は無し。という事は圭が見た謎の人物Xが源田や目田の1人になるタイミングの情報を得るには内通者が必要だ」


葵「そんな…私、殺されちゃう」


いつも間にか外は暗くなっていた


根岸「もう暗い。一度部屋に戻ろう」


三滝「そうだね、もし殺されそうになったら思いっきり叫ぶ事、いいね」


そうして皆部屋に戻る。圭は心配で美緒の部屋に行った



美緒「ふー…こんだけ人が死ぬなんて、興奮しちゃうわ! しかも密室なんて頭の良い犯人ね! 圭には無理」


圭「おいバカにしただろ! じゃあ頭の良い美緒的には犯人は誰だと思う?」


美緒「だめよ犯人を見つけちゃ! もう人殺されなくなっちゃうじゃない!」


圭「いいのか? 葵が殺人依頼されてたんだぞ?」


美緒「あれは源田さんをおびき出す為の手紙でしょ? だからたまたま葵が書かれただけで他の人の可能性もあったのよ」


圭「なるほど…」



(やっぱり天才だ。美緒が本気で犯人を捜そうとすれば...)


と圭は思った。





~20時~

昼食が遅かったのもあり晩御飯は20時集合となった。


葵「よかった、皆食堂にいる」


光莉「ま、次いなくなりそうなのは貴方だけどね」


葵「やめてっ......」


光莉は人を挑発する癖があるようだ



圭「美緒、食べ終わったらまた部屋行っていい?」


美緒「この後は」

根岸「圭!」


根岸が会話を遮って話しかけてくる


根岸「どうしても2人で話したいんだけど、良いかい?」


圭「は...はい。いいですよ」


そうして食べ終わると2人で圭の部屋に行く


圭「何ですか?」


根岸「犯人に検討がついた」


圭「え!? 誰ですか?」



ガンガンガン!!

圭の部屋のドアが乱暴に叩かれる



暴念「圭! 大丈夫か?!」


圭が根岸に殺されると思ったのか暴念は助けに来てくれたみたいだ。




根岸「まったく、犯人ならこんな露骨に圭を誘い出しませんよ」


暴念「悪かった悪かった。で、その犯人は誰なんだ?」


根岸「...葵です」


圭「やっぱり。僕も美緒の前では言わなかったけど怪しいと思ってました」


暴念「殺人依頼も自作自演か」


圭「でも目田の見張りの時一緒にいましたよ?」


根岸「自分がドアの前にいるからこそ仲間のXに合図を送れたんだ。もしかしたらXはずっと目田の部屋に隠れていてその後皆が食堂に集まった時に建物の外に逃げたのかも」


圭「でも目田が拘束される事になったのは偶然です。なのに予め部屋にって…」


暴念「それか、その前の光莉と美緒が見張りをしてる時に葵が直接殺した可能性もあるしな」


圭「それはないです。密室なので」


暴念「ぐっ...」


根岸「とにかく葵はやけに美緒をかばう所や性格そのものが怪しい」


圭「犯人っぽくない人が犯人的な」


暴念「できすぎてるな、あいつはあまりにも怪しくなさすぎる」


根岸「という事で圭と暴念さん。次もし葵以外が殺されたら真っ先に彼女のアリバイやXと連絡をとってないか確認しましょう」


暴念「おう!」


圭「はい! でも何で僕に?」


根岸「葵は美緒と仲が良いだろ? 本当は美緒に葵のアリバイなど確認してほしいけど、こんな事言われたら君の彼女傷つくだろ。だから美緒に近い彼氏の君に頼んだんだ」


圭「なるほど、美緒に気を使ってくれてありがとうございます」



根岸「うん、じゃあおやすみ」



そうして根岸は部屋を出ていく。


暴念「さ、今日は圭の部屋で寝るか」


圭「はぁ!? ベット1個しか無いし! てか何で?」


暴念「2日で4人も死んでるんだぞ?また誰か死ぬ。夜中の1時から2人で見回りだ」


圭「はぁ......」


2人は1時にアラームをかけ一旦寝る




~0時30分~





根岸「おわぁぁぁーー!!!!!」



悲鳴で目が覚める



暴念「圭! 今の声!」


2人は猛ダッシュで部屋を出て根岸の部屋へと行き、扉を開ける


圭「根岸さんーー!!」


根岸は部屋の中央で血を流して倒れていた。包丁で1刺しだった、そして部屋の窓が開いている


圭は急いで窓から外を見ると外に人影が見えた


圭「暴念さん! 下だ!」

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