鉱山のアレコレを語る姫君

「というわけで、ヴァニア鉱山を攻略することになりました」


部下であるアンデットさん達に向け、そう言う私。


ちなみに、アンデットさん達はデイジーさんからの説明もあってか、私のことをすんなりと受け入れてくれました。


「ルルー様、俺達がヴァニア鉱山に攻めることは理解できたんですけど.....その鉱山には、何があるんですか?」


早速、私の話に対し、そう質問するアンデットさん。


「そうですね.....基本的に、あの鉱山からは良質なオリハルコンが採れることで有名なんです。ですが」

「ですが?」

「そのヴァニア鉱山を巡って、色々と争いが起きたと聞いています」


私がそう言うと、ザワつくアンデットさん達。

それは、デイジーさんも同じだったのか


「良質な鉱石が採れるとなると、争いが起きて当然.....か」


と呟いていた。


「えぇ、そうなんです。かつて、ヴァニア鉱山はオーガ達の物だったんです。ですが.......当時の王は、そんなオーガ達を騙す形でヴァニア鉱山を奪いました」

「「「「!?」」」」


私がそう言うと、分かりやすく動揺するアンデットさん達。


「そして、それが原因でオーガ達との戦いに発展。結果的にオーガ達は元々暮らしていた土地を追い出され、今に至るんです」


そう言った後、私はアンデットさん達に目をジッと見つめると


「私は......パヴァロア王国の王女だった頃、先祖の愚行をオーガ達に謝罪するように、何度も父に言いました。しかし、父はその言葉に耳を傾けることはありませんでした」

「だから、その命令を受けた......と?」


デイジーさんの言葉に対し、コクリと頷く私。


そして、私は続け様にこう言った。


「先祖のやったことは取り消すことは出来ません。ですが.....その歴史に終止符を打つことは出来ます。ですから皆さん、どうか力を貸してください」


覚悟を決めた様子の私を見て、アンデットさん達も腹を決めたのか


「「「「「オォォォォ!!」」」」」


大きな声で、そう言うのだった。


「それで......これから何をするつもりなのですか?」


そんなアンデットさん達を尻目に、私に向けて、そう尋ねるデイジーさん。


「そうですね......まずは、ヴァニア鉱山について調べた後、オーガ達に協力を仰ぐつもりです」

「はぁ!?」


私の言葉の対し、驚きの声を上げるデイジーさん。


「オーガ達と会うのですか!?」

「はい。戦力は少しでも多い方がいいと思いまして」


ニッコリと笑いながら、そう言う私。


だって、仲間は多い方が楽しいじゃないですか。


「.......勝算はあるんですか?」

「ないです。でも」

「でも?」

「私は、私なりの戦いを行うつもりです」

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