戦う姫君

「はぁ!!」


ドラドさんに対し、剣で攻撃を仕掛ける私。


一方、ドラドさんはその攻撃を避けると


「フン!!」


私に向けて、炎を放つのでした。


「まぁ!!とってもお熱い攻撃ですね!!」


そう言った後、私は攻撃を躱すと


「それっ!!」


剣で炎を受け止め、そのまま打ち返すのだった。


「なっ!?」


私の攻撃に対し、目の見開くドラドさん。


しかし、すぐに我に返ったのか


「炎よ!!戻れ!!」


その炎を吸収するのだった。


「まぁ!!炎を吸収できるなんて.......ドラドさんは凄いのですね!!」

「俺は炎を操る赤竜を祖とする一族の一人、故に、これぐらいどうということはない」


ドラドさんはそう言うと、いくつかの炎の球体を生み出すと


「お前には恨みはないが......魔王様に会いたいのなら、話は別だ」


そのまま、炎の球体を放つのだった。


「っ!!」


私は、その炎の攻撃を走りながら躱すと、剣にをかけ、そのまま攻撃を仕掛けた。


「無駄だ!!」


そう言うと、ドラドさんは私に向けて、再び炎を放った。


私は、剣を使ってその炎を切ると......


「はぁぁぁぁぁ!!」

「なっ!?」


その勢いで、ドラドさんに攻撃を入れることに成功するのだった。


「「「「ドラド様!?」」」」


ドラドさんに攻撃が入ったことに対し、驚きの声を上げる魔族の皆さん。


「やりました!!ドラドさんに攻撃が入りました〜!!」


嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねながら、そう叫ぶ私。


「お前.....剣に何か付与したな?」


攻撃を受けたからか、ヨロヨロと立ち上がりながら、そう尋ねるドラドさん。


「はい!!どうせ炎で攻撃されるのなら、その炎を吸収した方がいいと思いまして」

「....【マジックイーター】か」


納得したように、そう呟くドラドさん。


実は、あの時剣に付与したのは、特定のものを吸収する魔法.....通称、【マジックイーター】と呼ばれている魔法なのだ!!


「お前.......何故その魔法を扱える!?」

「王城の中にある図書室で、こっそり調べましたの」


周りの監視が厳しくて、剣に触れることが出来ない時によく行ってましたけどね。


「私、か弱い姫扱いされるのが嫌なんです」


ドラドさんに対し、二度目の営業スマイルを見せる私。


すると、ドラドさんは


「.......俺の負けだ」


両手を上げ、降参するのだった。


「ドラド様!!何故降参するのですか!?」

「そうです!!あんな小娘一人に、ドラド様が負けるはずが」

「黙れ!!」


ドラドさんがそう叫んだ途端、一斉に黙る兵士さん達。


流石は四天王、圧が違いますね。


「俺はコイツのことを甘く見ていた、それだけだ」


ドラドさんはそう言った後


「お前のようなタイプの人間は、どうやっても歩みを止めることはない。なら.....そういう人間を無理に止める必要はない」


と、続け様に言った。


「ということは......私を魔王様のところに案内してくれるのですか?」

「そう思えばいい」


着いて来いと言わんばかりに、そう言うドラドさん。


何はともあれ、魔王様の元に行けそうですね。


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