【母子恋愛】かあさんの子守唄

佐伯達男

第1話

このドラマは、『かあさんの唄』の物語から2年後のアタシ・けいこと息子・ゆうと母子おやこのその後の物語です。


アタシとゆうとは、あの日の夕方に結ばれた。


その翌日、母子ふたりが暮らし始めた。


アタシとゆうとは、母子であるにかかわらずカノジョ・カレシの関係で通した。


お風呂に一緒に入る…


一緒の布団で全裸はだかになって寝る…


アタシは、ゆうとの欲求が満たすために終始受け身で通した。


だけど、このままではゆうとがダメになる…


ゆうとにお嫁さんが来なくなったら困る…


早いうちになんとかしなきゃ…


ゆうとを心底から愛してくださるお嫁さんが近くにいるかどうか…


アタシの気持ちは、ひどくあせっていた。


ゆうとは、何ヶ月か前にお見合いを始めた。


しかし、断られてばかりいたのでゆうと自身はヒヘイした。


何回お見合いしても連敗ばかりがつづく…


ゆうとは『オレ…結婚なんかしたくない…』と言うてコンカツを投げたあと、再びアタシに愛を求めた。


アタシもまた、ゆうとに愛を求めた。


それから約数ヶ月に渡って、ゆうととアタシは肉体的な関係を持ちつづけた。


このままでは、母子がだめになってしまう…


ゆうと…


やっぱりお嫁さんをもらってよ…


2016年6月の大安吉日の日曜日の昼過ぎであった。


ゆうとが勤務している志度町のタダノ鉄鋼の工場で経理事務ケーリのお仕事をしているコウガミさんからが電話がかかってきた。


コウガミさんは『ゆうとさんにお嫁さんがいないのであればお世話をしましょうか?』とアタシに言うた。


アタシは『お願いします…』とコウガミさんに言うた。


それから1週間後であった。


ところ変わって、高松市福岡町にあるパールガーデン(ホテル・旧厚生年金会館)にて…


アタシとゆうとは、館内のエントランスホールにあるカフェテリアにいた。


テーブルには、アタシとゆうととコウガミさんとゆうとに紹介する女性が向かい合って座っていた。


コウガミさんは、ゆうとに対してコウガミさんの娘さんの高校時代の親友のまゆこさん(29歳・会社員)を紹介した。


ゆうとは、今回のお見合いを断られたら結婚はあきらめるとアタシに言うた。


だからアタシは、カクゴを決めた。


しかし、どういうわけかお見合いは1日でまとまった。


ふたりは、真剣に考えた上ですぐに結婚したいと言うた。


やっとゆうとにすてきなお嫁さんが来た…


ふたりは、すぐに結婚したいとコウガミさんに申し出た。


しかし、コウガミさんはあせらずに時間をかけてお付き合いをしてから結論を出した方がいいと言うた。


ふたりは、じっくりと時間をかけてお付き合いをするゆとりがないと言うた。


…と言うことで、ふたりは結婚することになった。


次の日の朝、アタシはふたりの婚姻届けを出す準備に入った。


アタシはまず、さぬき市の市役所へ行った。


そこでまゆこさんの戸籍抄本を取り寄せた。


その後、ゆうとの(登記上の)本籍地である砥部町の役場へ行った。


砥部町の役場でふたりの婚姻届を提出した。


その後、新しい戸籍抄本を持って松山で知人が経営している不動産屋さんへ行った。


知人が経営している不動産屋さんは、香川県内の物件も取り扱っていた。


アタシは、ゆうとの通勤圏内に一戸建ての建て売りの家があるかどうかをたずねた。


知人は、木田郡三木町のことでん平木駅の近くにリフォーム代込みで1400万円の二階建ての建て売り住宅を紹介した。


志度の工場からうんと遠いことでん長尾線の沿線にある場所しかないの…


困るわよ…


アタシは、ものすごく困った表情を浮かべながらつぶやいた。


仕方がないので、アタシはお願いした。


ふたりが暮らせる家はできたけど、大失敗したワ…


香川県かがわに帰ったら違う物件を探そう…


ふたりの入籍日から1ヶ月後に家のリフォームが出来上がった。


アタシとゆうととまゆこさんの3人は、三木町へ移り住んだ。


それと同時に、ゆうとの本籍地を砥部町から三木町へ変更した。


これでふたりの結婚生活の準備ができた。


しかし、アタシはものすごくフクザツな気持ちにかられた。

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