第11話 星伝説の覚え書き 夏

 すみません。興味なければ全然、読み飛ばしてくださいね。(笑)


 太陽の神アポロンは人間の女性に恋をして、ついにその女性と結ばれ子をなす。名をフェルトンという男の子。


 大きくなったフェルトンは母子家庭をバカにされ「自分の父親は太陽の神アポロンだ」と言うが嘘つき呼ばわりされてしまう。


 アポロンが父親だと証明するためにフェルトンはアポロンがいるとされる異国の神殿に向かうことに。


 そこで父に会い名を告げると「間違いなく私アポロンの子である」と証言をもらえるが証明できるものはなく困る。


 そこでフェルトンはアポロンがいつも乗っている太陽の馬車にひとりで乗りたい、と願う。アポロンが「それだけはやめて」ととめるも聞かず結局ひとりで走らせるが、巨大サソリ(さそり座)に出くわし馬車は大暴走。太陽の熱により天地のあちこちで火事を起こしてしまい大騒動に。


 これにはさすがの大神ゼウスも黙っておれず、雷を落として馬車を木端微塵に砕き、フェルトン自身はエリダヌス川に落ちた。(エリダヌス座)


 フェルトンにはキグナスという親友がおり、彼は川に落ちたフェルトンを捜しまわる。しかし見つけることは叶わずキグナスはついに白鳥となってしまう。あとで見つかったのは二人の友情の証とした黄色の石と青色の石だけだった。(はくちょう座)


(諸説あり)



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 キグナスは気の毒ですねえ。

 はくちょう座の伝説はほかにもあって。


 大神ゼウスは浮気者で暇だとそのへんの美しい女性にちょっかいを出してしまう。スパルタ国の王妃レダもそのひとりで、彼女の気を引くためにゼウス自らが白鳥の姿となりレダに近づく。


 やがてレダは二個の白鳥の卵を産み、卵からはそれぞれ双子が生まれる。四人のうち二人はのちにふたご座となる兄弟で、もう一方の双子のひとりはのちにトロイア戦争のもととなる絶世の美女ヘレネだった。



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 はくちょう座に関してはゼウスの伝説のほうが多く見かける気がします。


 それにしてもゼウスの神話は浮気話が多い。正妻のヘラさんかわいそう、と思いきや彼女は浮気相手を苦しめる悪役で登場するばかりなんですよねー。これじゃヘラさんに同情できない。(苦笑)


 これはヘラさんの性格、というより浮気に対して抱く感情が時代や文化、パートナーの地位によってちがうのかな。と。パートナーを責めるのではなく、浮気相手の美しさを妬んで「あいつさえいなければ〜」ってなるんですねぇ。地位が高い夫と別れる気はないからそうなるのかな。それは幸せと言えるのかなー。そもそも「別れる」という選択肢がないのかもですね。それは大変だな。


 そう言えば浮気じゃないけど白雪姫のおきさきさんもそういう考えでしたね。とにかく美しさは災いをもたらす感じに描かれがち。


 キグナスの伝説のほうの黄色の石と青色の石というのははくちょう座のくちばしとされる位置にある黄色と青色が重なった星のことだそうです。



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