第11話  少年達は、奮戦する!

 カズナリは目を覚ました。ライが寝そべっている。死んだか? と心配したが息はしていた。カズナリは安心した。そばに、ハクとシン以外にドクターがいることに気付いた。


「ドクター、僕は?」

「もう大丈夫だ」

「ライも?」

「ああ、大丈夫だ」

「今日は参ったな、日本妖怪と西洋妖怪、両方から袋だたきだった」

「作戦のことは、リーダーのライと相談してくれ」

「うん、そうする」

「じゃあ、俺は帰るぞ」

「あ、ドクター」

「何だ?」

「ドクターは誰が呼んだんだ?」

「誰にも呼ばれてない、ゼロの指示でここへ来たんだ」

「そうか」

「ゼロは、皆のことを把握しているからな」

「お見通しってわけか」

「そういうことだ、じゃあな」


 ドクターは去って行った。ライの意識が戻って、カズナリ達は解散した。ライは、


「明日はリベンジだ!」


と、復讐に燃えていた。


 さて、翌日。まず、上空、妖怪達から少し離れた所から様子を見た。日本妖怪と西洋妖怪が激しく戦ってる。


「ライ、どうする?」

「魔法使いがいるなぁ、俺達、魔法使いと相性が悪いからなぁ」

「やあ、久しぶり」

「お前、フミヤじゃないか」


 フミヤがほうきに乗ってきた。


「どうしたんだ?」

「ゼロの指示で来た。ライ達は魔法使いと相性が悪いから」

「そうか、援軍、感謝する」

「それより、日本妖怪と西洋妖怪、同時に敵にまわすのは良くないと思うぜ」

「そうだな」

「まず、日本妖怪に加勢しないか?」

「そうだな、そうしよう」

「おーい、待ってくれよ」


 やって来たのは、セイに乗ったレッカだった。


「レッカ、お前も来てくれたのか?」

「ああ、ここは敵の数が多すぎるからってゼロに言われた」

「心強い、よろしく頼む」

「じゃあ、日本妖怪の加勢に向かうか」

「おう!」


「おーい、日本妖怪!」


 一反木綿に乗った砂かけ婆や子泣き爺が振り返る。


「日本妖怪とは、一時休戦する。俺達は、日本妖怪に加勢するぜ」


 子泣き爺が手を振ってきた。共闘は認められたようだ。


「俺は魔法使いの相手をする」

「フミヤ、頼む」

「レッカ、俺が魔法使いの注意を惹く。多分、互角の勝負になるから、隙を見て敵の魔法使いを仕留めてくれ」

「わかった」

「ライ達は他の妖怪を頼む」

「任せろ、じゃあ、俺達はまず地上の狼男達の相手をする」

「じゃあ、いったん別れるぞ」

「おう!」


 狼男は、唐傘オバケや鬼と戦っていた。フランケンシュタインもいる。狼男とフランケンは、鬼を相手に力勝負をしていた。唐傘は、あんまり役に立っていないようだった。カズナリ達は、その戦いの中に飛び込んだ。


「日本妖怪!加勢に来たぜ。俺達は味方だ」

「いくぞ、カズナリ!」

「おう!」


 低空飛行で、カズナリ達は狼男に接近した。


「かまいたち!」


 風の刃が狼男の顔を斬り裂く。狼男、苦悶の雄叫び。


「火炎放射!」


 ライの炎の攻撃。狼男は炎に包まれ、焼けながら撤退した。カズナリ達は、狼男達の頭上を通過した。


「OK!狼男は放っておこう。次はフランケンだ」


 引き返し、低空飛行でフランケンに接近する。


「かまいたち!」


 風の刃。


「火炎放射」


 炎に囲まれる。フランケンも何か叫びながら撤退した。鬼と唐傘は大喜びだった。狼男もフランケンも、ただの力自慢だった。距離をとっての攻撃をする限り、怖くはなかった。


「カズナリ!」

「なんだよ、ライ」

「俺達、無敵じゃんか」

「もう1人、現れたぞ」

「なんだ、あの帽子を被った紳士は?」

「おそらく、吸血鬼」

「何?」

「行くか?」

「当たり前だ」


 再度低空飛行。吸血鬼を狙う。すると、吸血鬼のマントから沢山のコウモリが飛び出してきた。


「かまいたち!」

「火炎放射!」


 何匹ものコウモリが斬り裂かれ、焼かれた。だが、生き残ったコウモリが鬼と唐傘に噛みついた。すると、鬼も唐傘も目つきや顔つきが変わり、カズナリ達に襲いかかってきた。


「ハク、上だ!」

「シン、頼む!」



 2組は、急上昇。空へ逃げた。が、コウモリ達も空へ。空中で戦っている日本妖怪に襲いかかる。







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