レズ妖精と過ごす、楽しい百合百合ライフ

あかせ

第1話 レズ妖精との出会い

 「このまま夏休みになったら、どうなっちゃうの?」


私、渡辺わたなべ百合ゆりは1人で下校中につぶやく。今は周りに誰もいないから聞かれる心配はない。


春に女子校に入学して3か月。7月になったから、もうすぐ夏休みになる。普通の人は嬉しいかもしれないけど、私はそうじゃない。


だって、クラスメートをに妄想できなくなるんだよ? こんなに辛い事はない。クラスのみんなとはそれなりの関係を築いているものの、遊べる人は誰1人いない。関係を進めるのに躊躇というか、戸惑いがあるからだ。


せめて私にもっとコミュ力があれば、誰かとレズれたかもしれないのに…。



 私は小さい頃からレズだ。周りの女子が男子の話をしても、興味が一切湧かなかった。適当に頷きながら、みんなの体をジロジロ見てたっけ♡


とはいえ、それはさりげなくやっていた事だ。多分だけど私がレズなのは誰も知らない。そう、お母さんでさえも…。


小学・中学は共学以外の選択肢がなかった。でも幸いな事に、女子校は家の近所にある。私はお母さんを何とか説得して、女子校に入学させてもらった。


これで漫画のような百合百合ライフを送れるぞ~。そう思っていたのに、漫画のようなエロ展開は全然訪れない。一体どうなっているの?


みんな恥ずかしがって本性を隠してる? はたまたしかいない? それなりの関係を築くのが限界な私が、性癖を訊くなんてもってのほか!


…こんな風に、私には悩みがいっぱいある。全部は無理でも、少しは何とかならないかな~。



 曲がり角を曲がってすぐ、家までもう少しのところで…。


「えーん、えーん」


道端の隅で、小さい女の子が泣いているような動作をしている。けど、声はどう聞いても嘘泣きだ。関わらないほうが良いはずなのに、何故か気になる。


「君、どうしたのかな?」

私は中腰になって声をかける。


女の子は顔を上げ、私と目が合う。歳は小2か3ぐらい? 顔付きは本当に幼い。


「お姉さん、声かけてくれてありがと~!」

女の子はすぐ笑顔になった後、私のおっぱいを揉んできた。


「ちょっと!?」


初めて他人におっぱいを揉まれた♡ でもその気持ちを前面には出せない。


「う~ん…、お姉さん“レズ”でしょ?」


「えっ?」

どうしてわかるの? バレるような事はしてないはず。


「心に嘘は付けないから。…お姉さんが探してた人みたい」

女の子はそう言ってから、揉むのを止めた。


「私を探してた?」

心当たりがない…。


「そう。あたしの魔法でこの辺りにレズの人がいる事がわかったの。でも大体しかわからなくてね~。こんな風に声をかけてくれるのを待ってた訳」


「魔法? 何ふざけた事言ってるの?」

この子の見た目は普通だ。からかってるとしか思えない。


「じゃあ、これを見たら信じてくれる?」


…女の子の姿がみるみる小さくなり、ちょうちょぐらいのサイズに変化する。それに合わせ、服装も白のワンピースに変わる。見た目は妖精さんで、童顔は変わらない。


「どう? あたしが普通じゃない事、信じてくれた?」


「まぁ、そうだね…」

目の前で見せられた以上、普通じゃないのは明らかだ。


「良かったらだけど、続きはお姉さんの部屋で良いかな?」


「良いよ」


私の返事を聴いた後、妖精さんは肩に止まる。


「あたしはアリサっていうの。よろしく」


「渡辺百合よ」


「百合って名前でレズなんて運命だね♪」


「そうかも…」


アリサさんとの距離感に戸惑いつつ、私は家に向かう。



 家に着き、自分の部屋に入る私。アリサさんは私の肩から学習机に移動した。


「あたしの事は気にせず着替えてね、百合」


「はぁ…」

普段の体育の着替えだって多少は見られてるはず。気にしないでおこう。


「あの…、アリサさんは私に何の用なんですか?」


「そんな堅苦しくしないでよ。タメで良いし、気軽に呼んで♪」


「わかった…。アリサは私に何の用なの?」

これを知らないと、夜寝られる気がしない。


「同じレズ友達が欲しいんだよ。周りはしかいなくてさ~」


「妖精にもそういう事情があるのか…」

ちょっと親近感が湧いた。


「あるよ~。人間もそんな感じじゃないの?」


「そうだね」


着替えが済んだので、私はベッドのふちに座る。


「それで、あたしのレズ友になってくれる?」


人間と妖精がうまくいくかわからないけど、同じレズとして仲良くしたいよね。


「もちろん。…けど、気になる事があるの」


「何?」


「私がアリサの事を誰かに話す可能性は考えなかったの? 急に正体を明かすから気になって…」


「その辺は魔法で何とかするよ。消す事は楽勝だからね~」


きっと“姿”とか“記憶”の事を言ってるんだろう…。


「友達になった記念として、今からHしよっか♡」


学習机にいたアリサは飛び立ち、私の太ももに着地した。


「どうやって? 体の大きさが違い過ぎるよ?」

どう考えても、ちょうちょサイズのアリサとHできる訳がない。


「今から百合を小さくするね~。あたしが大きくなるのもアリだけど、今回はこっちにするから」


…アリサが詠唱みたいなことをした後、私の体はどんどん小さくなっていく。そして、多分アリサと同じ大きさになる。


「凄い、全ての物が大きい。アリサはこんな風に見てたんだね…」


ベッドのそばにあるクマのぬいぐるみも、普段なら可愛いのに今のサイズだと恐怖を感じる。壁のような圧迫感と高さがあるからだ。


「今は慣れないかもしれないけど、その内慣れるよ」


そうなる気が全然しない。


「そろそろ限界♡」


アリサは私を押し倒す。体が小さい分、どこでもベッドのフカフカを味わえるのは良いね。


「百合って何人家族なの?」


「私と両親の3人家族だよ」


「今までレズの経験は?」


「ない…」


「そっか、あたしと同じだね。1人でった事はある?」


「……何度もある」

想像以上に恥ずかしい。クラスのみんなが言えなくても仕方ないね。


「それも同じみたい♪ 百合とは良いレズ友になりそうだよ♡」

アリサは私のTシャツとブラをまくってから舐め始める。


「…自分で触るのと全然違う♡ 気持ち良い♡」


「そうなんだ。後であたしにもやってよね♡」


「もちろん♡」



 一通り舐められたので、今度は私の番だ。アリサはワンピース姿だから、上だけ脱がしてから舐めた形だ。童顔のアリサを責めるのは、すごく悪い事をしてる気分になる。


「楽しかったね、百合♡」

隣で寝っ転がっているアリサが言う。


「うん♡」


「百合の事が気に入ったから、このまま居候させてもらうね。その代わり、あたしに出来る事は何でもするから」


何でも? 私にはできなくても、アリサと魔法の力を借りれば何とかなるかも?


「実はクラスメートとレズりたいんだけど、そこまでの関係になれなくて悩んでるの。どうすれば良いかな?」


「そうだね~。魔法できっかけを作るとか、イタズラもアリだよ♪」

子供のような無邪気な笑みを浮かべるアリサ。


「イタズラ? 例えばどういうの?」


「今より小さくなって、その人の服の中に入りこむとか」


「そんな事できるの? 面白そうだね♡」


「でしょ? レズの事なら喜んで協力するから♪」



 こうして、妖精のアリサとレズ友になった私。彼女の魔法があれば、今までできなかった事も出来るかも? 明日の学校が楽しみだな~。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る