15.囁き声

 浜辺で待機している一同は、瞼の裏に眩しい光を感じて目覚めた。就寝前は激しい雨が降っていた。いまは灼熱の太陽が砂浜を照りつけている。


 あまりの暑さに顔を歪めて背を起こした翔太が、放置した幼虫に目をやった。やはり、海に沈めたときと同様に、幼虫は透明の膜に守られていた。


 手のひらに幼虫を載せて観察した。幼虫を覆っている膜の内部は、生命を維持するために適した温度や湿度に保たれているのだろう。


 実験に使う目的で強引に土から掘り起こされた幼虫とっては熱砂の上はかなり厳しい環境だ。長時間放置しておけば、いずれ死に至る。


 砂浜には貝殻が落ちている。


 貝殻はなんらかの理由で死んだ貝。だが、七人が貝を殺そうとしても殺せない。


 「自然の摂理で死んだ生き物」貝殻に視線を下ろした。「俺たちがこの島の生体の命を奪おうとしても、不思議な力に守られている」


 綾香が、翔太の手の平で蠢く幼虫を見つめる。

 「あたしたちは、この島にとって部外者。島に時間は流れていても、あたしたちの体に時間は流れていない。部外者のあたしたちに、島の生き物の生死は制御できないんだろうね」


 「だから狩りすらできないんだろうな」


 全員が空を眺めた。


 金色の光はどこにもない。


 「カラクリを解く鍵は真実……そして現実を見る。何が真実で何が現実なんだろう?」と、綾香は呟く。

 

 類たちは、旅客機の墜落現場に辿り着くまでにカラクリの答えを導き出せるのだろうか―――




・・・・・・・




 

 そのころ、鬱蒼としたジャングルの奥地を歩く類たち三人は、自然が作り出した木々の天蓋の下を歩いていた。樹木の葉のおかげで強い日差しは遮られているが、相変わらず気温が高い。


 三人は、額から噴き出す汗を拭った。死神の島にしては爽やかな鳥の囀りが聞こえた。周囲の光景も、テレビで観る南国の無人島と同じように見える。そして、広い空も現実世界と同じだ。


 類は、試しに大地を這う昆虫を踏んでみた。結果はいつも同じ。平然と大地を這い続けている。


 なんらかの不思議な力が島の生体の命を守っている。小夜子も、島の生体は不思議な力に守られているようだったと言っていた。彼女と同じ島で同じ体験をしているが、漂流物が落ちていたとはひとことも言っていなかった。


 考えを巡らせて歩く類が立ち止まると、ふたりも立ち止まった。相変わらず緑色一色の景色が周囲を取り囲んでいる。この先も高木が続いており、下草や低木が少ない。そのため歩くには最適だが、もうそろそろ足場の悪い大地に出てもよいころだ。


 (へんだ……)


 三人は焦りの表情を浮かべた。そのとき、どこからともなく腐敗臭を感じた。鼻を刺すような臭いに顔を歪めた直後、蠅が自分たちの目の前を通過していった。


 (臭いの原因はなんだろう?)


 鼻先に神経を集中させて、周囲の臭いを嗅ぎながら歩を進めてみると、少し先に大量の蠅が群がっている光景が見えた。そちらへ歩を進めた三人は、恐る恐る木々のあいだを覗き込んでみた。すると、仰向けで横たわる斃死した猿が横たわっていたのだ。


 腐敗した猿の腹部は裂けており、肋骨が昆虫の六脚のように開いていた。その内部には、液状化した内臓が見える。強烈な腐敗臭を発する蠅の巣窟と化した猿の死体に吐き気を催した三人は、すぐさまその場から立ち去った。


 樹木に両手をついて息を整えた類は、嘔吐しそうになった。

 「くっせぇし、気持ちわりぃ」


 純希が屈んで胸をさすった。

 「ひどい臭いだ。ゲロしそう」


 明彦が厳しい現実を言った。

 「墜落現場はこんなもんじゃない」


 類は重苦しいため息をついた。

 「わかってるよ、そんなこと言われなくたって」


 純希は不安げな表情を浮かべて、ふたりに訊いた。

 「あのさぁ……超心配になること言っていい? 浜辺に向かう途中で猿の死体なんかなかったよな? 俺たち、もしかしたら道に迷ってないだろうか……」


 明彦も言う。

 「俺もなんとなくそんな気がする……」


 類の顔が青褪めていく。

 「遭難だよな……」


 純希は明彦に訊く。

 「ヤバいよな?」


 明彦は真剣な面持ちで言った。

 「ヤバいだろうな……」


 類が前方を指さした。

 「もう少し進んでみよう。もしかしたら、わずかに道を逸れてしまっただけかもしれない」


 不安な純希は進みたくない。

 「いや、俺はいったん浜辺に引き返したほうがいいと思う。まっすぐ後ろを歩けばいいだけだ」


 明彦が純希に言った。

 「そう単純じゃない」


 純希は言う。

 「でも、いまなら引き返せる」


 現実世界とは異なり、救助は望めない。類は前進しようとした。

 「とりあえず歩こう」


 純希が類に辛辣な言葉を吐いた。

 「ちょっと待てよ、進んでどうするんだよ? 頭の中は理沙だけなんだし、ますます迷うだけじゃん。もっとしっかりしてくれないと困るんだけど」


 突然言われた嫌味に憤然とした。

 「どういう意味だよ?」


 語気を強めて言った。

 「どうもこうも、そういう意味だよ」


 険悪な雰囲気。喧嘩は避けたい。明彦がふたりのあいだに割って入る。

 「無駄な言い争いは体力を消耗させるだけだ。そんなくだらないことに体力を使うくらいなら、この状況を乗り切るために使おう」

 

 「先生みたいな口調で言うのやめてくれない?」明彦に言ってから、不満を口にした。「校内でもお前は倉庫の中にこもりっきり。みんな真剣に話し合っているのに、まるでひとごとじゃん」


 言い返した。

 「理沙だって仲間だ! 俺たちを待ってるのにかわいそうだ!」


 「現実世界に戻ったら思う存分イチャつけばいい! いまはカラクリに全神経を集中させるべきだって俺は言ってるんだ!」


 「ふたりとも熱くなるなって」明彦はふたりの口喧嘩を止めようとした。「純希も落ち着け」


 純希が明彦に訊く。

 「お前だってそう思ってるんだろ?」


 類が明彦に言った。

 「明彦まで俺を責めるのかよ?」


 明彦は類に言った。

 「責める責めないの問題じゃない」


 類は憤然とする。

 「だったらなんなんだよ?」

 

 真剣な面持ちの明彦は、冷静な口調で類に言い聞かせようとした。


 「たしかに理沙はひとりで頑張ってくれてると思う。だけど、それとこれは別。カップルとして仲良くするのは一時的に我慢してもらわないとね。

 現実世界に戻ったら、何もかもがいつもどおりなんだ。早く理沙に逢いたいなら、カラクリを解くことに集中するべきだ。全員が一丸となって頑張らないとゲートに辿り着けない」


 ゲートを通るためにはカラクリを解く。それが必須。だからこそ、みんな真剣だ。それをわかっているものの、いつも以上に理沙が恋しくなってしまう。不思議なくらい魅かれてしまう。


 「理沙が綺麗なんだ……」うつむいた類は言う。「すごく……綺麗なんだ……」


 「は?」純希は顔をしかめる。「明彦が説明してもまだわからないの?」


 明彦も呆れた表情を浮かべた。

 「理沙は世界一の美人だって、学校でものろけ話を聞かされているから知ってる。だからあえて、こんな場所で聞きたくないかな。俺らが言いたいのはカラクリに集中してほしい、それだけだ」


 「わかってるよ。俺だってわかってる、そんなことくらい」うつむいたまま類は言った。「カラクリについて考えようとする以上に、理沙のことで頭がいっぱいになっちゃうんだ。日が経つにつれて、理沙への想いが強くなる」


 「目の前にいるのに触れられない。だから余計に恋しくなる。その気持ちは理解できるけど」


 苛立った純希は、明彦の言葉の途中で命令口調で言った。

 「何度も同じことを言わせるなよ。現実世界に戻ったら朝から晩までイチャつけ。ここでは我慢しろ」


 類は声を荒立てた。

 「わかってるよ、そんなこと!」


 言い返そうとした純希の代わりに、堪忍袋の緒が切れた明彦が声を張り上げた。

 「わかってない! 一生この島にいたいのかよ!」


 ふだん怒らない明彦の怒号が周囲に響き渡る。驚いた類は身を強張らせた。


 「ごめん……」と謝った。


 明彦は類に確認した。

 「集中できるよな?」


 すまない気持ちでいっぱいになった類はうなずいた。

 「うん。俺、どうかしてた」


 明彦は口元に笑みを浮かべた。

 「わかってくれたならそれでいいんだよ」


 純希もきつく言いすぎたと反省して、類に謝った。

 「俺もごめんな」


 「いいんだ、俺が悪いんだし……」


 明彦と純希が前進した。類の視界に手のひらほどの大きさの石が映った。その瞬間、双眸が虚ろになる。石を見つめて、拾い上げた。そしてふたりの後ろ姿を見据えた。


 カラクリが解けたら困るのは俺だ―――


 カラクリを解かれる前に殺せ―――


 殺せ―――


 虚ろな目の類の頭の中に囁き声が響いた。前方を歩いている純希の頭部を見つめた。


 殺せ―――

 

 力強く石を握った類は、純希の後頭部を目掛け、腕を振り下ろそうとした。その瞬間、殺したくないと叫ぶ本来の自分の声が頭の中に響き、はっと我に返った。


 一瞬、純希を本気で殺そうとした。


 本来の自分とは真逆の考えを持つ悍ましい囁きをする自分がいる。だが、なぜだかそれを言いたくない。


 「類」明彦が、後方にいる類に顔を向けた。「あのさ……」


 類は手にしていた石を背に隠した。

 「何?」


 「いや……なんでもない」


 明彦は類の咄嗟の行動を見逃さなかった。しかし、隠した物まではわからなかった。それを問い詰めれば自分たちにとってよからぬことが起きるような気がしたので、類の行動にあえて触れなかった。


 (いったい何を背中に隠したのか……やっぱりいつもの類じゃない。魔鏡の世界で小夜子に取り憑かれたとでもいうのか?)


 明彦が顔を正面に戻したので、その隙に持っていた石を大地に置いた。そのとき、魔鏡の中で死神に化した小夜子に、近いうちにひとを殺すと言われたことを思い出す。それと同時に、彼女が叫んだ意味深長な言葉を思い出す。


 “もうひとりの自分の囁き”。


 “抗えない囁き”。


 小夜子が何を言いたいのかわからなかった。人格交代をするさいに聞こえる声のことだろう、と、そう思い込んでいた。それにあのときは、カラクリの答えを知りたい一心だった。


 絶対に人を殺さない。だけど、いまたしかに一瞬だけ殺意が湧いた。何があっても友達を手にかけたりはしない。みんなを守りたい。


 それなのに、どうして……。


 これもこの島のせいなのか? この症状をふたりに打ち明けるべきだ。でも……どうしても言いたくない。


 このままふたりの後方を歩くよりも、前方を歩いたほうがよい気がした。自分が怖い。それなのに囁き声が聞こえていることを打ち明けたくない、と反発するもうひとりの自分がいる。思い悩んでいたとき、ふたたび明彦がこちらに顔を向けてきた。


 「お前のほうが体力があるから先頭を歩いてよ」明彦は類以上に不安を感じていた。「俺らじゃ駄目っぽい。先頭はお前の役割だ」

 (いまの類は信用できない。無防備な背後を狙われたらヤバい)


 類は動揺から言葉を噛む。

 「や、やっぱり、先頭は俺が一番だ」


 類が先頭を歩くと、明彦は後方を確認した。類が背中に隠した物が気になる。大地に視線を這わせたが、わからなかった。明彦の中で類に対する不安が大きくなる。


 三人は、猿の死体が横たわる場所を避けて歩を進めた。だが、死体は見えなくても耐え難い腐敗臭が漂っている。嗅覚が感知したにおい分子は電気信号に変換されて、脳に情報が送られる。においを嗅いだだけで目にした光景が鮮明に甦るのは、脳に情報が記憶されてしまったからだ。だからだろう……思い出したくもない猿の死体が頭に浮かんでしまうのは。


 こんな場所で遭難して、あの猿のようになりたくない。


 あの猿はどうして死んだんだろう?


 今も昔もこの島に人を送り込むのはネバーランド。生き残った自分たちと、死んでしまった乗客とのちがいはいったいなんなのか……。


 前方を歩く類に目をやり、重苦しいため息をついた。

 

 類の様子がおかしいことを純希に伝えたい。このままだと集中して物事を考えられない。

 

 進むべき方向に不安のある純希は明彦に尋ねる。

 「やっぱり、いったん浜辺に戻ったほうがよくないか?」 


 「俺たちが歩いてきたのはこっちの方向だ」明彦は後方を指さした。「だけど大幅に道を逸れてしまった」こんどは左右を指さした。「どっちが浜辺なんだろう? 方向をまちがえただけで延々とジャングルが続く」


 「歩いてきた道を辿れば浜辺に戻れるはずだ。奥地に行けば行くほどマジでヤバいことになる。こんな場所でガチで遭難したらそれこそ大変だぞ。いまならまだ間に合う」


 「そのほうがいいか……」真剣に考える。「確かにこのまま進むのはヤバいよな……」と、考えを改める。


 そのとき類は後方を振り返り、ふたりに顔を向けた。

 「さっき猿の死体の匂いがきつかったから吐きそうなんだ」背の丈ほどの植物が茂った箇所を指す。「ちょっと吐いてくる」


 純希は訊く。

 「大丈夫か?」


 「ああ、大丈夫」と返事し、茂みの中へ入った。


 類はふたりを確認する。こちらは見ていない。それなら学校の倉庫へ意識を移動させた。倉庫の鏡の前に立つ類は、鏡に息を吐きかけて手を押し当てた。理沙も類の手形に自分の手を押し当て、笑みを浮かべた。

 

 《ふたりきり》


 「みんなは?」


 《島に戻った》


 「類は戻らなくてもいいの?」


 《少しだけ一緒にいたい》


 理沙は、室内の背景と自分の姿だけが映っている鏡をまじまじと見つめた。

 「本当にあたしが見えてるの?」


 《かわいいよ》


 「可愛くてよかった」嬉しそうに微笑んだ理沙は、真剣な想いで訊いた。「本当になんとかなりそう? あたし、心配だよ。どんなときも類となら乗り越えていける。でも……」


 俺も理沙とならどんなときも乗り越えていける―――


 《いつも言ってるじゃん なんとかなる》


 「そうだね、なんとかなるよね。絶対になんとかなる」微笑む。「あたし、ここでずっと待ってるから」


 《顔が見たかったんだ》


 ジャングルにいるふたりは類が学校へ意識を移動させていることは知らない。明彦は類の異変を伝えるために、茂みに目をやり、類がいないことを確認してから、いましがた見たことを伝えた。


 純希は目を見開く。

 「あいつが俺たちに危害を加える? そんなことあるはずない」


 「だけど、現に俺たちの頭を何かで叩こうとしていた気がする。あいつは咄嗟に何かを背中に隠したんだ」


 「気のせいじゃないの?」


 「いいや、マジだ。純希だってあいつの様子がいつもと違うことに気づいているだろ?」


 「この島のせいなのか?」


 「わからない」ため息をつく。「それにしても……あいつ吐きに行ってから随分と時間が経つ」


 ふたりは類が戻ってこないので、茂みの中を覗いた。だが、不思議なことに類の姿はなかったのだ。


 純希は血相変える。

 「あいつはどこに行ったんだ?」


 明彦は大声で呼んだ。

 「類! どこだ!」


 倉庫にいる類は、理沙にまた来る約束をして、ジャングルに意識を移動させた。すると目の前にふたりの姿が見えた。「類!」とふたりは大声で名前を呼んでいる。自分ならずっとここにいた。この場で意識を倉庫に移動させたのだ。


 「どうしたんだ? ここにいるけど」と、ふたりの後方から話しかけた。


 驚いたふたりは振り返る。


 確認したはずの場所に類が立っている。


 明彦は訝しげな表情を浮かべた。

 「おまえどこにいたんだ?」


 学校へ行ったことは伏せる。

 「ここでゲロ吐いてた」


 そのとき明彦の頭の中にも囁き声が聞こえた。


 一生島にいたい―――


 類のことなんてどうでもいい―――


 そしてそれは純希の頭の中にも響いた。


 この島に一生いるべきだ―――


 永遠の十七歳は最高だ―――


 頭の中でもうひとりの自分が話しているかのようだ。だがふたりは囁き声に支配されなかった。頭をブルブルと振って現実を見ようとした。


 (この島に一生いるなんて冗談じゃない。永遠の十七歳なんて望まない)


 これはこの島の罠だと思った。だとしたら類の異変も説明がつく。彼の頭の中にも、奇妙な自分の囁き声が聞こえているはずだ。


 そしてふと、類が言っていた小夜子の話を思い出す。


 “もうひとりの抗えない囁き” 。


 これがエスカレートして仲違いが起きれば大変なことになる。この島に永遠に留まる羽目になる。


 焦燥に駆られた純希は、率直にふたりに訊く。

 「頭の中に奇妙な声が聞こえていないか?」


 ふたりは同時に返事した。

 「聞こえない」


 明彦は嘘をついた。ここでそれを言うと類に何をされるかわからない。いまは伏せておきたい。

 「……」


 純希は不安になった。浜辺にいる四人はどうなのだろう。何かに取り憑かれているふたりを追及すれば、こちらの身が危険だ。いまは何も訊かないほうが無難だろう。現実世界に帰ろうとする七人をなんらかの力が阻止しようとしているのか……そんなわけにいかない。


 俺は絶対に現実世界に戻りたい―――


 このまま進むのは不安だ。墜落現場にも行けない、浜辺にも戻れない。明彦はわざとに道を間違えているのではないだろうか……


 だが明彦はまともだ。当然、方向転換を考える。

 「このまま進むのは危険だ。やっぱり引き返そう」


 純希は安堵したが、類は激怒した。

 「どうしてだよ!? まっすぐ行けば墜落現場を見下ろせる場所に辿り着けるはずだろ!」


 純希は否定する。

 「そんな危険な賭けできるはずないだろ!」


 明彦は機転を利かせた。この島に留まりたい、と、囁き声が聞こえていることは間違いない。この島に留まりたいなら、墜落現場は避けたいはずだ。

 「浜辺に戻っても、墜落現場までは遠い。まだ着きそうにない。もしかしたら次も道を間違えるかも」


 類は、突然、笑みを浮かべた。明彦の言葉に安堵しているかのようだ。

 「そうだな。まだ墜落現場には着きそうもない。引き返してもいいよ」


 この瞬間、純希は明彦がまともであることを確信した。嘘をついたのは明彦なりの考えが合ったからなのだろうと理解する。

 「歩こう」



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