第4話「魔女と原宿その1」

…がちゃり


結衣は玄関のドアの鍵を閉めた。一応確認してドアノブを動かして確認をする。大丈夫そうだ


結衣はこれから原宿に行くからちょっとおしゃれをした服装に。ウルウは相変わらず普通の魔女服だ


しかしこのウルウの服装。町中に行くと果たしてどういう反応されるかはちょっと考えものだ


だが今は仕方ない。これしかない。しかも結衣はウルウのようなナイスバディでもないためピッタリな服がない


目的としてはウルウに合うサイズの服を選び、試着して良かったらそのまま着る予定だ


今は現代。ウルウがあまり汚くなくてもその服装はあまりにもコスプレだ。だからこそ服を選ばないといけない


「行こうウルウ」


「うん。契約者」


その契約者っていうのはちょっと止めてもらいたいが…


マンションを出てまずはバスに乗ることに。おや?そういえばバスに乗るのはウルウ初めてだろうか?


「ウルウってバスの存在知ってる?」


またわからないウルウさんになるだろうか


「バス…まあまあ知ってる…かしら」


…多分これは半分わかっていない答えだろう


そう思って2人は歩いている。バス停に行く。まず言葉を発したのはウルウだった


「へえ~。なにこれ?時刻表?その時刻どおりに来るのね?」


「そうよ?凄いでしょ?」


ちょっと経つとバスが来た。ウルウはまたそのバスに驚くことになった


「…な、なに?現代のバスってこんなにきれいなバスなの?」


バスはバス停に止まり前方のドアが開いた。ウルウはまたそれにも驚く


「運賃は…220円。高いのか安いのかちっともわからないわ」


「私とウルウの分払うからね」


そう言って2人はバスに乗り込む。そのバスの車内の大きさにも驚くことになったウルウ


「えー!?なんて広いの!?しかも、あちこちにボタンがある!」


「ウルウ。ちょっと声のトーンを落とそうか」


本当にこの人、時代に取り残された人でもう草すら生えない



「…で、ここから電車というのに乗るのね?」


「そう。行こう」


結衣は早速改札口まで行こうとしたがここで止まった。あ…磁気カードって2人はだめなんだっけ…


改札口にて邪魔そうに立ってた結衣だったが、券売機に行き、ウルウ分の券を買う。券を買うなんて久しぶりだなあ


原宿まで行く券を買って、ウルウにわたした


「これは何?」


「電車券だよ。ウルウ。これは絶対無くさないでね。無くしたら原宿にいけなくなるから」


「そうなの?わかった」


本当だったら磁気カードをウルウのためにも買ってあげたいが、一応まだにしておこう


そうとなったらお次は改札口。結衣の後ろから着いてくるウルウ。やり方を説明する


「この券はここの投入口に入れるの。そうすれば駅構内に入れるわ」


結衣は投入口を入れる。そして券の出入り口から券が出る。そこで結衣は言う


「そしてね。この券は原宿に着いたときに使うから、絶対取ってね」


ここまで言われてウルウは結衣の言う通りに行動してみた。券を投入口に入れて、出てきた券をもう一度貰う。ここまでできた


「やったー!私にもできたわー!」


改札のど真ん中で喜ぶウルウ。しかし後ろから人が来る


「ちょ!ウルウ早くどいて!」


改札口とは人がひっきりなしに通る場所。ここで止まったら迷惑となってしまう


そんなことで駅構内に行く。まだ電車は来てないようだ。ウルウは周りの景色をうろちょろ首を動かしながら言う


「どういう感じなんだろ電車って」


「見ればわかると思うよ」


すると駅構内にアナウンスが鳴る。そろそろ電車が来るというアナウンスだった


「え!?どこから声が来たの!?これも魔法!?」


「ウルウ。スピーカーって言って マイクを通じて声を喋っているんだよ」


「な…なんなのそれ…」


最先端ではないが、こういう技術はウルウにとって全てが初の体験なんだろう


そうすると電車が来た。ウルウはその大きさに更に驚くことになる


「でかっ!?あれが電車っていうの!?」


電車はゆっくりとした動作になり、やがて止まり、ドアが開いた


「これに…乗るの」


「ここで止まったら行っちゃうよ」


そう言って結衣は手慣れた感じで。ウルウはドキドキしながら入った


電車のドアは閉まり、やがて発進。するととても早いスピードで動く電車にウルウは何もかも初めてのことだった


「なんていう早さなの…これが科学っていうの…」


すぐに過ぎ去る風景。人が多い電車内。やたらとガタガタ言う電車。ウルウは真顔になりながら乗っていた


「凄いでしょ電車って。これが通勤をするときに欠かせないものなんだよ」


「でも…その会社に行くならこれが必要なら…絶対ぎゅうぎゅう詰めになるわよね」


お、よくわかったねウルウ


「そうなんだよ。それを朝ラッシュって言って凄い人数がこの電車に乗り込むんだよ」


「私は経験したくないわねえ」


…一回あたり本当に経験させてみるのもありか?そんなSっ気のあることを考えてしまった


電車は進む。原宿駅まで進んだ



ワイワイ。ガヤガヤ


原宿駅に着いた。買った切符を改札口に通し、2人は外に出る。なんていう人の多さだ


原宿駅の目の前には竹下通り。ここは有名な原宿のメインストリートだった。当然人は多い


「これが…噂で言う人混み!」


…噂というのがよくわからないが、バスといい電車といいこの人混みといい全てが初めてなのはよくわかる


「ウルウ。ここは人が多いから離れたらすぐに迷子になるよ。しっかり着いてきて」


「うん。わかったわ」


ウルウはそう言うと自分の手を結衣の腕に絡めた。ドキッとした。結衣だってこういうのは初めてのことだ


「しっかりエスコートしてね契約者さん」


「う、うん…」


やや恥ずかしい気持ちになりつつも竹下通りに行こうとした


この竹下通りというのは様々な店があり、結構面白い通りだ。そんな光景はウルウは当然初めてだし興味津々だった


だが、周りの人も当然ウルウの姿を見る。あまりにも大きい身長と胸。なんか場違いな服装。それを二度見する人が多かった


「え?なにこのでかさ」「すご…胸…でか…」「あれは…コスプレ?」そういう言葉が人を通ったあとに言われている


仕方ない。これは絶対言われるだろうなとは結衣は思った。なにせまだこの現代にあらわれて日にちも経っていないから


とりあえず目的の店まで行くまで我慢だ。人の目が気になるが今はそんなこと気にしてられない


そして…ようやく着いた。竹下通りのところにあった。ここは女性用の服屋。小さいサイズ、大きいサイズも揃う店


ここならウルウの体格に合った服装が見つかるだろう


「ウルウ。ここだよ」


「へえ…!なかなか大きくて良さそう!」



ウルウと服屋


どういう服になるだろうか?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る