第6話

「なんだこれ?」

俺達はそれに近づき観察する。

それは丸い玉だった。

俺は手に取り、鑑定を発動させる。

【名 前】

『魔球』

説明:魔力を込めれば様々な魔法を放つことができる。

「へぇーすごいな」

「よし、これは俺が貰っておこう」

「え?俺が持っておきたかったのに」

「早い者勝ち」

それとは別に宝玉っぽい物も落ちていた。

「これは?」

「これがきっと扉を開けるのに必要なものだな」

そうして、俺達はダンジョンの奥に進み次の階層を目指した。


扉を開け次の階層へと向かう。

「この先は何があるんだろう」

「さあな」

「まあ、行ってみればわかるさ」

「それもそうだな」

俺達はその先の部屋に入る。

そこには巨大な龍がいた。

《これより、先は我が領域である。汝らの命運ここで尽きる!!》

「何言ってんだこいつ?命運尽きるとかなんなんだ?」

俺は思わず言ってしまった。

《愚かなる人間よ、我こそは最強にして絶対の存在なり》

なんか変なこと言い出した。

俺は無視して攻撃を開始する。

俺の攻撃に相手も応戦してくる。

真司も攻撃をするが、なかなか当たらない。

そこで、俺は真司に耳打ちをする。

《お前が囮になれ》

真司はうなずき俺から離れる。


「さあ来いよ」

俺は挑発をし、相手を自分の方に向けさせた。

そして、俺は後ろから相手に攻撃を仕掛けた。

見事に命中した。

すると、相手は怒り狂ったかのように俺に向かってくる。

よし、これでいい。

俺は真司に合図を送り、真司は横から仕掛ける。

すると、真司の拳が当たり、相手は大きく怯む。

「今だ!」

俺は叫び、

「炎帝乱舞」

俺は全力でスキルを使用し、相手を攻撃する。

相手は抵抗し俺に反撃しようとするが俺の方が速かった為、相手は何も出来ずに倒れた。

そして、光に包まれたと思った瞬間、目の前には扉があった。

「どうやら終わったみたいだな」

「ああ」

「やっと出れるな」

「そうだな」

こうして俺達は無事ダンジョンをクリアしたが……。

「ここどこ!?」

「ルシファーさん」

「いや……私も知らない場所でして」

全員でポカーンとしている。

「とりあえず進もっか」

「そうだね」

「そうですね」

と棒読みな感じになる。


そのまま奥に進むが道がわかんねぇ。

このままだと永遠にここにいなければならないので一旦戻る事にした。

**

戻って来た俺達だったが特に何もない森の中で困惑していた。

すると、遠くの方で大きな爆発音が聞こえる。

「今の音は」

俺がそう呟くと、ルシファーが答えてくれた。

「恐らくこの世界のどこかにいるはずの魔王でしょう」

「どこかにいる筈って……なに?」

俺はつい突っ込んでしまった。

ルシファーによると、昔に魔王を討伐してから消息を絶っているとの事。

だが何故、そんなことがわかるのか聞くと

「勘です」

と言って笑っていた。

マジで怖いんですけど。

しかし、俺達が向かわなければいずれは誰かが行ってしまう。

なら、早く終わらせて元の世界に戻りたいと思い俺が言う。


「なら行こうぜ!」

と俺が言うと2人は

「了解!」

と返事をした。

俺達は、爆発音のした所へ向かった。

そこには大きな城のような建物がある。

多分あそこだろう。

3人は急いでその場に向かう。

そして到着した。

そこは、どうやら街になっているようで大勢の人が住んでいるようだ。

「まずは聞き込みからだな」

2人も同意して街の人に話しかける。

「どうしたんですか?さっきの爆発音は」


俺が尋ねるとその男は、深刻な顔で言った。

「実はこの街に魔王軍が攻めてきたんだ。それも大軍でな」

やはり、俺の思っていた通り魔王軍がいるようだ。

俺達は更に情報を得ようとする。

「どんな人達が来たのですか?」

真司が問う。

すると、その男は答えてくれる。

「それが奇妙な格好の集団でな。まるで天使みたいな服で……」


「は、はい?」

流石に俺も驚いたが話を続けたので大人しく聞くことにした。

すると突然空に魔法陣が現れる。

そこから黒い翼を持った奴らが沢山現れる。

その中には先程聞いた服装の男がいた。

「あいつら、悪魔じゃねえかよ」

俺は焦りながら言った。

悪魔とは人族が召喚する魔獣の中で最悪の部類だ。

「いや違うあれは堕天族だ」

ルシファーさんが言う。


堕天族は天使が堕落した姿だと言われているらしい。

俺達の方を指差している。

これはヤバイなと思って振り返ると2人の姿が見えない。

まさか、置いてかれたんじゃ……。

俺の不安は的中したようだった。

どうしようかと考えているうちにいつの間にかに魔法陣から出てきた連中に取り囲まれている。

仕方がないので戦う事にした。

敵は約300といったところだ。


ルシファーさんも戦うとのことだが

「ルシファーさんは無理はしない方が」

「いや私も天使の端くれ」

「はい!!?」

衝撃の事実。驚きながらも戦いは始まった。

** 30分ほど経った頃だろうか、ようやく最後の一人を倒した。

そして、目の前にいた奴がこう言い残して消える。

《覚えておけお前らは俺らに殺される》 そう言って消えたのだった。

こうして魔王軍は全滅したのでは無かったかと言うくらい倒しまくった。

俺はレベルが上がっていたがこの調子では魔王戦は厳しそうな気がした。

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