異世界転移に巻き込まれた俺は元・宇宙戦艦の艦長! と、ついでに巻き込まれた元・勇者の男は国王をぶん殴って異世界を自由に生きることにした。
@kisisama4
プロローグ 2人の最強反逆者、誕生
時刻は午後12時を迎えようとしていた時の事であった。
武蔵学園2年2組のクラスメイト&担任の教師が異世界転移に巻き込まれる事になろうとは――――――
「————という事じゃ。 君達には是非とも我が国の戦士となり! かの三つの国を落としてほしい。 もちろん、そのあとに魔王なる存在を打ち果たせば! 元の世界に帰れる事を保証しようではないか!」
白いひげを蓄えた年配の男が王座から俺達を見下ろしながらそう告げる。
周りを見てみると、なにやら鎧を纏った兵士がぞろぞろといる、人数にして百人はくだらないだろう。
どうにも話も胡散臭いし、それよりも何よりも…俺は”愛しの地球”から…こんなクソみたいな世界に転移させられた事で頭が一杯になっていた。
すると一人の生徒が声をあげた。
「皆! あの国王は嘘をついてる。 君たちを騙して飼い殺しにするつもりだ!」
「な、なにを言うか! 突然!」
「ほんとうに?」
「で、でも悪い人じゃなさそうだし…」
「な、なにを急に…」
等、混乱している事もあってか男の話に誰も耳を傾ける事はなかった。
「本当だ! 僕の話を信じてくれ。 あの国王は嘘をついてる! 皆! 僕の話を~…はぁ。 10年以上の付き合いになるのに結局これか…だからガキって信用できないんだよなぁ~いや、人間そのものが信用できない? まぁ、どっちでもいいや」
「「「「「!?」」」」」
突如爆弾発言を始めた生徒の名は正義感も強く、生徒達の人気者でもある存在”佐藤
「ゆ、ゆうちゃん。 だめだよ…そんな事を…言っちゃ…お、お友達でしょ?」
「まぁ、僕にとっては! あいちゃん以外どうでもいいんだけどね? 有象無象だし、それにあの国王…僕をこき使おうって思ってる事自体が許せない…それに、あいちゃんをいやらしい目で見てた。 殺すか―――」
次の瞬間、佐藤の身体全体を包み込むように赤いオーラの様なものが出現した。
「な…なんだ…その、ち、力は!?」
「へぇ~…そこそこ出来るっぽいね? まぁ、僕の足元にも及ばないけどね?」
というか、俺の周りの生徒達もその力の影響でゲロを吐いたり失禁したりと色々危ないんだけど?
あなたそれに気づいてますか?
「ね、ねぇ。 真央? これ、どうなってる訳? なんで、私達は平気な感じなの? というかさぁ、なんかバトル始まる感じじゃない?」
「そうだな。 ドラゴ〇ボールもビックリなバトル展開になりそうだ!」
「いや! 目をキラキラさせんなし! というかどういう感じなのこれ!?」
すると突如、兵士の一人が声を荒げた。
「
「「「「おぅ!!」」」」
なんか大事になってきた気がするのと…佐藤くん。 相手の反応そっちのけでこっちを凝視するのをやめてもらえますか?
「え…?
「わ、わかんねぇし!」
「ほ、本当だ…ゆ、ゆうくんと私が平気なのは…解るけど…なんで?」
不思議そうにこちらを見つめる2人と、展開そっちのけで無視を続けられている国王は顔を真っ赤にさせながら大きな声で俺達に言い放つ。
「殺せぇ! ちょうど、ほかの連中は気絶しておる! 殺せぇ!
ズガンッ!!!
「——え?」
壁を突き破り現れたのは全長13m程の騎士鎧の様な見た目をした駆動兵器。
ほぇ~…国王の話を聞いていたかぎり、駆動兵器…所謂ロボが居るのは知っていたが…まさかああいう古風なデザインだとは。
「はぁ…どうしてこうも僕と関わる王は碌な人間がいないんだ」
「どぅ、どぅ、けど。 次は失敗しないって約束でしょう…? ゆう…くん?」
「あぁ。 まさかこうなるとは思ってなかったけどね? じゃ、暴れてくるよ」
「うん…ゆうくん。 がんばってね…チュ…」
目の前で佐藤の頬にキスをした白髪の人形みたいな顔付きをした少女は、赤面しながらチラッとこっちを振り返って一言。
「…キャ♪///」
「うぉぉぉぉ! 高まってきたぁぁぁぁ!! 魔力解放! 現れよ、聖剣エクスカリバーぁぁぁぁ!!」
更に光をました佐藤は金色に光る何かを手に取ると、周りを囲う駆動兵器達を次々と蹴散らし始めた。
『な、なんだこいつ!! うわぁぁぁぁ!』
『は、早すぎる!! だめだ! うあぁぁぁぁ!』
『ば、化け物めぇぇぇ!』
もはや地獄絵図。
―――――――――
「「……………」」
「で? 私たちはどうする訳?」
「まぁ、まぁ…待て待て。 今考えてるんだ!!」
「何を考えてるし!?」
「いや、ほら。 あの佐藤のいう事が本当だったら…というか確実に俺達もアレの巻き添え食らってる訳じゃん?」
目の前の激しい戦いを指さしながら彼女にゆっくりと説明を始める俺。
「ま、まぁ…完全にそうだよねぇ~…逃げないとやばい感じ?」
「が、俺達は異世界に来た訳だ! つまり! 金が要るかもしれない!」
「た、確かに?」
「おまけに俺達はもはや反逆罪で処刑されるかもしれない!!!」
「そ…そうだよねぇ…」
「じゃ、逆に考えるんだ。 そこの国王をぶん殴って、有り金頂いてトンズラするってのはどうよ?」
「—————へ? 真央? な、なに言ってんの?」
目が点になった彼女はさておき、その発言を聞きつけてか…佐藤がものすごい速度で俺の背後に現れた。
「なにそれ…名案じゃん」
「だろ?」
この後。 この国…いや、国王と兵士達は学生2人の餌食となる事をまだ知らない。
後に最強の反逆者と呼ばれる存在が生まれたのはこの時、この瞬間であった―――
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