第3話 『新生』

――ガタゴトガタゴトッ!


 激しく揺れる馬車。私は目隠しをされた状態で、さらに手足まで縛られている。おまけに狭い荷台で、体をあちこちにぶつけて痛いし(T^T)


 今どこを走っているのか、全く分からない。それ以前に私は、これからどうなるんだろ……? どう見ても、状況は『最悪』だ。


 ガタンッ! 馬車が急停止して、男の声がした。うぅ……女神様、どうかご慈悲を(><)


 私は荷台から引きずり降ろされ、そのまま「せーの!」と放り出された。まるで『不法投棄』みたいな扱いだった。


 そのまま急な斜面を転げ落ち、全身のあちこちが擦り剥けた。どうして、こんな事になっちゃたんだろう……?


 ドボーン! 小川に落下し、やっと止まった。落下の拍子で、両手を縛っていた紐が切れていたのが幸いした。

 私は頭の土嚢袋を取って、足の紐も切った。辺りを見回すと、本当に山中だ。川の水が冷たいし……(><)


 私は必死に川の水をすくって、喉の渇きをうるおした。なんせ皇宮を出てから食事はおろか、ロクに水も飲んでなかったもんね。

 

 続いて擦り傷を水で洗って、ドレスの裾を破り捨てかかとが折れたヒールも投げ捨てた。もう使うことはないもんね。断捨離だんしゃりは大事だよ(__)


「……てか、ココどこ? ホントに」


 私は辺りを見回して、途方に暮れた。当然、身に覚えは全くない。『体感的』に荷馬車には、結構長く乗ってた。


 太陽は丁度、私の真上付近に位置してた。ってことは、今は『正午』くらいか。私が皇宮から家に着いたのが『明け方』だったから、相当『遠く』まで運ばれたみたい。


 念には念を入れてってことだけど、それにしてもちょっとやり過ぎだよねぇ┐(-。-;)┌


 おっと、いけない。これからどうするか、スグ決めなきゃ! 私は『緊急脳内会議』を開いた。


――(私A)ぴぇええんっ(><)まさか本当に棄てられる(物理)なんて、酷すぎるよぉ! 私はどーすればいいのっ!?


――(私B)落ち着いて! 泣いても状況は変わらないよ! むしろ、あんな『毒親』と縁が切れただけよしとしよう!


――(私C)でも実際問題、これからどうするかだよ(-_-;) 『いく宛て』なんて全くないし。


――(私D)折角だから、全く『新しい人生』を歩んでみない? 『別人』になったつもりでさ。


 確かに『今までの私』は、親に『管理』されていた。『友だち』すら、親が選んだ子じゃないとダメだったし(><)

 それに無いとは思うけど、もし今後両親と鉢合わせてしまったら、今度こそ何をされるか分からない。


 なので、私は『逃亡』兼『転生』したつもりで、新天地に旅立つことにした。もう『昔の私』は死んだのだ。

 これからは、私の『好きに』やらせてもらう。吹っ切れた私は立ち上がり、まずは下山することにした。

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