第4話

 華さんは翌々日にやってきた。


「こんにちは」

「こんにちは」

華さんはベッドの横にある椅子に座った。


 最初は何気ない話をしていたけど、私は気になっていたことを聞いてみた。

「小学校からのお友達って、どんな方だったんですか?」と。

 デリカシーがないのは分かる。聞くべきじゃないと。けど、知りたかった。


 華さんは答えてくれた。

「……とっても肌の色が白かった。雪女みたいって、よく自分で言ってたな……。」

 華さんは涙を流し始めてしまう。慌てて「もう大丈夫」と言おうとしたけど、華さんは言葉を続けた。

「あの子は余命を宣告されてから数年生きた。それから、やりたいことは全てやって、やり切ってから倒れて、意識がなくなって、そのまま……」

 そのまま亡くなったのか。


「あの子は、あの子の名前は宵咲翡菜よいさきひなっていう。よかったら覚えておいてあげてほしい。」

「……はい」

「あなたも余命宣告されたんでしょう?」

「はい。数年後、確実に死ぬと」

「そう。じゃあさ、一つ提案があるんだけど、いいかな?」

「えっと、なんですか?」私は起き上がって華さんと向き合う。


「連絡先、交換しない?」


 私たちは、無料通話アプリの連絡先を交換した。そして私は、華さんが大学生なのだとはじめて知った。

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